全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:許可率

まず、在留資格変更申請の受理件数は、4月よりは減っているものの、前年比では+2030%と大幅増で推移しています。

処理件数も、ほぼ同様の推移ですが、入管の現場では若干速度が上がった感じです。

処理速度が若干上がっている結果として、在庫が積み上がるスピードは+3040%から、+1020%レベルに落ちてきました。


この結果、審査在庫処理月数(=処理在庫件数÷処理件数)は、3月から3ヶ月連続で1.0ヶ月を割り込んでおり、審査の現場的には若干余裕が出ている環境です。

「審査現場の余裕」が許可率において、プラスに出るか(じっくり審査して許可の幅が広がる)、マイナスに出るか(重箱の隅を突いて不許可にする)は、経験上かなり微妙なのですが、現在のところはプラスに働いているようで、名目許可率95%水準を維持しています。入管による「不許可棚ざらし」の影響を勘案して試算した実質許可率も概ね6570%圏内ですから、一応「許可が出やすい環境」であると思われます。



【Immigration Report】Vol.2(2018.8.11)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
偽造在留カードが1500枚!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

入管行政が「コロナ特別態勢」から「通常態勢」に戻りつつあることは、すでにお伝えしているとおりですが、「実質許可率」の動向を見ますと、6月の75.0%をピークに若干ピークアウトしてきた感じがあります。表面的な「名目許可率」は、なんとか95%台を維持していますが、この水準を維持できずに、落ちてくるようだと注意する必要があります。事実として、「特定活動(特定技能準備)」の審査も厳しくなっている事例が見受けられます。そろそろ「入管の正常化」に備えた態勢を築いておかなければならない時期が来たという感じがします。



まず、在留資格審査の受理件数は、留学生の入国ストップを背景とした資格外活動の減少を主因に4月から前年比割れしており、5月は▲11.4%でした。

 

1.審査受理件数(全数:件)

2020

前月比

前年比

5

4

5

4

3

2

合 計

225,190

236,463

4.8

11.4

5.3

6.9

11.0

資格取得

1,328

1,406

5.5

11.1

11.1

3.3

2.8

期間更新

123,385

125,602

1.8

4.0

4.0

13.0

13.5

資格変更

55,003

61,061

9.9

39.0

39.0

34.1

+20.4

資格外活動

13,565

15,101

10.2

66.0

66.0

56.1

4.7

再入国

1,048

980

6.9

70.0

70.0

44.2

21.8

永 住

30,861

32,313

4.5

9.2

9.2

4.8

2.3

 

処理件数も、同様に4月から前年比割れに転じています。

2.審査処理件数(全数:件)

2020

前月比

前年比

5

4

5

4

3

2

合 計

107,265

127,265

15.7

2.6

2.6

7.1

6.7

資格取得

1,055

1,162

9.2

15.2

13.0

5.7

3.6

期間更新

60,169

73,102

17.7

1.3

27.3

23.0

11.9

資格変更

29,446

33,751

12.8

38.3

62.2

33.1

4.8

資格外活動

12,436

14,123

11.9

48.1

67.0

45.5

4.8

再入国

 1,046

 976

7.2

66.2

70.1

44.3

21.9

永 住

3,113

4,151

25.0

34.1

16.7

8.6

14.9

 

そして、許可件数は、同様に4月から前年水準を下回っていますが、「資格変更」は、「特定活動(特定技能準備)」の許可率が高いこともあってか、かなりの大幅増になっています。

3.許可件数(全数:件)

2020

前月比

前年比

5

4

5

4

3

2

合 計

103,205

122,333

15.6

5.1

2.4

7.5

8.1

資格取得

999

1,108

9.8

15.0

12.3

6.4

3.5

期間更新

59,447

72,071

17.5

2.1

28.5

24.1

12.3

資格変更

27,762

32,047

13.4

41.6

67.3

35.7

4.8

資格外活動

12,366

14,062

12.1

48.3

67.1

45.5

4.8

再入国

1,046

974

7.4

66.2

70.1

44.3

21.9

永 住

1,585

2,071

23.5

42.2

27.3

23.5

17.5

 

名目許可率(許可件数÷処理件数)は、若干ながら高まっており、前年同月を0.6%ポイント上回って推移しています。

 

4.名目許可率(%)

2020

2019

5

4

3

2

1

12

5

合 計

96.2

96.1

95.5

94.7

95.2

95.9

95.6

資格取得

94.7

95.4

94.4

95.4

94.9

95.6

94.5

期間更新

98.8

98.6

98.0

97.7

97.7

98.2

98.0

資格変更

94.3

95.0

95.2

93.1

93.4

93.2

92.1

資格外活動

99.4

99.6

99.5

99.2

99.4

99.3

99.7

再入国

100.0

99.8

99.9

100.0

100.0

99.8

99.9

永 住

50.9

49.9

46.3

53.9

55.3

56.8

58.0

 
【Immigration Report】Vol.1(2020.8.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事
偽造在留カードが1500枚!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ


入管統計は、2カ月遅れるため、速報性には欠けるのですが、入管実務のトレンドを追うには、重要な統計です。

まず、退去強制の発令件数は、4月、5月と激減しています。収容所でコロナが発生したこともあり、ドンドン摘発するというムードではないようです。

出国命令の交付件数も、ほぼ同様の推移です。在留期限の自動延長が適用されており、退去強制が自粛気味に運営されている状況下では、こうなるのも自然なのかもしれません。

いまは、新型コロナウィルス感染症対策で、異例の特別措置が施行されている状況です。許可率も心持ち上昇している感じもします。退去強制などで入管が優しい対応をしていることと符合しているのかもしれません。しかし、逆説的言えば、退去強制などの数値が上昇してくる(=入管が厳しくなってくる)ようになると、許可率も厳しくなってくるのかもしれません。要注意です。

【Timely Report】Vol.24(2017.9.16)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
偽造在留カードが1500枚!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ