全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:転職

l  「特定技能」が解禁される4月が迫ってきました。地方からは、「気仙沼でイカの塩辛をつくっていた外国人労働者が、東京の総菜屋やパン屋に行ってしまう」「外国人労働者が地方から賃金の高い大都市圏に流出してしまう」「雇って育てても、結局は東京に行ってしまう」「東京や大阪など大都市圏に集中し、人手不足がより深刻な地方に向かわない」「地方で就職しても1年と持たない」という「転職リスク」が懸念されています。

l  その一方、「転職支援リスク」は認識されていません。改正入管法は、「外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで、雇用契約を解除される場合において(転職しての就労)を行うことができるようにするための支援」(第2条の57項)を義務付け、省令で、転職に関する相談や苦情に適切に応じるとともに必要な措置を講ずることを求めており、支援の適正な履行を怠った場合、「特定技能」の外国人は5年間雇えなくなります。また、転職に関する相談に適切に応じなかった結果として行方不明になった場合には、1年間の雇い止めになり得ます。このリスクにも気を付けた方がよいでしょう。
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【Timely Report】Vol.356(2019.2.27)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


  外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  215日、外国人留学生に在留資格の虚偽申請をさせ、不法就労させたとして、川崎市の会社員と、会社員が実質的に経営していた人材派遣会社の元社員ら計5人が不法就労助長の疑いで逮捕されました。通訳として働くとして申請したにもかかわらず、倉庫や介護施設で働かせていたという容疑です。

l  「ウチには関係がない話だ」と思われるかもしれません。しかし、入管法には至る所に「違反」の落とし穴があります。例えば、「特定技能1号」では転職自由なのですが、同業他社で働いているその資格の保有者が、あなたの会社の求人に応募してきたとします。同業他社なので、「特定技能1号」の場合、転職自体に問題はありません。面接したところ、良い人材だったので、内定を即決。そうしたら、「すぐにでも御社で働きたい」というので、翌週から就労してもらいました。この手続に何か問題はあるでしょうか。

l  じつはこれ、不法就労助長罪に相当します。というのは、「特定技能1号」の外国人が転職する場合、入管に対して在留資格の変更を申請して許可をもらわなければ、転職先での就労が許されないからです。気を付けましょう。
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【Timely Report】Vol.346(2019.2.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


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1.       在留資格に携わる者であれば、入国管理法における法務大臣の広範な裁量権を認めたマクリーン判決を知っていると思いますが、マクリーンが勝訴した東京地裁の判決文を読んだ人は少ないのではないでしょうか。いま、改めて読み返してみると、東京地裁判決の方が法の正義に適っており、デモに参加しただけで「政治活動」であると騒ぎ立て基本的人権を無視した入管側に軍配を上げた最高裁の腰抜けぶりが際立った事件だったように感じます。特に最近、トランプ政権になり、米国の司法が、行政の行き過ぎをリアルに牽制している姿を見せ付けられると、そのたびに彼我の違いを思い知らされます。

2.       この事件において、当初入管は、「マクリーンが当初予定していた勤務先に17日間しか勤務せずに転職したことが不許可事由に当たる」という「転職不許可説」を主張していました。じつは、この「転職不許可説」に関しては入管のボロ負け。入管を勝たせた控訴審ですら、「勤務を変更したことのみをもって不許可の理由としたものとすればいささか問題であろう」と断じています。このように、あまりにも自分勝手な考えを根拠なく入管が押し付けてきた場合には、日本の司法も機能してくれるのかもしれませんが、時代は遷り、日本国内で働く外国人は100万人を超え、仙台市並みの人口になりました。マクリーン事件当時とはかなり事情が変わってきています。

3.       マクリーン事件が公になる10年ほど前、日韓国交正常化交渉で法務省入国管理局参事官として日本側代表補佐を努めた法務官僚は、『法的地位200の質問』(京文社1965年)という書物を著し、「(外国人の処遇は)日本政府の全くの自由裁量に属することで、国際法上の原則から言うと『煮て食おうと焼いて食おうと自由』なのである」と書いたそうですが、マクリーン事件から40年が経過した現在、現場の入国審査官たちは、在留外国人のことを、どのような対象として捉えて、日々の業務に向き合っているのでしょうか。

4.       マクリーン事件当時(19727月)、ハワイ出身の高見山が外国出身力士による史上初の幕内優勝を果たし、関脇にまで昇進しました。子供たちから愛され大人気の高見山でしたが、横綱どころか大関にもなれなかった――そういう時代でした。しかし、40年が経過した現在、当時、入管よりも鎖国主義であった相撲界は外国人に門戸を開いて、モンゴル勢が横綱を寡占するようになりました。日本の国技である大相撲の横綱を白鵬が務めていることを、財界に例えてみれば、日産・三菱自動車の会長を務めるカルロス・ゴーンが、日本経団連会長を担っているようなものです。逸ノ城など若手外国人力士の人気も高く、外国人力士なしには、興業が成り立たなくなっています。

5.       スポーツ界では、元メジャーリーガーのマニー・ラミレスが、セリーグやパリーグではなく、「高知ファイティングドッグス」という四国の球団に入団したり、Jリーグが従来の「外国人枠」に加えて、「アジア枠」という形式で外国人の活躍の場を拡げるなど、外国人の制限を緩和し、国境を越えた人材交流を活発化させています。このような時世の中で、現場の入国審査官たちが、外国人の受入れについて、前向きに感じる部分はないのでしょうか。

6.       マクリーン判決から40年が経過しました。米国では、移民の権利を守るために、司法当局が大統領と戦っています。全国外国人雇用協会では、2017528日「講演会」を催し、マクリーン裁判の当事者である弘中惇一郎弁護士に「マクリーン判決と現在の課題」についてお話ししていただき、野茂英雄投手の米国メジャーリーグ行きを支援し、日本国内における外国人枠の撤廃に関して積極的に発言しているスポーツジャーナリストの二宮清純氏には、「スポーツ業界における外国人の活用」について語っていただきました。2019年も聞いて為になる「講演会」を企画しています。お楽しみに。
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【Timely Report】Vol.3(2017.5.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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「特定技能」は、天国か、地獄か?」も参考になります。

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l  「特定技能」については、大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じることになりました。地方の最低賃金が大都市圏に比べて低い(東京都985円・鳥取県762円)ので、外国人労働者が都市部に集中するという懸念に応えたものです。実際、入国管理法には、居住地あるいは行動地域を制限する仕組みがありますので、その方式を準用すれば、居住地あるいは就労地を制限することは簡単にできます。類似の政策は、オーストラリアやカナダで先例があり、無理筋というわけではありません。

l  ただ実務的には、「在留カード」自体に地域制限を明記することができないので、実施する場合は、それらを記した「指定書」を旅券に貼付することになると思われます。しかも、「特定技能」には「業種」の縛りがあるので、「指定書」には、居住地・就労地の制限に加えて、業種の範囲を書き足すことになります。「技能実習」は「転職不可」だったので、分かりにくい「指定書」でも不都合は生じなかったのですが、「特定技能」は「転職可」。入国管理法を熟知しない雇用主が、知らないうちに「資格外活動」に巻き込まれることになるような気がします。
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【Timely Report】Vol.316(2018.12.25)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


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l  海外居住者に関する在留資格の認定申請について、「短期滞在」と「永住者」だけを対象外としている入国管理法の建て付けから言えば、「特定技能」についても「可」とするしかないと見られていましたが、日本政府が、アジアを中心とした8カ国で日本語試験を実施するほか、「農業」の特定技能試験(1号)について、ベトナム・中国など海外7カ国で実施するなど、例外扱いではなく、「認定申請可」であることが確認されました。

l  じつは、これ、「技能実習」関係者にとって、かなりのダメージです。「技能実習」の卒業先として、「特定技能」が新設されたと思ったら、「特定技能」が「技能実習」のライバルに。出稼ぎ目的の外国人からすれば、転職の自由がなく労働環境が劣悪な「技能実習」よりは、転職の自由があり日本人と同等の賃金が確保される可能性が高い「特定技能」のほうが魅力的です。

l  しかも、日本政府は「悪質なブローカーの排除」を明言していますから、これまでのような借金塗れになる危険性も減るでしょう。逆に言えば、「技能実習」の既得権益は大きく毀損されます。新しい権益の争奪戦が始まります。
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【Timely Report】Vol.313(2018.12.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


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l  1012日、来春、新設される在留資格「特定技能」の骨格が示されました。「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種の資格を創設。「1号」は相当程度の知識と経験保有者が対象ですが、在留期間は通算5年が上限で、家族の帯同は不可。ただし、所管省庁が定める一定の試験に合格すれば「2号」に移行でき、家族帯同や在留期間の更新が可能になります。

l  画期的だったのは、「特定技能」の外国人に「転職」を認めたこと。これは、マーケットを劇的に変えるインパクトを内包しています。悪名高い「技能実習」で奴隷労働的な雇用が慣行となってきた背景には、「転職不可」という制度上の欠陥がありました。辛くなって逃げ出せば「不法在留」になり、他で働けば「不法就労」になるという構造が悲惨な諸問題を惹き起こしてきたのです。転職の可能性ありとなれば、雇用主も処遇に配慮せざるを得ません。

l  しかし、「同じ分野での転職は可能」となったのは良いとしても、実務上は、在留カードを見ただけで、適法・不法を判別することは困難。知らないうちに「資格外活動」に関与してしまう雇用主が続出してしまう可能性大です。
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【Timely Report】Vol.268(2018.10.16)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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『特定技能』で一体どうなる?」も参考になります。


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l  安倍首相が「一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する」と宣言し、「特定技能」の新設が決まりました。50万人超の外国人労働者を受け入れる改革を評して、「ベルリンの壁が崩壊した」という声も。就業している留学生(26.0万人)と技能実習生(25.8万人)を合わせた規模の人数(就業者の約4割)を数年間で受け入れるというのですから、大胆な政策であることは間違いありません。

l  ただし重要なのは、制度の中身です。まずは「転職の可否」=「技能実習」では認められていない就業先の変更が認められるか否か。転職不可になれば、「技能実習」の闇の部分を「特定技能」が継承することになります。そして「認定の可否」=海外在住の外国人が直接「特定技能」で入国できるか否か。不可にするのは制度的に筋悪ですが、「技能実習」や「留学」の既得権益と競合するので激論必至。最後に「実務経験要件の可否」=「留学」から「特定技能」への在留資格変更を認めるか否か。決め方によっては、留学生を受け入れる学校の運命を左右します。いずれにしても、大激変は必至です。

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【Timely Report】Vol.183(2018.6.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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