全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:移民

l  直近の調査結果によれば、アメリカ人の3分の267%)は、「アメリカにいる移民の大半が合法的に米国内に留まれるようにする」仕組みを作ることが、国にとって「極めて重要」または「ある程度重要」であると回答しています。不法移民に厳しい見方をしてきた共和党支持、もしくは共和党寄りの回答者の半数近く(48%)も、合法化に賛成。戦争や暴力から逃れてきた難民の受け入れについても、アメリカ人の多くが支持を表明しました(73%)。

l  こうした世論を背景に、移民へのビザ発給条件に医療保険の支払い能力を加えるというトランプ政権が打ち出した新たな移民規制措置に対して、連邦地裁が実施を一時差し止める仮処分命令を出したり、来年の米大統領選での民主党候補指名を争っているサンダース議員が、大統領就任したら、移民の強制送還措置に猶予期間を設定し、入管による摘発を中止すると表明するなど、「移民政策」を巡って、高度なやり取りが繰り広げられています。

l  一方、日本では、在留外国人が急増する中で、正面から「移民政策」を議論することすらなく、「桜を見る会」を巡る不毛なバカ騒ぎ。悲しい限りです。

【Timely Report】Vol.592(2020.2.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:外国人の若者がいなかったら?」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  1023日、英エセックス州で、トラックの冷凍コンテナの中から移民を試みたベトナム人39人の遺体が発見されました。さらに116日には、英ウィルトシャー州でも15人の移民を乗せたトラックが摘発。同様の事件は、他国でも多発しています。ベルギーでも、移民12人を乗せた冷蔵トラックが見つかり、イタリアとの国境にあるフランスのラ・テュルビーでもトラックコンテナに隠れて密入国を試みた移民が逮捕されました。ギリシャでも移民41人が乗った冷凍コンテナトラックが発見されています。

l  こうした不法入国の背景には、多くの場合、経済格差があります。豊かな生活を求めて他国で職を求める動きは、給与格差が3倍を超えると活発化するともいわれており、格差がなくならない限りゼロにすることは難しそうです。

l  「移民を防ぐには、貧しい国々を豊かにすればよい」という考え方に立ち、貧しい国々を支援する政策も実施されていますが、生活水準が向上すれば、移動手段を入手しやすくなるため、移民はかえって増えるという研究結果もあり、移民抑止という点で有効か否かについては議論が分かれています。

【Timely Report】Vol.589(2020.2.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:「日本型雇用」は崩壊する?」も参考になります。

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l  日本における移民政策論は、未だに「あるべき論」を戦わせるだけで、感情的な対立を確認するだけで終わってしまいがちです。

l  この点、米国では、「今後の10年間に関して、移民による労働力強化等がないと成長率が▲1.3%落ちる」とか「移民を5%制限すれば、成長率を▲0.2%押し下げる」などと試算されているほか、豪州でも、「一時的にでも難民の受け入れ数を増やした場合、向こう50年間で377億豪ドル(約2兆7,002億円)規模の経済成長が見込める」という分析が公表されています。EUにも、「移民の増加は、1人当たりGDPの改善や失業率低下などの好ましい変化につながっており、移民支援などで公共支出が増加した分は、移民の納める税が増加することでバランスが保たれていた」という調査結果があります。

l  日本も、今回の入管法改正で、5年間で最大35万人の「特定技能外国人」を受け入れる腹を括ったのですから、試算を公表すべきでしょう。そうすれば、年金や健康保険等の財政や税収に関して、著しいプラス効果をもたらすことを確認できるはずです。そして、新しいビジネスも産まれるはずです。

【Timel
y Report】Vol.576(2020.1.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「移民政策:外国人の社会保険をどうすべきか?」も参考になります。

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l  2019年6月末時点の在留外国人数が282.9万人を記録し、過去最多を更新しました。これまでに日本国籍に帰化した外国人は56.0万人(2018年末)で、不法残留者(71日時点)が7.9万人いますから、統計が正式に把握しているだけで350万人規模になります。日本国内において、父母のいずれかが外国人の子供は、毎年2万人(20171.8万人)前後産まれているので、統計で網羅していない外国人もいると考えれば、広い意味での「移民=外国人と関係の深い在留者」は400万人を軽々と超えています。

l  外国人が増えることについて、6割近くの人が「賛成」しているものの、家族を伴って日本で暮らす外国人が増えることについては、7割近くが慎重です。30人に1人が「移民」なのですから、学校で言えば、「クラスに移民が1人はいる」という計算になります。「日本はいわゆる移民政策をとらない」と強弁するだけで、「移民」に関する議論を拒否できる時代ではありません。

l  安倍政権が「移民基本法」の議論を拒否し続けるとすれば、それは、憲法改正の議論を拒否し続ける野党と同じ低レベルだということです。

【Timely Report】Vol.575(2020.1.23号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:日本人は白鵬の帰化を歓迎する?」も参考になります。

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l  世界各国が人口減で悩んでいます。2020年から2050年の間に、最も大きく人口が減ると見られる国の第1位はブルガリアで▲22.5%690万人から540万人に急減する見込みです。ブルガリアの悩みは海外移民。ブルガリアの月間最低賃金が320ドルとEU加盟国の中で最低水準なので、2017年の1年間だけで、ドイツへの移民が3万人を超えたといいます。

l  2位リトアニア(▲22.1%)、3位ラトビア(▲21.6%)、4位ウクライナ(▲19.5%)、5位セルビア(▲18.9%)、6位ボスニア・ヘルツェゴビナ(▲18.2%)、7位クロアチア(▲18.0%)、8位モルドバ(▲16.7%)と東欧勢が続きます。自国経済が貧しいがゆえに豊かな国に人口が吸い取られている格好です。

l  日本は、第9位(▲16.3%)。12650万人から1580万人へと30年間で2000万人以上減る計算です。周辺国と比べれば、まだ日本が豊かだから、この程度で留まるという予測なのでしょう。シンガポールがますます魅力的になり、中国が豊かになったら、東欧諸国のように他国に移民する若者が増えていく可能性だって否定できません。そうなれば、人口減は加速します。

【Timely Report】Vol.568(2020.1.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一流の外国人は日本に来ない?」も参考になります。


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l  920日、ラグビーW杯で、日本代表がロシアを撃破しました。ラグビー日本代表は、選ばれた31名中15名が外国出身選手。ハットトリックを決めて、一躍注目を集めた松島幸太朗選手は、ジンバブエ人の父を持ち、南アフリカで生まれた経歴の持ち主ですから、彼を「外国出身選手」と定義すれば、過半数が「純粋な日本人」ではないということになります。

l  ラグビーの場合、国家の対抗戦ではなく、所属協会の対抗戦であり、3年居住すれば代表になれるなど、国籍による制約が緩いので、このような状況が発生し得るわけですが、そろそろ日本でも、「日本人とは何か?」「日本人になるには何を求めるか?」「どういう条件を充たした場合は日本人として認めるのか?」という正々堂々とした議論が求められているような気がします。

l  同様に「受け入れてよい外国人とは何か?」「受け入れるには何を求めるか?」「どういう条件を充たした場合は移民として認めるのか?」という正々堂々とした議論をすることも必要になってきています。「移民」の定義を曖昧にすることでは問題は解決しません。未来を見据えて真剣に討議すべきです。

【Timely Report】Vol.549(2019.12.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一流の外国人は日本に来ない?」も参考になります。


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l  「外国人が働きたい国ランキング」において、日本は、タイやマレーシア、ベトナム、インドネシア、フィリピンの後塵を拝し、調査対象33カ国中32位という散々たる結果になりました。日本が敬遠される主な理由は、賃金が安い、ワークライフバランスが悪い、子どもの教育環境が悪い、外国人に対して閉鎖的、生活の快適度が低いなど、身も蓋もありません。

l  そんな中、財務省・経産省・総務省が、外為法に基づく「対内直接投資等に関する業種告示等」の改正告示を8月から適用し、事前届出をする対象業種を拡大し、ソフトウエア開発や情報処理サービスなどの事業を対象に入れた結果、事前届の受理日から原則30日間は投資実行が禁止されるため、「海外から国内へのリスクマネーの呼び込みに冷や水を浴びせることになり、有望なベンチャー企業が倒産してしまう」という悲鳴が上がっています。

l  移民による起業を支援し、果実をフルに享受する国がある一方で、日本は頑なに島国であろうとしながら、嫌々門戸を開いている感があります。外国の資金ですら受け入れないなら、外国の人材を受け入れるのは不可能でしょう。

【Timely Report】Vol.536(2019.11.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入国・在留審査要領:日本は起業大国になれるか?」も参考になります。


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l  米国グーグルの社員は、米税関・国境警備局(CBP)が「人権侵害」をやめるまでCBPからの仕事を受けないよう会社に求めました。CBPのクラウドコンピューティング契約の入札準備を進めていることに対して、疑問を呈したものです。実際、同社は、同様の請願を受けて、国防総省との人工知能(AI)の共同研究や、中国版検索エンジンへの取り組みから手を引いています。

l  また、米国ホールフーズの従業員グループも、米移民当局に協力していることを理由に、親会社であるアマゾンに抗議しています。アマゾンが、データ分析企業「パランティア」にサービスを提供していることを問題視。パランティアは、不法入国者の強制送還に使われている米国移民・関税執行局(ICE)向けのシステムを開発・提供しています。アマゾンWebサービスの従業員も、ICEとの協力を止めるように求める書簡を社内で回覧しました。

l  日本で例えると、パナソニックの社員が、外国人収容所における人権侵害を問題視して、入管から「顔認証ゲート」の受注をしないように求めるという構図になりますが、そういうことが起こる気配はありません。

【Timely Report】Vol.528(2019.11.11号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一斉摘発で親子が離れ離れ?」も参考になります。

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l  未だに「移民は是か非か」という形而上学的な議論を展開される方がいますが、冷静に現実を直視すれば、高田馬場にはミャンマー人、西葛西にはインド人が居を構え、西川口には新たなチャイナタウンが出現し、神奈川県の大和周辺にはベトナムやカンボジア、ラオスの人々のコミュニティが存在しています。竹ノ塚にはリトル・マニラがあり、池袋にはバングラディシュ人がたむろしており、日本の中には、数多くの「異国」が現存しているのです。

l  40年ほど前、ベトナム・ラオス・カンボジアが社会主義体制に移行したことに伴う混乱と内戦の中で大量のインドシナ難民が発生し、ボロボロのボートにすし詰めになった人々が決死の渡航を試みて来日。原則として難民を認めない日本が、11,000人の難民を受け入れたこともありました。

l  日本は古来より、朝鮮半島や中国大陸から渡来人を数多く受け入れてきた国でもあります。在日朝鮮人との関りも100年を超え、日系人が海外に移民として雄飛した頃からは150年が経過しています。移民の是非を議論する前に、「今そこにいる移民」を直視しなければ、生産的な答えは出てきません。

【Timely Report】Vol.517(2019.10.25号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「外国人が日本を支えている!」も参考になります。

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l  87日、米国の移民税関捜査局は、ミシシッピ州で一斉摘発を行い、680人の不法移民を拘束しました。拘束された不法移民の子供は親族か他の家族の元に送られることになるため、「家族を離れ離れにし、地域社会を恐怖に陥れている」などと批判が高まり、680人のうち300人が釈放されました。

l  じつは、「不法移民の親子分離」は、日本でも毎日起こっています。入管庁は、「米政府の場合、不法移民の親子は分離されて然るべきという立場を取っているが、日本の場合、子供に配慮した対応を取っており、米国と同様という指摘は当たらない」と語りますが、2018年に認定された難民は、ドイツ56,500人、米国35,000人、フランスが29,000人、カナダ16,800人、イギリスが12,000人に対して、日本は42人にすぎません(申請は10,493人)。

l  東日本入国管理センターでは、被収容者325人のうち94%が半年を超えており、5年超という人も。今年5月から始まったハンガーストライキは、7月下旬に100人を超える規模に広がりました。しかし、移民すら受け付けない日本が、難民を受け入れるのは難しそうです。

【Timely Report】Vol.514(2019.10.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入国審査官にも情けはある!」も参考になります。

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外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  移民に関する議論を聞いていると、①日本はアジアにおいて最も「魅力的な国」である、②ドアを開ければ優秀な外国人が大勢来日する、③来日した外国人は日本での永住を望む、という「暗黙の前提」を感じるときがあります。日本が「出稼ぎ先」として、ある程度魅力的なことは否定しませんが、中国や韓国や台湾と比べて圧倒的に優位かと言えば疑問です。また、「出稼ぎ先」ではなく、「永住先」として日本を選ぶ外国人は、まだまだ少数派でしょう。

l  現場では、「本当の高度人材は外国から日本には集まらない。球速160キロのストレートを持つ投手は日本プロ野球には来ない」「世界のハイポテンシャルパーソンが日本に来ない理由は、日本企業や日本社会に魅力がないから」という指摘があります。米国やカナダやオーストラリアが、世界中から移民を惹きつけるのは、経済的な豊かさに加え、社会が外国人に対して寛容であり、労働市場がオープンだからです。日本は、社会の豊かさ、寛容さ、オープン度合いという点で、これらの国に劣後しています。だから、移民問題などこれまで発生しなかったのです。その現実を直視すべきです。

【Timely Report】Vol.471(2019.8.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
ブローカーには絶対に近寄るな!」も参考になります。

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l  少なからぬ経済学者は、人口減の話になると、「移民を受け入れなくとも省力化投資で賄える」とか「労働生産性を上げるためにIT投資すべき」などと軽々しく論じます。しかし、システムに詳しいわけでもなく、経営をしたこともないのに、よくもそんな戯言が言えるものです。きっと、日本企業や日本国が、どれだけIT投資で失敗してきたのかを知らないのでしょう。

l  無論、有効に活用できれば、ITもAIもロボテックスも、生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。しかし、そのためには、導入する技術の成熟度や限界を知悉し、技術に対する社員や顧客の受容度を熟知し、経営戦略の中でどこにいつ投入するのが最も効果的なのかを見極め、コスト・プロフィットが十二分に見合うことを確認した上で、果断に実行しなければなりません。そうでなければ、コスト倒れに終わるだけです。

l  生き残る経営者は、技術の長所を知りつつも、手法やコストや時期が十分に熟すまでは、人員の増減や業務の調整で耐え凌ごうとします。「人手不足だからIT投資しよう」などという軽々しい判断で成功した企業はありません。

【Timely Report】Vol.467(2019.8.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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ブローカーには絶対に近寄るな!」も参考になります。

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l  外国人労働者の受入増に反対する論者が反撃の機会を窺っています。「社会が分断化される」「日本社会が壊れる」「日本人の美徳が損なわれる」「日本文明が死ぬ」など、言葉も激しさを増してきました。

l  もちろん、外国人を受け入れることによって、無視できない摩擦は生じます。軽視できない問題も数多く発生するでしょう。悲惨な事件が起こるかもしれません。しかし、だからと言って、「外国人は受け入れるべきでない」と決め付けるのは短絡的です。それは、「人員削減につながるからIT化には反対だ」「交通事故が起こるから、自動車は全面禁止にすべき」「殺人に使われたから、包丁の購入は許可制にする」などという主張に近いものがあります。

l  あらゆる政策には副作用が伴います。これは選択問題です。「人口減少で縮小する経済の中での耐え難い苦痛」と「外国人を受け入れることによる解決し難い苦悩」のどちらを選ぶのか。片方だけを指摘して痛罵したところで何も解決できません。苦痛と苦悩を秤にかけて選ぶ必要があります。現実問題として、「耐え難い苦痛」に耐えられる日本人はほとんどいないと思います。

【Timely Report】Vol.381(2019.4.3)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  「移民」に係る議論は感情論になりがち。異文化に対する懸念を煽る「攘夷派」と人道主義一辺倒の「開国派」は水と油ですから、交わりようがありません。経済上の得失を語るべきエコノミストも、極論どうしの論争に煽られて、イデオロギーに塗れた論調に陥りがちです。この点、「経済学」がどう論じているかというと、移民肯定派が大勢ですが、「移民は米国のGDPを増やすが、移民以外の米国人が得る利益は小さい」とか「第1世代と第3世代の移民は、コストが税収を上回る」という主張もあります。

l  ただ欧米では、「移民が米国人労働者と競うことで給与は下がらない」「移民が低学歴の先住労働者の賃金を下げることはない」「移民が増えたら、同性・同学歴グループの米国人の失業率が下がり、就労率が上昇した」「移民の増加は、1人当たりGDPの改善や失業率低下をもたらす」という実証研究が蓄積されています。また、「移民が犯罪を行う確率は米国出生者よりも低い」「移民が集中している地域は移民が少ない同等の地域に比べて犯罪率が低い」ことも知られています。日本でも実証研究が必要です。
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【Timely Report】Vol.225(2018.8.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  1月29日、新生児を民家の敷地に遺棄したとして、保護責任者遺棄の疑いで、中国籍の技能実習生(22)が逮捕されました。泣き声を聞いた通行人が、ポリ袋に入れられていた男児を発見。命に別条はありませんでした。容疑者は自宅で1人で男児を出産したといい、「会社に知られたら、日本にいられなくなってしまう。日本人の家に赤ちゃんを置けば育ててくれると思った」と供述しているようです。この事件を契機に、改めて「外国人労働者」を「人」として扱わない「技能実習制度」に批判が集まっています。

l  仮に容疑者が発見されなかった場合、この男児はどうなったでしょうか? 国籍法第2条は、「子は、次の場合には、日本国民とする」と定め、「日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき」と規定しているので、「日本人」として遇されることになります。安倍政権が口頭で「移民」を否定したところで、外国人の受入れを増やせば、このような意図せぬ「日本人」も増えていきます。「外国人労働者」を「人」として受け入れるための法令や体制の整備が不可欠になると覚悟すべきです。

【Timely Report】Vol.338(2019.3.6)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「大坂なおみと二重国籍問題」も参考になります。

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l  中川正春・衆議院議員が、2012年に内閣府特命大臣(共生社会)に就任した際に「移民基本法を作りたい」と発言したら抗議が殺到。その後、「外国人材」という言葉に言い換えたそうですが、それだけ「移民」という語感に反発する人が多かったということなのでしょう。しかし、その結果、「移民」という言葉はタブーとなり、日本政府は、実習生や日系人などの裏口で受け入れながら日本社会を維持してきました。完全な「二枚舌」です。

l  その結果、「そこにある不都合な現実」を、「移民を受け入れていないのだから、問題などあるはずがない」という建前でごまかし、為すべき改革を放置してきました。連綿とした日常業務の中で培われてきた「見て見ない振り文化」を一晩で刷新することは困難です。「出入国在留管理庁」という看板に掛け替えても、攘夷派筆頭の入管が共生派に生まれ変わるわけもありません。

l  外国人人口が220万人になる中、過半数が「移民」に賛意を示すなど、国民のほうが現実的なように見えます。政治家も言葉遊びを止めて、「移民基本法」や「外国人基本法」を制定する方向で議論すべきではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.443(2019.7.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  難民や移民に寛容なことで知られるカナダが、自国以外の国で既に難民申請をした場合、カナダで再申請することを禁止する方針を固めました。米国で受け入れを拒否された難民申請者が国境を越えてカナダ国内に大量に流入していることが背景にあります。保留中の難民申請の数は20万件を超え、審理待ちに平均20カ月かかるのが現状。国境近くの自治体は、申請手続を待つ難民のために古いスタジアムや公民館を住宅施設として再利用していますが、この費用負担を巡って、政府との間に軋轢が発生。カナダのトルドー政権は、一貫して難民を歓迎する姿勢を示してきましたが、秋の総選挙を控えて、難民問題に対して強硬な姿勢に転じ始めたようです。

l  この改正により、カナダ国境の出入国審査官は、他国で既に難民申請を行った人々について、カナダでの再申請を却下できるようになります。米政府の情報収集活動を暴露したCIAの元職員を匿った難民や、家族からの虐待を訴えたサウジアラビア女性、兵役を拒否したシリア男性などを受け入れてきたカナダが反難民に転じるとは思いませんが、今後の動きは要チェックです。
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【Timely Report】Vol.433(2019.6.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2018年9月9日、スウェーデンで総選挙が行われ、反移民を掲げる「スウェーデン民主党」が大躍進。得票率(17.6%)は第3位で、無視できない存在になりました。昨年来、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、イタリアと続いてきた反移民の潮流は止まるところを知らないように見えます。

l  政権与党の社会民主労働党が1世紀以上にわたり第1党の座を占め、経済も堅調なスウェーデン(人口1000万人)は、移民に寛容な国でしたが、国民の4人に1人が移民系になる中で、2015年の難民危機に国民1人当たりで最大の移民(16万人)を受け入れたこともあり、「スウェーデン市民よりも移民を大事にするのか」という幅広い批判を呼び起こすことになりました。

l  日本でも、訪日外国人や在留外国人による「健康保険タダ乗り論」が一部で出ていますが、外国人の受け入れが増えていけば、スウェーデンと類似の議論が沸き起こるのは必至です。今のうちに、将来を見据えた大きな設計図を描き、必要な制度改革の詳細を煮詰めておかなければ、欧州における反移民の潮流は、遅かれ早かれ、日本にも押し寄せることになるでしょう。
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【Timel
y Report】Vol.252(2018.9.25)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「欧州で反移民が止まらない!」も参考になります。

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l  4月28日、スペインで総選挙があり、下院ではサンチェス首相率いる中道左派・社会労働党が第1党になりましたが、「不法移民は強制送還」「モロッコ国境に壁を作る」と公約する新興右翼政党VOXが24議席を獲得。1975年の死去まで実権を握った独裁者フランコに関する苦い記憶があるので、有力な極右政党が出てこなかったスペインにおいて、極右政党が国政に進出したのは1978年の民主化以来初めてです。VOXは、EUに対して、国境検問の再開を廃止したシェンゲン協定の凍結を要求しています。

l  昨年イタリアで反移民政党が参加する政権が発足したことで、地中海を渡って欧州に入る移民や難民の多くはスペインに向かっています。昨年1年間で、ギリシャやイタリアより多い5万8569人の難民が流入しました。VOXは移民急増への不安や既成政党への不満を吸収し、支持層を急拡大。フランスの極右政党「国民連合」のルペン党首は早速歓迎を表明。5月後半の欧州議会選挙で伸長が見込まれる極右勢力がさらに勢いづく可能性があります。

l  欧州における「反移民」の流れは、しばらく収まりそうにありません。
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【Timely Report】Vol.438(2019.7.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  改正入管法を巡る昨秋の臨時国会は、最悪の凡戦でした。移民なのに「移民ではない」と言い張る与党が「筋金入りの嘘つき」ならば、ヒドイ事例ばかりあげつらって揚げ足取りに専念する野党は「批判ばかりの毒舌家」。「ウソつき」と「毒舌家」の争いに呆れ果てたというのが経営者たちの本音だと思います。どのような主張を展開するにせよ、議論の土台は、現実を素直に直視すること。よく言われるコンビニだけでなく、私たちの生活は、農業、漁業、工場などのあらゆる分野で外国人に支えてもらっています。「技能実習は悪質だ」とか「偽装留学は廃止すべきだ」などと批判する前に、在留外国人の貢献に対して素直に感謝することからスタートすべきです。

l  そういう議論になっていたら、移民であるか否かにかかわらず、在留している外国人に対するケアや基本的人権の保護が必要だという至極当たり前のことに合意できたはず。本来、野党は、揚げ足取りではなく、共生を前提とする外国人労働法や外国人基本法の制定を与党に突き付けて、国自らの関与やインフラ整備を要求すべきでした。今からでも決して遅くはありません。

 【Timely Report】Vol.388(2019.4.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
人手不足で企業が殺される!」も参考になります。

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