l 「特定技能」は、実習生からの移行を数多く見込んでいますが、昨年の臨時国会では、技能実習制度において、長時間労働や低賃金が原因で失踪が相次いでいることが大問題となりました。それで法務省は、プロジェクトチームを設置。技能実習生の失踪原因などの調査結果を3月末に公表し、その結果に基づいて、制度改善のための具体的な提言をする方針であるといいます。
l この「失踪問題」の煽りを受けたのが「特定技能」。省令案には、当該資格の外国人を雇用する企業に対して、「特定技能雇用契約の締結の日前1年以内又はその締結の日以後に,当該機関の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと」を求めていますから、1人でも行方不明者を発生させてしまうと、「特定技能」で外国人を雇えなくなってしまうのです。しかも、悩ましいのが、「当該機関の責めに帰すべき事由」という文言。国会における議論を前提にしますと、失踪者が低賃金やパワハラが原因だと主張する場合、「当該機関の責めに帰すべき事由」と認定されるリスクがあります。これは、いずれ大問題になります。
【Timely Report】Vol.359(2019.3.4)
BLOG記事「特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。