全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:経済

l  来年度から、日本政府が、大学への留学生や外国人研究者らにビザを発給する際、経済安全保障強化の観点から審査を厳格化する方針を固めた、という報道がありました。米国・豪州・英国は、中国が留学生を利用して組織的に外国技術の獲得を狙っているとして警戒を強めており、中国人スパイの排斥に乗り出しています。その動きが日本にも伝播してきました。

l  外務省は来年度予算の概算要求で、審査厳格化の関連事業に2.2億円を計上。国家安全保障局・外務省・法務省・経済産業省・防衛省で「疑わしい人物」に関する情報を共有し、ビザ発給業務を担う在外公館でも活用できるシステムを構築し、発給の拒否を検討できるようにするといいます。

l  「留学生30万人計画」を達成した文科省は、マスコミにおいて偽装留学生キャンペーンが展開される中で、東京福祉大問題が発覚したため、新しい留学生政策を打ち出すことができず、留学ビザは厳格化の一途。留学生受入校は新型コロナで軒並み痛手を負っていますが、ここでさらなる厳格化が実行されることにより、来春にかけて凍死する学校が急増する可能性もあります。

【Timely Report】Vol.734(2020.10.12)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


  外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  929日、大阪入管に収容されていたトルコ人の男性が、複数の職員に押さつけられて肩を骨折したとして賠償を求めていた裁判で、大阪入管が謝罪し、300万円を支払うことで和解が成立しました。極めて異例の出来事です。

l  探ってみると、同月、国連の「恣意的拘禁作業部会」が日本の入管における長期収容について、「日本が国際法の下で負う義務に反していると認める」とし、世界人権宣言と国際法に違反し恣意的であると結論付け、日本政府に対して、必要な措置をとるよう求めたということが背景にあったようです。入管収容分野で、同作業部会が「意見」を出すのは初めてです。

l  国内では強面でなる入管も、さすがにマズイと思ったのか、新しい提案を出してきました。「在留特別許可」については、これまで直接の申請を認めず、退去強制や難民申請の手続における「法務大臣による特別な温情」として位置付けてきましたが、他の手続とは分離して、本人からの「申請制」に改める方向で検討しているようです。一定の要件を満たせば、申請中の就労も認める方針だと言います。単なる緩和ではなく改善に向かうことを願います。

【Timely Report】Vol.732(2020.10.7)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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入管行政が、「コロナ特別態勢」から「通常態勢」に戻りつつあります。

 

月間800件前後あった退去強制は、5月には200件を割り込むまでに減少しましたが、7月には358件にまで戻ってきました。同様に毎月800件前後あった出国命令も、4月~6月に250件前後にまで減りましたが、7月には421件にまで増えてきています。

 

10月から「入国」が正常化に向かえば、「出国」も正常化に向かいます。従来の特別措置はなくなると考えて、申請業務に臨むべきです。

Immigration Report】Vol.5(2020.9.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「海外事情:一斉摘発で親子が離れ離れ?」も参考になります。
異論・反論大歓迎ですので、是非、下記のコメント欄に、コメントをお寄せください。

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l  入管庁が、外国人の就労状況の情報を、所属している企業ごとに管理する取り組みを始めるようです。受入先ごとにデータベース化することで、不正に資格外の仕事をさせている企業などをチェックしやすくすると言います。「専門的な技能を必要としない仕事が大半のはずの企業が、通訳やエンジニアとして働く在留資格を持つ外国人を多く雇っている場合、不正に資格外の仕事をさせて人手を確保している疑いがある」などというもっともらしい記事もありますが、白々しい解説に呆れ果てます。

l  外国人労働の事情に通じた者であれば、諸悪の根源が外国人派遣にあることは周知の事実。無論、先日摘発された梅蘭のような事例もありますが、「技術・人文知識・国際業務」に限って言えば、違法の本丸は明らかに派遣です。

l  労働者派遣・請負事業を行っている事業所に就労している外国人労働者数は338,104人もいて、外国人労働者全体の20.4%を占めています。要するに、それらの外国人を雇っている18,438の事務所を、許可人数が多い先から調査すればよいだけです。なぜそんな簡単なことができないのでしょうか。

【Timely Report】Vol.729(2020.9.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「海外事情:一斉摘発で親子が離れ離れ?」も参考になります。
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l  98日、外国人起業活動促進事業における茨城県内第1号として、つくばで再使用型有人ロケット開発を目指すオーストリア人に確認証明書が交付されました。いわゆる「スタートアップビザ」です。入管に申請して認められれば、起業準備として1年の在留資格を得ることができます。

l  「経営・管理」に在留資格を変更する場合、500万円以上の資本金や事業所の確保が必要になることがネックになっていました。「スタートアップビザ」は、その負担を軽減し、外国人の起業を促進する試みです。方向性自体は間違っていませんし、確認証明書が出たことはおめでたいことだと思います。

l  しかし、「有人ロケット開発」に真剣に挑戦するのであれば、資本金は500万円どころか500億円でも足りないかもしれません。オーストリアで宇宙航空エンジニアリング会社を経営していると自称する経営者が、500万円程度を拠出できなくて、事業所を構える余裕もないというのは不可思議です。初めから「経営・管理」に挑戦すればいい。それとも、「スタートアップビザ」第1号になることで新聞記事になることを狙った作戦なのでしょうか。

【Timely Report】Vol.723(2020.9.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:外国人の社会保険をどうすべきか?」も参考になります。

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l  717日、政府は「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)を閣議決定。コロナ問題に翻弄される中で話題にもなりませんでしたが、「留学生の採用」という観点から見ると分水嶺となった感じがします。

l  「骨太の方針2020」における留学生採用の記述は、「ハンドブックも活用して採用プロセス及び採用後の待遇の多様化や積極的な情報発信を促し、留学生の起業を促進する在留資格を2020 年度中に措置すること等により、希望する留学生の大多数が国内で就職し、活躍できる状況の実現を目指す」という部分だけ。その一方、「骨太の方針2019」では、「重要課題への取組」という節の中で、「外国人材の受入れとその環境整備」を取り上げ、「留学生の国内就職促進」という一節だけでも、今年の倍以上の分量を割いていました。

l  真剣に将来を憂えば、外国人若年層の受入れは不可避なので、「骨太の方針2016」では「外国人留学生の日本における就職率の5割への引上げ」を明記するほど前のめりでした。しかし、留学生30万人計画を達成し、東京福祉大問題でずっこける中で、コロナでダメ押しを食らい、熱が冷めた感じです。



【Timely Report】Vol.714(2020.8.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事
偽造在留カードが1500枚!」も参考になります。

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1.       「景気は緩やかに拡大している」という大本営発表の中、2017年度上半期の企業の倒産件数が前年同期比で9年ぶりに前年を上回ったという事実が、経営現場の実感を代弁しています。地方都市で倒産件数が減っている一方、都市圏では倒産件数が2ケタ増。景気が良い都市圏では、人が採用できない零細企業が倒産し、景気が悪い地方では、人手不足倒産が起きにくくなっているのです。都内では本当に人が採れなくなりました。広告費をかける体力がない中小企業では、社員やバイトが抜けていき、オペレーションが回りません。時給を上げて引きとめようとしても、人件費は増える一方で、オーナーは休日もなしに出勤しなければならない。結局、どこかの段階で破綻してお店を畳むしかなくなるという、負の連鎖が起きているのです。

2.       従来、倒産はカネ不足で起こっていましたが、これからはヒト不足で倒産が起きます。おカネは政策で増やせますが、ヒトは移民政策でも採らない限り簡単には増えません。せっかく247万人もの外国人が日本に在留していても、それを活かす知恵がなければ、経済は衰退していく一方です。
町に署名, 破産, 倒産, 流動性, ビジネス タスク, バスト, 破滅, 障害
【Timely Report】Vol.44(2017.10.26)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
2019年の日本経済を予測する!」も参考になります。

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l  99日、焼きそばが人気の中華料理店『梅蘭』の店舗において、「技術・人文知識・国際業務」で働く中国人従業員7人が資格外活動違反で逮捕されました。気になるのは、マスコミの報道内容です。「在留資格で認められていない配膳や接客などの業務を担当していた」「店舗で配膳やレジ打ちなどの業務に当たった疑い」「飲食店での接客はできない」など警察による大本営発表の垂れ流し。「入管のガイドラインで新入社員研修においては認められている」という事実を伝えた報道機関は皆無でした。

l  資格外活動の疑いを掛けられているのは、「120日~715日頃までの半年間」だと言いますから、7人が新入社員であって、現場研修として店舗業務に関与していたのなら、何ら問題ないケースである可能性もあります。

l  もっとも、7人の入社時期は「2013年~2018年」だったという報道があるほか、百数十人いる従業員のうち30人前後は「技術・人文知識・国際業務」という噂もありますから、客観的な証拠でガチガチにディフェンスしていないと、運営会社の「源玉商事」も不法就労助長罪でやられる可能性大です。

【Timely Report】Vol.722(2020.9.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:外国人の社会保険をどうすべきか?」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  日本における移民政策論は、未だに「あるべき論」を戦わせるだけで、感情的な対立を確認するだけで終わってしまいがちです。

l  この点、米国では、「今後の10年間に関して、移民による労働力強化等がないと成長率が▲1.3%落ちる」とか「移民を5%制限すれば、成長率を▲0.2%押し下げる」などと試算されているほか、豪州でも、「一時的にでも難民の受け入れ数を増やした場合、向こう50年間で377億豪ドル(約2兆7,002億円)規模の経済成長が見込める」という分析が公表されています。EUにも、「移民の増加は、1人当たりGDPの改善や失業率低下などの好ましい変化につながっており、移民支援などで公共支出が増加した分は、移民の納める税が増加することでバランスが保たれていた」という調査結果があります。

l  日本も、今回の入管法改正で、5年間で最大35万人の「特定技能外国人」を受け入れる腹を括ったのですから、試算を公表すべきでしょう。そうすれば、年金や健康保険等の財政や税収に関して、著しいプラス効果をもたらすことを確認できるはずです。そして、新しいビジネスも産まれるはずです。

【Timel
y Report】Vol.576(2020.1.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:外国人の社会保険をどうすべきか?」も参考になります。

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日本の人口は、緩やかに、しかし、着実に減少しております。8月1日時点の人口推計を見ますと、日本の人口は12593万と前年同期の12622万人と比較すると、29万人減少しています。しかし、2024歳や2529歳の年齢層を見ると、前年よりも増えており、少子高齢化をそれほど心配しする必要はないようにも、一見見えます。ただし、これは、在留外国人の増加が、この2029歳の年齢層をカバーしているからにすぎません。

実際、日本人の人口の推移を見ると、概ね前年比5060万人という減少度合いであり、2029歳の年齢層は、前年比でみて横ばいか微減というところです。そして、その規模は、4549歳の965万人や3539歳の725万人に遠く及ばない587596万人。冷徹に見れば、若年層は、中年層の6~8割しかいないのです。そんな状況下で、在留外国人が若年層の一部として、社会や経済の中で機能していることが理解できます。

今後、日本の人口は、50006000万人に向かって、半減していくと予測されています。65歳以上の割合も4割近くに達すると見られています。それに対して、生産年齢人口(1564歳)は5割。本当であれば、ほぼ若者1人で高齢者1人を支えていく経済や社会というのが本当に成り立ち得るのかという深刻な問いを真剣に考える必要があるのですが・・・。



Market  Report】Vol.4(2020.8.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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偽造在留カードが1500枚!」も参考になります。

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日本の人口は、緩やかに、しかし、着実に減少しております。8月1日時点の人口推計を見ますと、日本の人口は12593万と前年同期の12622万人と比較すると、29万人減少しています。しかし、2024歳や2529歳の年齢層を見ると、前年よりも増えており、少子高齢化をそれほど心配しする必要はないようにも、一見見えます。ただし、これは、在留外国人の増加が、この2029歳の年齢層をカバーしているからにすぎません。

実際、日本人の人口の推移を見ると、概ね前年比5060万人という減少度合いであり、2029歳の年齢層は、前年比でみて横ばいか微減というところです。そして、その規模は、4549歳の965万人や3539歳の725万人に遠く及ばない587596万人。冷徹に見れば、若年層は、中年層の6~8割しかいないのです。そんな状況下で、在留外国人が若年層の一部として、社会や経済の中で機能していることが理解できます。

今後、日本の人口は、50006000万人に向かって、半減していくと予測されています。65歳以上の割合も4割近くに達すると見られています。それに対して、生産年齢人口(1564歳)は5割。本当であれば、ほぼ若者1人で高齢者1人を支えていく経済や社会というのが本当に成り立ち得るのかという深刻な問いを真剣に考える必要があるのですが・・・。


Market Report】Vol.4(2020.8.28)詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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