移民新聞【BLOG】

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カテゴリ:入管行政 > 収容・ウィシュマ事件



【読む・観る・理解を深める】
【ウィシュマ事件の後遺症①】ウィシュマ事件を大々的に報道するマスコミが日本をダメにする!
【ウィシュマ事件の後遺症②】入管はオーバースティの外国人を収容することに及び腰になる。
【ウィシュマ事件の後遺症③】コロナビザは出し続けるし、オーバースティもお咎めなし。
【ウィシュマ事件の後遺症④】ルール違反したらすぐに捕まえて強制送還しないとダメだよ。
【人権派の正体①】外国人犯罪が人々の近くにまで忍び寄る。背後では左翼系弁護士が暗躍する。
【人権派の正体②】いいかげんな難民申請とゆるゆるの仮放免で外国人の遵法意識は定着しない。
【人権派の正体③】ヒューマニズムを唱える弁護士の主張が常に正しいわけではありません。
【人権派の正体④】人権派を気取るメディアは、情報を隠蔽しながら、偏向的な報道を垂れ流す。
【舐められる入管①】入管が甘くなったので、外国人は入管法など無視し始めた。
【舐められる入管②】この報道が「本当」なら、日本の入管は外国人に舐められるよね。
【舐められる入管③】出国を拒否する不法滞在の外国人は3224人。その3分の1は刑事事件で有罪。
【舐められる入管④】「入管が悪い外国人を摘発する!」という番組はパッタリとなくなりました。
【規律を失う外国人①】「留学生に対する10万円の給付」よりも、大きくて深刻な問題がある!
【規律を失う外国人②】在留期限が到来しても外国人を帰国させることができない入管は要らない!
【規律を失う外国人③】オーバーステイを気にしない外国人が日本の法律など気にするわけがない。
【規律を失う外国人④】10年間で難民申請者に1000人以上会ったが「真の難民」はいなかった!
【外国人派遣の諸問題①】外国人派遣は「不法就労」の温床です!
【外国人派遣の諸問題②】違法な外国人派遣が日本をダメにする!
【外国人派遣の諸問題③】外国人の不法就労を増やしているのは、じつは大企業。
【移民政策の諸問題①】耳障りが良く理想的な「多文化共生」は失敗だった
【移民政策の諸問題②】ウクライナ避難民の問題が表でも議論されるようになってきました。
【移民政策の諸問題③】日本人がどんどん減っている。子どもが生まれず、死ぬ人が増えている。

東京新聞の〇〇記者と言えば、「新聞記者」の名を借りた「レフト活動家」として有名ですが、最近は入管や政府に対して、「オーバースティの外国人をどうして収容するのか!」と糾弾する先頭を走っておられます。まさに「やさしい猫軍団」の一員ですね。下記の動画からは、松野官房長官に対して「どうしてオーバースティの外国人を収容するのか!」と詰め寄る彼女の雄姿を窺い知ることができます。

彼女によれば、「オーバースティ=不法残留」という「3年以下の懲役もしくは300万円の罰金」に相当する重罪を犯した外国人を逮捕し監禁するのはおかしい、ということなのですが、逃亡する恐れがあるのですから、逮捕し収容するのは当たり前。実際、2021年末の数値で言えば、仮放免された3,145人のうち 599人が逃亡して行方不明になってしまったわけで、身元保証人が逃亡しないことを保証したにもかかわらず、19.0%も逃げています。仮放免後の逃亡者は、1年後の2022年末には 1,400人になり、前年比で2.3倍になっていますから、かなり高い逃亡リスクがあるということは否定できません。

身元保証人がいる場合ですら、2割は逃げて行方不明になってしまうのですから、身元保証人がいないオーバースティの外国人を収容しない場合は、4~5割が逃げてしまうと想定しても、あながち外れてはいないでしょう。ところが、入管は、マスコミやレフト系弁護士や支援者団体で構成される「やさしい猫軍団」にビビっていますから、収容に消極的です。強制送還を拒否している外国人に関してみると、
2022年末時点で3,224人いるうち、79人しか収容していません。なんと 2.5%未満しか収容していないというのが実情なのです。収容することに対する入管の異常なビビり具合がわかります。

実際、「やさしい猫軍団」は、入管がオーバースティの外国人を収容するといきなり攻撃してきます。下記は、今年の7月11日の記者会見で、〇〇記者(もしくは、その仲間)が、齋藤健法務大臣に対して、「どうしてオーバースティを収容するのか!」と詰め寄っている模様を記した議事録です。現場の入国警備官からすれば、後日、こういう面倒くさいことに巻き込まれるくらいなら、「短期滞在ビザ」を許可する「特別受理」という超法規的措置か、収容せずに放置する「超責任放棄措置」を取りたくなるという気持ちはわかります。「オーバースティした外国人を収容するな!」と脅しつけて、外国人の不法滞在を助長している「やさしい猫軍団」が、不法滞在者を30万人へと押し上げていきます。

法務大臣閣議後記者会見の概要(令和5年7月11日)
《名古屋入管被収容者の仮放免に関する質疑について》

【記者】START(スタート)という名古屋の入管の支援団体が、申入書というものを出しております。法改正の前後に、10年以上仮放免状態であった女性たちが収容され、そのお子さんやパートナーの夫の方が、非常に生活が混乱しているという状況です。これは具体的にABCという3人の方が不当な収容ではないかという申請が出ておりますが、これ、もう2週間前に質問を投げさせていただきましたので、大臣としてどういうふうに認識されているかお聞かせください。

【大臣】STARTさんの件については、記者さんからあった御指摘の申入書について、私も確認をしました。申入れにあった各事案について報告も受けました。申入れは、御指摘の3名の方の仮放免を求めるものであったと思いますが、これは個別案件に関する事柄ですので、その詳細についてお答えは差し控えさせていただきたいですが、あえて申し上げれば、そのうち2名の方については、既に仮放免されております。残りの1名についても、適切に手続を進めていくということです。これが私の答弁としては限界かと思います。

【記者】今の名古屋入管の件ですが、2名仮放免され、1名は今現在収容中だということですけれども、10年以上仮放免で、御家族なわけですね。それぞれ。国籍も違うということで、長期の仮放免ですから、通常であれば10年以上の仮放免で、在留特別許可が検討されてもしかるべき事案ではないかと思うのですけれども、再収容されて、申入れしたらすぐに2名は仮放免されたわけですね。これは何で収容する必要がそもそもあったのかということと、こういった在留特別許可についてきちんと見直すようにといった通知・通達のようなことを、大臣・法務省・本庁として、地方入管に対して出すようなことは考えていらっしゃるのかどうかということ。それと、在留特別許可も、以前は「定住者」というビザが結構出ていたのですけれど、最近は、非常に制限のある「特定活動」というビザが乱発されているような気がします。これは非常に制限がかかっていて、仕事ができなかったり、生活保護を受けられなかったり、色々なところで不自由ですけれども、何で「定住者」を出さなくなったのか。この2点についてお伺いします。

【大臣】まず、3人のうちのもう一人の方の話については、個別事案に関することですので、その詳細をここでお話しすることは控えたいと思います。その上で、一般論として、仮放免の許否判断及びそれに伴う再収容につきましては、入管庁において、個別の事案ごとに、法令に従って、様々な事情を踏まえて、適切に判断しているということであります。それに尽きるということであります。また、新たな指示のようなものを現時点で出すことは考えていません。それから、在留特別許可に当たって付与する在留資格についての話がありました。記者さんがそういう解釈をされているというのは、今、お伺いしましたが、この在留資格については、飽くまでも当該外国人が行おうとする活動や、当該外国人が有する身分若しくは地位に応じて個別に決定しているものであるということなので、一概にこうだということを言うのは困難だというふうに思っています。

【記者】先ほど、3人のうち二人がSTARTの申入れで解放されたと。すると、なぜ収容したのかと。申入れがあって大臣が察知することになったから早々仮放免が出たのかなというふうにも見えます。適切な収容だったのでしょうか。それだけお答えください。

【大臣】なぜ収容したかとかそういう点につきましては、個別の案件についての判断でありますので、この場でお答えするのは差し控えるべきであろうというふうに思っております。





【不法滞在問題⑥】「どうしてオーバースティを収容するのか!」と官房長官を責め立てる東京新聞の活動家ジャーナリスト。オーバースティで収容したらダメなの???

【読む・観る・理解を深める】
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題④】NHKの「やさしい猫」は在留資格制度の枠組を完全に無視している!
【不法残留問題⑤】オーバースティの外国人を収容しようとしない入管に存在意義はない!
【不法残留問題⑥】「やさしい猫軍団」は「オーバースティで収容するな」と騒ぎ立てる!
【不法残留問題⑦】入管は「口うるさい警察官」ではなく「合法的なビザ屋」になってしまった!
【不法残留問題⑧】難民申請を活用すれば「短期滞在ビザ」から「就労ビザ」に変更できる?
【不法残留問題⑨】外国人派遣会社が摘発されないから「短期滞在ビザ」の外国人が増え続ける!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ!

令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書
出入国在留管理庁調査チーム(令和3年8月10日)

第3 事実経過
1 収容に至る経緯等
(1) 入国から不法残留に至る経緯

A氏【注1】は,平成29年6月29日にスリランカから本邦に入国した。入国時の在留資格は「留学【注2】」,在留期間は1年3月であり,A氏の所属機関は千葉県内の日本語学校であった。

【注1】A氏は、ウィシュマ・サンダマリさんのことを指す。

【注2】「留学」は,本邦の各種学校等において教育を受ける活動を行うことができる在留資格である。「留学」の在留資格でアルバイト等の就労活動を行う場合には,資格外活動の許可を受けることが必要(入管法第19条第2項)である。なお,A氏は同許可を受けていた 。

A氏は,同年12月頃,アルバイト先で知り合ったスリランカ人男性(以下「B氏 」【注3】という。)と交際するようになった。

【注3】B氏 は,「留学」の在留資格で本邦に在留していたが,平成30年11月2日以降,不法残留となった。A氏とB氏の関係等については,後記第5の4参照。

A氏は,平成30年1月までは,月に1日程度しか同校の授業を欠席することはなかったが,同年2月から同年4月までの間は,全登校日のうちの3分の1から半分程度を欠席し,同月下旬頃以降,同校からの電話連絡にも応じず,同年5月以降は授業に一切出席しなかった【注4】。

【注4】B氏は,調査チームの聴取に対し,「当時,自分もA氏も複数のアルバイトをかけ持ちしており,A氏は,その疲れで学校を休みがちだった。」旨を述べている。

そのため,同校は,同年6月25日に「所在不明」を理由にA氏を除籍し,同月28日,東京入国管理局( 現東京出入国在留管理局)に対し,その届出をした。他方,A氏は,同年4月以降,静岡県内でB氏と同居し,自動車部品工場で働いていた。A氏は,引き続き本邦で働きたいと考え,「留学」の在留資格による在留期限の8日前である同年9月21日, 難民認定申請を行い,同年10月15日,同申請に伴う「特定活動」への在留資格変更を許可された(在留期間2月【注5】,就労不可)。

【注5】入国・在留審査要領(第12編第2章第26節第2の3(3))によると,特定活動の在留期間について,「振分けに必要な期間としての在留期間を要する場合は,今次の難民認定申請後の初回の在留資格変更許可申請等に対しては,難民認定申請の状況等に応じ,2月を超えない範囲内で決定する。」とされている。

A氏は,前記難民認定申請の際に提出した申請書や,同月25日の東京入国管理局(現東京出入国在留管理局)における難民調査官の聴取において,難民認定申請の理由について,「スリランカ本国において,恋人のB氏がスリランカの地下組織の関係者とトラブルになった。同組織の集団が家に来て,B氏の居場所を教えなければ殺害すると脅迫され,暴力を受けた。危険を感じ, B氏が2017年(平成29年)4月 に,私がその3か月後に来日した。帰国したらB氏と一緒に殺される。」旨供述するなどした 【注6】。

【注6】難民認定申請時のA氏の供述は,A氏とB氏が来日前から交際していたことを前提とするが,A氏が令和2年12月9日に支援者らと面会した際の面会簿(別紙4)には,A氏が「来日してから恋人関係になった。」旨述べたことが記録されている。また,B氏も,調査チームの聴取に対し,「A氏とは来日後にアルバイト先で知り合い,2017年12月頃に交際を開始した。A氏と話し合い,日本に残るために難民認定申請をすることになり,お互いの申請理由をそろえることにした。」旨を述べている。


A氏は,平成30年9月以降,静岡県内の弁当工場で働いており,前記のとおり同年10月15日に「特定活動」(就労不可)に在留資格が変更された後も就労を継続していた旨供述していた。この就労事実につき,調査チームにおいて当時の雇用先に確認したところ,遅くとも同年11月から令和2年4月23日までの間,A氏は同弁当工場において就労しており,同雇用先は,A氏が「留学」の在留資格で適法に就労しているものと誤認していた【注7】。

【注7】B氏は,調査チームの聴取に対し,「不法残留になった後,自分とA氏の名義の偽造在留カードを入手して二人ともこれを使っていた。」旨を述べている。

A氏は,平成30年12月13日,在留期間更新許可申請を行ったが,平成31年1月22日,同申請について,難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を主張して難民認定申請を行っているため在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由が認められないとの理由で在留期間更新不許可の処分がされた。A氏は,これにより在留資格を失うこととなり,同日,スリランカへの帰国を理由として難民認定申請を取り下げた。A氏は,以後不法残留となったが,その後,入管当局への出頭をせず,入国警備官が違反調査(入管法第27条)のためにA氏の携帯電話へ電話をかけても現在使用されていない旨のアナウンスが流れ,A氏の住居に呼出状を郵送しても返送されるなど,その所在が不明となった。

 

【読む・観る・理解を深める】
【同化主義①】エマニュエル・トッド:欧州で「多文化共生」は悲惨なほどに失敗した。
【同化主義➁】「多文化共生」という机上の空論を棄て、「同化主義」を採用すべき。
【同化主義③】移民政策は賛成か反対かで論じられるものではない。
【同化主義④】欧州では、移民政策が野放図で、国内が混乱している。
【同化主義⑤】日本保守党の移民政策は、意外にも現実的!?
【同化主義⑥】外国人の「ルール文化」は日本人と異なる。厳罰されるまでルールは守らない。
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ! 
【難民申請者①】難民のはずなのに「就労ビザが許可になったら帰国したい」と言う。
【難民申請者➁】難民のはずなのに「就労ビザを申請したら帰国したい」と言う。
【難民申請者③】日本語ができないのに「Office Work がやりたい」と言う。
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【小泉龍司法務大臣⑤】小泉龍司法務大臣のHPは、入管行政で何をしたいのか全くわからない

令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書
出入国在留管理庁調査チーム(令和3年8月10日)

第3 事実経過
1 収容に至る経緯等

(2) 収容に至る経緯等

A氏【注1】は,令和2年8月19日,静岡県内の警察署管内の交番に出頭し,不法残留により警察官に現行犯逮捕された。その際,A氏は本邦に身寄りがない旨供述し,その所持金は1,350円であった。A氏は,同月20日,入管法第65条の規定により警察から名古屋局入国警備官に引き渡され,収容令書に基づき,名古屋局の収容施設に収容された。A氏は,出頭の経緯について,同日の違反調査における入国警備官による取調べ【注2】において,「 8月19日,恋人に家を追い出されて,ほかに帰るところも仕事もなかったので,スリランカに帰国したいと警察に出頭したところ,不法残留しているので逮捕された。」旨供述した【注3】。

【注1】A氏は、ウィシュマ・サンダマリさんのことを指す。

【注2】シンハラ語の通訳あり。

【注3】B氏(ウィシュマさんの恋人)は,調査チームの聴取に対し,「A氏が警察に出頭する2日前頃,A氏から『もう一度やり直してほしい, 一緒にスリランカに帰ってほしい。』と言われた。既に日本人女性と交際していたため,私がこれを断わると,A氏が怒り出しけんかになったが,A氏に答えを2日ほど待ってほしいと伝えると,けんかが終わった。私がA氏を追い出したことはなく, A氏は,家を出て行った当日朝も,仕事に出かける私を見送っており,特におかしな様子はなかった。」旨を述べている。

また,A氏は,不法残留の経緯について同取調べにおいて,「学費が払えず,お金を貯めようと2018年(平成30年)4月から学校へ通わず働き始めた。同年7月頃,学校に戻ろうと思ったが,学校からもう戻れないと言われた 【注4】。

【注4】A氏が在籍していた日本語学校に確認したが,2018年4月下旬頃以降,A氏と連絡が取れたことはないとの回答であり,A氏が同年7月頃に同校へ連絡を取った事実は確認できなかった。また,同校によれば,A氏の学費は,入学時(2017 年7月)に1年分が納入されているとのことであった。

その後は在留期限まで働いてお金を貯めようと思い帰国せず,在留期限が近づくと,もう少し働きたいと弁護士【注5】に相談をし, 難民申請の話をされたので,難民申請をしたが,難民として認められず,在留期間の更新が不許可となったが,まだ日本で働きたいと思い不法残留した。」旨供述した。

【注5】A氏が供述する「弁護士」を特定することはできず,弁護士の助言を受けた事実についても確認することはできなかった。


A氏は,令和2年8月21日,不法残留による退去強制令書の発付を受け,死亡した令和3年3月6日までの間,名古屋局の収容施設に収容されていた。

2 収容時の状況等(健康状態等を除く。)

(1) 送還に向けた取組状況等

収容開始当初,A氏が入国警備官に対してスリランカへの帰国を希望する旨述べていた【注6】ことから, 名古屋局では, A氏の送還に向けた取組を開始した。

【注6】A氏は,入国警備官に対し,「1日も早くスリランカに帰国したいです。」旨述べていた。

A氏が収容されていた期間中,新型コロナウイルス感染症の影響により,スリランカ行きの定期便は就航していなかったため,名古屋局の関係職員は,A氏を臨時に運航されるスリランカ行きの帰国便に搭乗させて送還することを検討し,A氏の承諾を得て,在京スリランカ大使館等の関係機関と連絡を取り合い,A氏を臨時便搭乗希望者リストに登載するなどした。しかし,A氏は,所持金が乏しく,退去強制令書の発付を受けた直後,執行部門の入国警備官に対し,「本国の家族とは連絡がつかず,日本には友達もいない,恋人に家から追い出されたので,恋人の所在も分からない。」旨述べていたことから,当時,臨時便搭乗の条件である航空機代金及びスリランカ帰国後の隔離施設(ホテル)の利用代金等の合計約20万円を直ちに工面することは困難な状況であった【注7】。

【注7】B氏は,調査チームの聴取に対し,「私は,令和2年11月27日に名古屋入管で仮放免を許可された後,スリランカのA氏の母親に3回電話をかけ,A氏を助けてほしいと伝え,自分の連絡先をA氏の妹達に伝えるように頼んだ。しかし,A氏の母親には断わられ,A氏の妹達からも連絡はなかった。」旨供述している。

そこで,名古屋局では,国費による送還も検討したが,前記費用のうち,航空機への搭乗手続時の前払いが条件とされている隔離施設の利用代金等については,国費負担の場合は請求書による後払いが一般的であったため,これを事前に現金で支出するには会計手続上の調整等を要する状況であった。そのため,名古屋局は,在京スリランカ大使館担当者に,ガバメントローン(相手国政府等による帰国費用の貸借制度)の利用や無料の隔離施設利用の要請等を行ったが,同担当者から,ガバメントローンは存在せず,無料の隔離施設はスリランカ国内の感染者等に既に利用されており,帰国者に利用させることは困難であるとの回答がなされた。名古屋局では,本国のA氏の家族に隔離施設の利用代金等の工面を求めるため,令和2年12月15日,在京スリランカ大使館に対し,A氏の家族の所在調査と連絡先の確認を依頼した 【注8】。

【注8】執行部門の職員は,令和2年12月15日,スリランカ大使館に電話をし, A氏の家族の連絡先の確認を依頼した。令和3年1月頃に執行部門の職員がスリランカ大使館に問い合わせたところ,大使館から,A氏の家族の連絡先は判明しなかったとの回答がなされた。

ところが,A氏が同月中旬頃,帰国希望意思を撤回して本邦在留希望に転じたため,その後,臨時便による送還に向けた動きは滞るようになった。A氏は,同月21日,入国警備官に対し,本邦在留希望に転じたことについて,「私はもう帰国したくなくなった。私は今までとても辛い生活を送ってきた。日本で交際していたスリランカ人の恋人には殴られ続け,母や姉( あるいは妹)【注9】からは連絡を絶たれた。スリランカ人なんて嫌いだ。」旨を述べた。

【注9】当該入国警備官はA氏の発言内容を「母や姉」 と記録したが,これまで把握されている限り,A氏には妹2名がいるものの,姉の存在は確認されておらず,当該入国警備官は,調査チームの聴取に対し,姉と妹を聞き間違えたのかもしれない旨述べている。


 

【読む・観る・理解を深める】
【同化主義①】エマニュエル・トッド:欧州で「多文化共生」は悲惨なほどに失敗した。
【同化主義➁】「多文化共生」という机上の空論を棄て、「同化主義」を採用すべき。
【同化主義③】移民政策は賛成か反対かで論じられるものではない。
【同化主義④】欧州では、移民政策が野放図で、国内が混乱している。
【同化主義⑤】日本保守党の移民政策は、意外にも現実的!?
【同化主義⑥】外国人の「ルール文化」は日本人と異なる。厳罰されるまでルールは守らない。
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ! 
【難民申請者①】難民のはずなのに「就労ビザが許可になったら帰国したい」と言う。
【難民申請者➁】難民のはずなのに「就労ビザを申請したら帰国したい」と言う。
【難民申請者③】日本語ができないのに「Office Work がやりたい」と言う。
【小泉龍司法務大臣①】小泉龍司法務大臣は何もする気がない。
【小泉龍司法務大臣②】小泉龍司法務大臣の発言には、何にも「中身」がない。
【小泉龍司法務大臣③】小泉龍司法務大臣は「無難」という方針しかない。
【小泉龍司法務大臣④】小泉龍司法務大臣の大臣訓示は、やっぱり何が何だかよくわからない。
【小泉龍司法務大臣⑤】小泉龍司法務大臣のHPは、入管行政で何をしたいのか全くわからない

マスコミを観ていると、収容所における入管の外国人対応が問題視されがちですが、収容されている外国人には結構問題が多いんですよね。



【読む・観る・理解を深める】
➡ 勿論、アフガン難民を2万人受け容れる国もあります。でも、現在の日本国・日本国民が、難民を受け容れるための器量・インフラ・持続可能な枠組を持っているとは思えないのです。

➡ これが現実:ドイツは、アフガニスタン難民の受け入れを拒否しました。アフガニスタンの隣国への支援で乗り切ろうという意向です。
➡ 法務大臣は大見得を切ったが、入管と日本社会は「パンドラの箱」を開けた自覚と覚悟はあるのか? 100万人もいるロヒンギャの一部が来日したとき受け容れる準備はあるのか?
「移民は是か非か?」という高邁な議論をする前に、目の前にいる「在留外国人」を直視すべきです。正面から議論しないから、入管政策がぐちゃぐちゃになっているのです。

いまでは、完全に「入管=悪」という図式で報じられている「ウィシュマ事件」ですが、実際の経緯を知った上で、報道内容を吟味している人たちは少ないと思います。報道を観て、単純に「入管は悪い奴らだなぁ」と思って観ている日本人がほとんどなのかもしれません。しかし、ウィシュマ事件の発端とその経緯を知れば、「人権派を名乗る悪い奴ら」が関与していることに気付けます。
そもそも、ウィシュマさんは、「留学」で在留していたにもかかわらず、学校を退学した後も在留し続け、ビザ期限が到来しても日本に居続けた外国人です。要するに、不法に残留したのです。まずは、彼女が、明らかな入管法違反を犯した外国人であることを忘れてはなりません。
不法残留を続けたウィシュマさんは、同国人であるスリランカ人の男性と暮らし始めました。ところが、その男性が家庭内暴力をふるう人だったので逃げ出し、近くの警察に保護を求めて駆け込みました。そこで、身元が確認され、不法残留が発覚して収容されたという経緯があります。
収容された当初、ウィシュマさんは「帰国したい」という強い希望を持っていたのですが、飛行機代がありませんでした。入管の担当官は「大使館と相談したら」と助言しましたが、スリランカ大使館は用立てしてくれません。その後入管も「誰かから工面しなさい」と言うだけだったので、無為に歳月が経過していきました。
そんなとき、「人権派を名乗る怪しげな団体」が、収容されているウィシュマさんにしばしば面会を申し入れるようになります。寂しかったウィシュマさんは、次第に心を開き、自分の境遇をその人たちに話すようになっていきます。「こんなにやさしく接してくれる人たちだったら、ひょっとしたら、飛行機代を工面してくれるかもしれない」と思ったからです。
ところが、彼らがウィシュマさんに届けたのは、帰国便のチケットではなく、悪いニュースでした。事もあろうに彼らは、家庭内暴力をふるったスリランカ男性にわざわざ接触し、「彼はめちゃくちゃ怒っている」「母国に帰れば彼の家族があなたに報復するかもしれない」とウィシュマさんにささやきました。怯えた彼女は、徐々に帰国する意思を失くしていきます。
帰国する意思をなくして日本で暮していきたいと思い始めたウィシュマさんに、彼らは次の手段を講じます。「病気になれば仮放免になる」と吹聴して、断食を決断させたのです。収容所から出たい一心の彼女は断食を決断します。その結果、彼女はどんどん衰弱し、心身を弱らせていきました。ウィシュマ事件の背後には、こういう人たちがいたのです。
無論、名古屋入管の責任は免れません。反省すべき点は多々あるでしょう。しかし、帰国意思を持っていた頃のウィシュマさんに飛行機代を渡していたら、こんな悲劇は生じませんでした。ウィシュマさんのことを暴力的な彼に告げ口して、「ウィシュマさんがスリランカに帰ったら大変なことになる」という環境を作らなければ、こんな悲劇は生じませんでした。また、「病気になれば仮放免になる」と吹聴して断食を決断させる輩がいなければ、こんな悲劇は生じませんでした。
少なくとも、名古屋入管の担当者だけを責めるのはお門違いです。人権派を名乗る「悪い奴ら」がいるという現実を直視しなければ、ウィシュマ事件は今後もなくなりません。入管だけを悪者にしても、この手の問題は全然解決しないのです。
ウィシュマさんの遺族が複数名来日して長期間滞在したり、裁判をするにはかなりの費用がかかります。それだけの費用を捻出できるのであれば、ウィシュマさんが帰国する飛行機代を出してあげればよかった。10万円程度の帰国便のチケットを買い、ウィシュマさんを無事に帰国させることこそ、本当の「人権派」が為すべき行動でした。暴力的な元彼に接触したり、断食のアドバイスなどせずに、無事に帰国させてあげればよかった。そういう考え方もできるわけです。

 

【読む・観る・理解を深める】
➡ ウィシュマ事件を大々的に報道するマスコミが日本をダメにする!
➡ 違法な外国人派遣が日本をダメにする!
➡ 外国人犯罪が人々の近くにまで忍び寄る。その背後では、左翼系弁護士が暗躍している。
➡ 入管が甘くなったので、外国人は入管法など無視し始めた。偽造在留カードも数千円で手に入る。
➡ 在留期限が到来しても外国人を帰国させることができない入管は要らない!
➡ テキサス州が、増大する一方の移民から、国境を守るため、州兵を送りました。
➡ 耳障りが良く理想的な「多文化共生」は失敗だった
➡ 岸田政権が決定した「留学生に対する10万円の給付」よりも、大きくて深刻な問題がある!
➡ 外国人派遣は「不法就労」の温床です!
➡ 岸田政権は「出国」の正常化も、「在留」の正常化も、「入国」の正常化にも興味なし!?
➡ 今回の入管行政の失敗は、民主党政権における2010年の失政を超えるのか?!
➡ 入管行政の正常化は図られるのか?!
➡ いまは「観光客でも日本で就労できる」という異常事態が続いています。
➡ スウェーデンは、移民に対して寛容だった方針を変更し、扉を閉ざそうとしています。

支援者は「外の病院に連れて行ってもらえるまで体調不調をアピールし続けた方がいい」とウィシュマさんにささやいた。彼女の死に責任がある。

名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告
別添【1月15日から3月6日までの経過等の詳細】

1月29日(金)の状況等

午前零時台,A氏は,床に倒れた状態になり,その後,流し台で嘔吐した。居室に来た看守勤務者に対し,A氏がベッドに戻ると述べたため,看守勤務者2名がA氏の腕を支えてベッドに移動し就床させた。その後,A氏が体調不良等を訴えることはなかった。

A氏は,看守勤務者に対し,「入管に来る前から吐いたりすることがあった。入管での生活は快適なのでストレスではないと思う。ずっと吐き気がしているので心配である。死ぬのが怖い。」旨を述べた。同日朝には,A氏が「もう体調は大丈夫である。」旨を述べたことから,A氏を単独室から共同室に戻す措置がとられた。

A氏は,同日午前中にS1氏と面会した。この面会時の状況として,面会簿には以下のとおり記載されている(別紙4)。
A氏:「昨日は体調がかなり悪く,嘔吐したとき,嘔吐物に血が混じっていた。担当官に病院に連れて行って欲しいと申し出たが連れて行ってもらえなかった。」
S1氏:「入管は,仮に夜間でも病院連行が必要だと判断したら連れて行くし,不要だと判断したら連れて行かない。」
A氏:「担当官に迷惑だと言われた。」
S1氏:「誰に言われたのか。」
A氏:「男の担当官に言われた。」
S1氏:「体調不良者がいるのに,その人に向かって迷惑だなどと言うのはクズだ。その担当官の番号を控えて今度教えて。この面会が終わった後,上(事務室のこと)へ文句を言いに行くつもりだ。ところで,部屋の担当官はその光景を見ていたのか。」
A氏:「見てるけど,担当官達はストレスが原因ではないかと言っている。でも私はこの収容生活自体は快適で,ストレスを感じてはいない。(同ブロックの)他の人がどうして仮放免で外に出たがっているのか理解できないくらいだ。私が心配しているのは体の病気のことだけ。病気のときに,入管の医者がきちんと診てくれないことだけが気がかりだ。入管の医者は信用できない。何の専門医なのかも分からないし,診療の結果もきちんと話してくれない。」
S1氏:「外の病院に連れて行ってもらえるまで体調不調をアピールし続けた方がいい。そうしないと外の病院には連れて行ってもらえないよ。」



【読む・観る・理解を深める】
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題④】NHKの「やさしい猫」は在留資格制度の枠組を完全に無視している!
【不法残留問題⑤】オーバースティの外国人を収容しようとしない入管に存在意義はない!
【不法残留問題⑥】「やさしい猫軍団」は「オーバースティで収容するな」と騒ぎ立てる!
【不法残留問題⑦】入管は「口うるさい警察官」ではなく「合法的なビザ屋」になってしまった!
【不法残留問題⑧】難民申請を活用すれば「短期滞在ビザ」から「就労ビザ」に変更できる?
【不法残留問題⑨】外国人派遣会社が摘発されないから「短期滞在ビザ」の外国人が増え続ける!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ!

令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書
出入国在留管理庁調査チーム(令和3年8月10日)

第3 事実経過
1 収容に至る経緯等

(2) 収容に至る経緯等

A氏【注1】は,令和2年8月19日,静岡県内の警察署管内の交番に出頭し,不法残留により警察官に現行犯逮捕された。その際,A氏は本邦に身寄りがない旨供述し,その所持金は1,350円であった。A氏は,同月20日,入管法第65条の規定により警察から名古屋局入国警備官に引き渡され,収容令書に基づき,名古屋局の収容施設に収容された。A氏は,出頭の経緯について,同日の違反調査における入国警備官による取調べ【注2】において,「 8月19日,恋人に家を追い出されて,ほかに帰るところも仕事もなかったので,スリランカに帰国したいと警察に出頭したところ,不法残留しているので逮捕された。」旨供述した【注3】。

【注1】A氏は、ウィシュマ・サンダマリさんのことを指す。

【注2】シンハラ語の通訳あり。

【注3】B氏(ウィシュマさんの恋人)は,調査チームの聴取に対し,「A氏が警察に出頭する2日前頃,A氏から『もう一度やり直してほしい, 一緒にスリランカに帰ってほしい。』と言われた。既に日本人女性と交際していたため,私がこれを断わると,A氏が怒り出しけんかになったが,A氏に答えを2日ほど待ってほしいと伝えると,けんかが終わった。私がA氏を追い出したことはなく, A氏は,家を出て行った当日朝も,仕事に出かける私を見送っており,特におかしな様子はなかった。」旨を述べている。

また,A氏は,不法残留の経緯について同取調べにおいて,「学費が払えず,お金を貯めようと2018年(平成30年)4月から学校へ通わず働き始めた。同年7月頃,学校に戻ろうと思ったが,学校からもう戻れないと言われた 【注4】。

【注4】A氏が在籍していた日本語学校に確認したが,2018年4月下旬頃以降,A氏と連絡が取れたことはないとの回答であり,A氏が同年7月頃に同校へ連絡を取った事実は確認できなかった。また,同校によれば,A氏の学費は,入学時(2017 年7月)に1年分が納入されているとのことであった。

その後は在留期限まで働いてお金を貯めようと思い帰国せず,在留期限が近づくと,もう少し働きたいと弁護士【注5】に相談をし, 難民申請の話をされたので,難民申請をしたが,難民として認められず,在留期間の更新が不許可となったが,まだ日本で働きたいと思い不法残留した。」旨供述した。

【注5】A氏が供述する「弁護士」を特定することはできず,弁護士の助言を受けた事実についても確認することはできなかった。


A氏は,令和2年8月21日,不法残留による退去強制令書の発付を受け,死亡した令和3年3月6日までの間,名古屋局の収容施設に収容されていた。

2 収容時の状況等(健康状態等を除く。)

(1) 送還に向けた取組状況等

収容開始当初,A氏が入国警備官に対してスリランカへの帰国を希望する旨述べていた【注6】ことから, 名古屋局では, A氏の送還に向けた取組を開始した。

【注6】A氏は,入国警備官に対し,「1日も早くスリランカに帰国したいです。」旨述べていた。

A氏が収容されていた期間中,新型コロナウイルス感染症の影響により,スリランカ行きの定期便は就航していなかったため,名古屋局の関係職員は,A氏を臨時に運航されるスリランカ行きの帰国便に搭乗させて送還することを検討し,A氏の承諾を得て,在京スリランカ大使館等の関係機関と連絡を取り合い,A氏を臨時便搭乗希望者リストに登載するなどした。しかし,A氏は,所持金が乏しく,退去強制令書の発付を受けた直後,執行部門の入国警備官に対し,「本国の家族とは連絡がつかず,日本には友達もいない,恋人に家から追い出されたので,恋人の所在も分からない。」旨述べていたことから,当時,臨時便搭乗の条件である航空機代金及びスリランカ帰国後の隔離施設(ホテル)の利用代金等の合計約20万円を直ちに工面することは困難な状況であった【注7】。

【注7】B氏は,調査チームの聴取に対し,「私は,令和2年11月27日に名古屋入管で仮放免を許可された後,スリランカのA氏の母親に3回電話をかけ,A氏を助けてほしいと伝え,自分の連絡先をA氏の妹達に伝えるように頼んだ。しかし,A氏の母親には断わられ,A氏の妹達からも連絡はなかった。」旨供述している。

そこで,名古屋局では,国費による送還も検討したが,前記費用のうち,航空機への搭乗手続時の前払いが条件とされている隔離施設の利用代金等については,国費負担の場合は請求書による後払いが一般的であったため,これを事前に現金で支出するには会計手続上の調整等を要する状況であった。そのため,名古屋局は,在京スリランカ大使館担当者に,ガバメントローン(相手国政府等による帰国費用の貸借制度)の利用や無料の隔離施設利用の要請等を行ったが,同担当者から,ガバメントローンは存在せず,無料の隔離施設はスリランカ国内の感染者等に既に利用されており,帰国者に利用させることは困難であるとの回答がなされた。名古屋局では,本国のA氏の家族に隔離施設の利用代金等の工面を求めるため,令和2年12月15日,在京スリランカ大使館に対し,A氏の家族の所在調査と連絡先の確認を依頼した 【注8】。

【注8】執行部門の職員は,令和2年12月15日,スリランカ大使館に電話をし, A氏の家族の連絡先の確認を依頼した。令和3年1月頃に執行部門の職員がスリランカ大使館に問い合わせたところ,大使館から,A氏の家族の連絡先は判明しなかったとの回答がなされた。

ところが,A氏が同月中旬頃,帰国希望意思を撤回して本邦在留希望に転じたため,その後,臨時便による送還に向けた動きは滞るようになった。A氏は,同月21日,入国警備官に対し,本邦在留希望に転じたことについて,「私はもう帰国したくなくなった。私は今までとても辛い生活を送ってきた。日本で交際していたスリランカ人の恋人には殴られ続け,母や姉( あるいは妹)【注9】からは連絡を絶たれた。スリランカ人なんて嫌いだ。」旨を述べた。

【注9】当該入国警備官はA氏の発言内容を「母や姉」 と記録したが,これまで把握されている限り,A氏には妹2名がいるものの,姉の存在は確認されておらず,当該入国警備官は,調査チームの聴取に対し,姉と妹を聞き間違えたのかもしれない旨述べている。



【読む・観る・理解を深める】
【ウィシュマ事件の後遺症①】ウィシュマ事件を大々的に報道するマスコミが日本をダメにする!
【ウィシュマ事件の後遺症②】入管はオーバースティの外国人を収容することに及び腰になる。
【ウィシュマ事件の後遺症③】コロナビザは出し続けるし、オーバースティもお咎めなし。
【ウィシュマ事件の後遺症④】ルール違反したらすぐに捕まえて強制送還しないとダメだよ。
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題④】NHKの「やさしい猫」は在留資格制度の枠組を完全に無視している!
【不法残留問題⑤】オーバースティの外国人を収容しようとしない入管に存在意義はない!
【不法残留問題⑥】「やさしい猫軍団」は「オーバースティで収容するな」と騒ぎ立てる!
【不法残留問題⑦】入管は「口うるさい警察官」ではなく「合法的なビザ屋」になってしまった!
【不法残留問題⑧】難民申請を活用すれば「短期滞在ビザ」から「就労ビザ」に変更できる?
【不法残留問題⑨】外国人派遣会社が摘発されないから「短期滞在ビザ」の外国人が増え続ける!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ!

ウィシュマ事件に関しては、下記の10個の事実のうち、⑩だけを取り出して論評するマスコミが多い。
① 彼女は、学校をやめたときに帰国していれば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 退学の理由は「学費が払えなかったから」と報じられているが、事実とは異なる。
➁ 在留期限が切れるときに帰国していれば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー ここまでは、概ね合法的な在留。以降は、不法残留(明確な入管法違反)。
③ 同棲している彼が暴力をふるい始めたときに帰国してしまえば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 彼はアルバイトで家を空けがちだったから、逃げようと思えば、いつでも逃げられた。
④ 彼女が警察に駆け込んだときに、母国の家族が飛行機代を出せば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 母親は支援を拒み、妹たちは音信不通だった。彼女の家族は彼女を助けようとしていなかった。
⑤ 彼女が警察に駆け込んだときに、支援者が飛行機代を出せば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー この時点において、彼女は明確な「帰国する意思」を示していた(おカネがなかった)。
⑥ 支援者が彼女に「日本での生活の面倒をみる」と言い出さなければ、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 支援者は、年金生活者で経済力がなく、彼女の生活費は「寄付を募って賄う」つもりだった。
⑦ 支援者が彼女に対し、彼の脅迫を理由にした仮放免を示唆しなければ、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 「仮放免」が「唯一の救いの道」と信じてしまった彼女は「帰国する意思」を失う。
⑧ 支援者が彼女と面会したときに、絶食による仮放免を示唆しなければ、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 彼女は「仮放免」という制度も、「病気になれば仮放免になる」ことも知らなかった。
⑨ 支援者が彼女の病状が悪くなる前に飛行機代を出していれば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー 支援者は、彼女を「仮放免」させるために、「病状の悪化」をポジティブに捉えた。
⑩ 入管が彼女の病状が悪くなる前に病院に入院させていれば、悲惨な事件は起きなかった。
 ーー これは、明らかな入管のミス。厳しく批判されても仕方がない。

入管の対応に重大なミスがあったことは否めないが、少なくとも「支援者や彼女の家族は入管のミスを責める立場にはない」ということだけは言える。しかし、それを報じるマスコミはない。日本維新の会の梅村みずほ議員の指摘は、「やさしい猫軍団」から袋叩きになったけれど、疑問の余地なく正しい。



【読む・観る・理解を深める】
【外国人派遣の諸問題①】外国人派遣は「不法就労」の温床です!
【外国人派遣の諸問題②】違法な外国人派遣が日本をダメにする!
【外国人派遣の諸問題③】外国人の不法就労を増やしているのは、じつは大企業。
【移民政策の諸問題①】耳障りが良く理想的な「多文化共生」は失敗だった
【移民政策の諸問題②】ウクライナ避難民の問題が表でも議論されるようになってきました。
【移民政策の諸問題③】日本人がどんどん減っている。子どもが生まれず、死ぬ人が増えている。
【移民政策の諸問題④】なぜこんなに複雑な在留資格制度にするの? 守れっこないじゃん!
【ウィシュマ事件の後遺症①】ウィシュマ事件を大々的に報道するマスコミが日本をダメにする!
【ウィシュマ事件の後遺症②】入管はオーバースティの外国人を収容することに及び腰になる。
【ウィシュマ事件の後遺症③】コロナビザは出し続けるし、オーバースティもお咎めなし。
【ウィシュマ事件の後遺症④】ルール違反したらすぐに捕まえて強制送還しないとダメだよ。
【人権派の正体①】外国人犯罪が人々の近くにまで忍び寄る。背後では左翼系弁護士が暗躍する。
【人権派の正体②】いいかげんな難民申請とゆるゆるの仮放免で外国人の遵法意識は定着しない。
【人権派の正体③】ヒューマニズムを唱える弁護士の主張が常に正しいわけではありません。
【人権派の正体④】人権派を気取るメディアは、情報を隠蔽しながら、偏向的な報道を垂れ流す。
【舐められる入管①】入管が甘くなったので、外国人は入管法など無視し始めた。
【舐められる入管②】この報道が「本当」なら、日本の入管は外国人に舐められるよね。
【舐められる入管③】出国を拒否する不法滞在の外国人は3224人。その3分の1は刑事事件で有罪。
【舐められる入管④】「入管が悪い外国人を摘発する!」という番組はパッタリとなくなりました。
【規律を失う外国人①】「留学生に対する10万円の給付」よりも、大きくて深刻な問題がある!
【規律を失う外国人②】在留期限が到来しても外国人を帰国させることができない入管は要らない!
【規律を失う外国人③】オーバーステイを気にしない外国人が日本の法律など気にするわけがない。
【規律を失う外国人④】10年間で難民申請者に1000人以上会ったが「真の難民」はいなかった!

令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書
出入国在留管理庁調査チーム(令和3年8月10日)

第3 事実経過

2 収容時の状況等(健康状態等を除く。)

(2) 支援者との面会状況の概要等

A氏【注1】は,令和2年12月9日,名古屋局を訪れた日本人の支援者(以下「S1氏」という。)らと初めて面会【注2】し,それ以降S1氏らとの面会を重ねるようになった。A氏と支援者らとの面会時のやりとり等について被収容者面会簿に記録されていた内容は,別紙4のとおりである【注3】。

【注1】A氏は、ウィシュマ・サンダマリさんのことを指す。

【注2】A氏は, 支援者以外の者との面会として,令和2年9月に賃貸物件関係者と面会(1回)している。

【注3】調査チームは, S1氏からの聴取を複数回実施し,その際に支援者らとA氏の面会状況等に関する資料等の提出も受けたが,令和3年6月22日,S1氏から,以降の調査チームの調査への協力や提出済みの資料の報告書への添付・引用は全て断るとの申出がされた

A氏は,S1氏らとの初面会の際,S1氏らに対し,元交際相手から暴力を受けたこと【注4】,スリランカに帰国したいが,家族との連絡が途絶えているので,帰国したら寺へ行きたいと考えている旨を話した。

【注4】B氏との関係に関するA氏の供述等の状況は,後記第5の4参照。

令和2年12月16日,A氏とS1氏らとの2回目の面会の際,S1氏らは,A氏に対し,「日本で生活をしたいなら支援をするので仮放免申請等を行ってはどうか。」旨を述べた。その後,A氏は,同月中旬頃,看守勤務者らに対し,「日本で助けてくれる人が見つかったので,日本に住み続けたくなった。」旨を述べ,当初の帰国希望を撤回し,引き続き日本に留まることを希望するようになった。A氏は,S1氏から紹介された日本人女性の支援者(以下「S2氏」という。)から,「仮放免された場合,S2氏の家に住んだらどうか。」旨の提案を受け【注5】,同月中には仮放免許可申請の準備を開始し,支援者らの協力を受けながら,令和3年1月4日,仮放免許可申請(1回目)を行った。

【注5】S2氏との面会は,令和2年12月18日が初回である。




【読む・観る・理解を深める】
【ウィシュマ事件の後遺症①】ウィシュマ事件を大々的に報道するマスコミが日本をダメにする!
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【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題④】NHKの「やさしい猫」は在留資格制度の枠組を完全に無視している!
【不法残留問題⑤】オーバースティの外国人を収容しようとしない入管に存在意義はない!
【不法残留問題⑥】「やさしい猫軍団」は「オーバースティで収容するな」と騒ぎ立てる!
【不法残留問題⑦】入管は「口うるさい警察官」ではなく「合法的なビザ屋」になってしまった!
【不法残留問題⑧】難民申請を活用すれば「短期滞在ビザ」から「就労ビザ」に変更できる?
【不法残留問題⑨】外国人派遣会社が摘発されないから「短期滞在ビザ」の外国人が増え続ける!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ!

令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書
出入国在留管理庁調査チーム(令和3年8月10日)

第3 事実経過
1 収容に至る経緯等
(1) 入国から不法残留に至る経緯

A氏【注1】は,平成29年6月29日にスリランカから本邦に入国した。入国時の在留資格は「留学【注2】」,在留期間は1年3月であり,A氏の所属機関は千葉県内の日本語学校であった。

【注1】A氏は、ウィシュマ・サンダマリさんのことを指す。

【注2】「留学」は,本邦の各種学校等において教育を受ける活動を行うことができる在留資格である。「留学」の在留資格でアルバイト等の就労活動を行う場合には,資格外活動の許可を受けることが必要(入管法第19条第2項)である。なお,A氏は同許可を受けていた 。

A氏は,同年12月頃,アルバイト先で知り合ったスリランカ人男性(以下「B氏 」【注3】という。)と交際するようになった。

【注3】B氏 は,「留学」の在留資格で本邦に在留していたが,平成30年11月2日以降,不法残留となった。A氏とB氏の関係等については,後記第5の4参照。

A氏は,平成30年1月までは,月に1日程度しか同校の授業を欠席することはなかったが,同年2月から同年4月までの間は,全登校日のうちの3分の1から半分程度を欠席し,同月下旬頃以降,同校からの電話連絡にも応じず,同年5月以降は授業に一切出席しなかった【注4】。

【注4】B氏は,調査チームの聴取に対し,「当時,自分もA氏も複数のアルバイトをかけ持ちしており,A氏は,その疲れで学校を休みがちだった。」旨を述べている。

そのため,同校は,同年6月25日に「所在不明」を理由にA氏を除籍し,同月28日,東京入国管理局( 現東京出入国在留管理局)に対し,その届出をした。他方,A氏は,同年4月以降,静岡県内でB氏と同居し,自動車部品工場で働いていた。A氏は,引き続き本邦で働きたいと考え,「留学」の在留資格による在留期限の8日前である同年9月21日, 難民認定申請を行い,同年10月15日,同申請に伴う「特定活動」への在留資格変更を許可された(在留期間2月【注5】,就労不可)。

【注5】入国・在留審査要領(第12編第2章第26節第2の3(3))によると,特定活動の在留期間について,「振分けに必要な期間としての在留期間を要する場合は,今次の難民認定申請後の初回の在留資格変更許可申請等に対しては,難民認定申請の状況等に応じ,2月を超えない範囲内で決定する。」とされている。

A氏は,前記難民認定申請の際に提出した申請書や,同月25日の東京入国管理局(現東京出入国在留管理局)における難民調査官の聴取において,難民認定申請の理由について,「スリランカ本国において,恋人のB氏がスリランカの地下組織の関係者とトラブルになった。同組織の集団が家に来て,B氏の居場所を教えなければ殺害すると脅迫され,暴力を受けた。危険を感じ, B氏が2017年(平成29年)4月 に,私がその3か月後に来日した。帰国したらB氏と一緒に殺される。」旨供述するなどした 【注6】。

【注6】難民認定申請時のA氏の供述は,A氏とB氏が来日前から交際していたことを前提とするが,A氏が令和2年12月9日に支援者らと面会した際の面会簿(別紙4)には,A氏が「来日してから恋人関係になった。」旨述べたことが記録されている。また,B氏も,調査チームの聴取に対し,「A氏とは来日後にアルバイト先で知り合い,2017年12月頃に交際を開始した。A氏と話し合い,日本に残るために難民認定申請をすることになり,お互いの申請理由をそろえることにした。」旨を述べている。


A氏は,平成30年9月以降,静岡県内の弁当工場で働いており,前記のとおり同年10月15日に「特定活動」(就労不可)に在留資格が変更された後も就労を継続していた旨供述していた。この就労事実につき,調査チームにおいて当時の雇用先に確認したところ,遅くとも同年11月から令和2年4月23日までの間,A氏は同弁当工場において就労しており,同雇用先は,A氏が「留学」の在留資格で適法に就労しているものと誤認していた【注7】。

【注7】B氏は,調査チームの聴取に対し,「不法残留になった後,自分とA氏の名義の偽造在留カードを入手して二人ともこれを使っていた。」旨を述べている。

A氏は,平成30年12月13日,在留期間更新許可申請を行ったが,平成31年1月22日,同申請について,難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を主張して難民認定申請を行っているため在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由が認められないとの理由で在留期間更新不許可の処分がされた。A氏は,これにより在留資格を失うこととなり,同日,スリランカへの帰国を理由として難民認定申請を取り下げた。A氏は,以後不法残留となったが,その後,入管当局への出頭をせず,入国警備官が違反調査(入管法第27条)のためにA氏の携帯電話へ電話をかけても現在使用されていない旨のアナウンスが流れ,A氏の住居に呼出状を郵送しても返送されるなど,その所在が不明となった。





【読む・観る・理解を深める】
【ウィシュマ事件の後遺症①】ウィシュマ事件を大々的に報道するマスコミが日本をダメにする!
【ウィシュマ事件の後遺症②】入管はオーバースティの外国人を収容することに及び腰になる。
【ウィシュマ事件の後遺症③】コロナビザは出し続けるし、オーバースティもお咎めなし。
【ウィシュマ事件の後遺症④】ルール違反したらすぐに捕まえて強制送還しないとダメだよ。
【不法残留問題①】不法残留する外国人は、年末に10万人を超え、30万人を目指す!
【不法残留問題②】2023年末に不法残留する外国人が10万人に達するのは防げない!
【不法残留問題③】不法残留する外国人は一度増えてしまうとなかなか元に戻らない!
【不法残留問題④】NHKの「やさしい猫」は在留資格制度の枠組を完全に無視している!
【不法残留問題⑤】オーバースティの外国人を収容しようとしない入管に存在意義はない!
【不法残留問題⑥】「やさしい猫軍団」は「オーバースティで収容するな」と騒ぎ立てる!
【不法残留問題⑦】入管は「口うるさい警察官」ではなく「合法的なビザ屋」になってしまった!
【不法残留問題⑧】難民申請を活用すれば「短期滞在ビザ」から「就労ビザ」に変更できる?
【不法残留問題⑨】外国人派遣会社が摘発されないから「短期滞在ビザ」の外国人が増え続ける!
【不法残留問題⑩】不法滞在した親まで在留特別許可を与えるのなら不法残留者は必ず収容せよ!

l  6月に大村入国管理センターで長期収容中のナイジェリア人男性が餓死してから、各地の入管収容施設でハンストが拡大。ハンストで衰弱した収容者に対しては、仮放免した場合、2週間後に再収容するという運用が為されているため、それがさらに関係者の怒りを呼んでおり、与野党の国会議員への陳情も行われています。しかし、陳情内容は、「かわいそうだから仮釈放すべき」という心情的な訴えが多く、「予防拘禁(再犯の恐れを理由に拘禁すること)は人権侵害だ」という法理論による武装も「全員釈放すべき」という結論になりますから、入管として受け入れられる提案ではありません。

l  入管の運用を本気で変えたいのなら、受け入れられるギリギリの提案をすべきです。入管法以外に重い法令違反を犯していない収容者(オーバーワークや短期間のオーバーステイ等)は仮放免すべきという案なら入管も検討可能でしょう。あるいは韓国のように、超過滞在期間に応じた罰則金を支払えばよいという割り切りでもよいかもしれません。入管法にも仮放免の際に保証金を預託させる制度があるのですぐに対応可能です。

【Timely Report】Vol.593(2020.2.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:収容問題はフェアに報道すべき!」も参考になります。


外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
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l  929日、大阪入管に収容されていたトルコ人の男性が、複数の職員に押さつけられて肩を骨折したとして賠償を求めていた裁判で、大阪入管が謝罪し、300万円を支払うことで和解が成立しました。極めて異例の出来事です。

l  探ってみると、同月、国連の「恣意的拘禁作業部会」が日本の入管における長期収容について、「日本が国際法の下で負う義務に反していると認める」とし、世界人権宣言と国際法に違反し恣意的であると結論付け、日本政府に対して、必要な措置をとるよう求めたということが背景にあったようです。入管収容分野で、同作業部会が「意見」を出すのは初めてです。

l  国内では強面でなる入管も、さすがにマズイと思ったのか、新しい提案を出してきました。「在留特別許可」については、これまで直接の申請を認めず、退去強制や難民申請の手続における「法務大臣による特別な温情」として位置付けてきましたが、他の手続とは分離して、本人からの「申請制」に改める方向で検討しているようです。一定の要件を満たせば、申請中の就労も認める方針だと言います。単なる緩和ではなく改善に向かうことを願います。

【Timely Report】Vol.732(2020.10.7)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  大村入国管理センターで収容中の40代のナイジェリア人男性が死亡した理由が、食事や治療を拒否したことによる「飢餓死」だったことが公表され、入管の長期収容が問題視されていますが、冷静な議論が必要だと思います。

l  朝日新聞は、餓死で死亡したナイジェリア人について「窃盗罪などで実刑判決を受け」と軽く説明していますが、共同通信によれば、「薬物事件で執行猶予付き懲役刑の判決を受けた後、窃盗などの事件で実刑となり、仮釈放された」人物(要するに、刑務所に入った外国人)のようであり、薬物事件や窃盗罪の罪状にもよりますが、一般庶民の感覚で言えば、「そういう外国人は仮放免できないんじゃないの?」と思われてしまう経歴を持っています。

l  人権派の人たちは、「かわいそうだ論」で入管を責め立てるために、「都合の悪い情報を隠す」という手法を用いますが、その手法が結果的に入管の主張に一定の正当性を与えてしまうので、解決につながる出口から遠い方向へと問題を追いやっているように感じます。仮放免や特別在留許可を為すべき基準を公に議論したほうが生産的なのではないでしょうか。


【Timely Report】Vol.556(2019.12.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:ヘイトスピーチは沈静化する?」も参考になります。


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l  新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、英国内務省が入管収容施設の全被収容者の32%にあたる350人を釈放しました。英国の入管収容所は、欧州で唯一、無期限で収容していると批判されてきましたが、感染リスクを必要以上に冒すことはできないと判断したのでしょう。

l  じつは、こうした事例は特殊ではなく、世界中で、刑務所の受刑者が釈放されています。カリフォルニアでは受刑者3,500人を釈放する方針ですし、ニューヨークでも300人の受刑者が釈放される模様です。インドネシアでは、受刑者18,000人を釈放済みで、計3万人を釈放する予定ですし、イランでは受刑者7万人を一時釈放したと報じられています。また、感染を恐れる収容者たちの暴動や脱走も、米国・イタリア・タイなどで起こっています。

l  日本でも入管が収容している1,200人の仮放免を求める動きが活発化。日弁連は、入管収容施設は、密閉空間・密集場所・密接場面という「三つの密」に相当するとして、解放することが可能な被収容者について、速やかに収容を解くことを求めました。果たして入管は、この求めに応じるでしょうか。

【Timely Report】Vol.671(2020.6.11号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  人権侵害という批判が根強い収容所における外国人の処遇に関しては、近年、収容期間の長期化が問題視されています。1年半以上の収容が急増する中で、隔離した件数や戒具を使用した件数が増えています。

l  ただし、外国人の収容者に対する処遇に問題があるのは、日本だけではありません。米国では、罵詈雑言を浴びせて移民を車でひいた米国境警備隊員や、児童移民に対する不当な扱いが話題になっています。オーストラリアでは、難民施設における収容者による自殺未遂が相次いでおり、虐待も報じられています。オーストリアでは、亡命申請を却下された15人の難民がハンガーストライキを行っており、韓国では、難民申請を求めるアンゴラ人家族の入国を許さず、150日以上も空港で軟禁し続けています。中国でも、新疆ウイグル自治区の強制収容所における処遇が国際的な非難の的になっています。

l  無論、日本の収容所における処遇が正当化されるわけではありませんが、人権を振り回して批判しても改善にはつながりません。①他国のルールに劣後している点と、②ルールから逸脱している点に分けて冷静に論じるべきです。

【Timely Report】Vol.469(2019.8.15号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
ブローカーには絶対に近寄るな!」も参考になります。

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