一般社団法人 全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:留学生

l  安倍首相が「一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する」と宣言し、「特定技能」の新設が決まりました。50万人超の外国人労働者を受け入れる改革を評して、「ベルリンの壁が崩壊した」という声も。就業している留学生(26.0万人)と技能実習生(25.8万人)を合わせた規模の人数(就業者の約4割)を数年間で受け入れるというのですから、大胆な政策であることは間違いありません。

l  ただし重要なのは、制度の中身です。まずは「転職の可否」=「技能実習」では認められていない就業先の変更が認められるか否か。転職不可になれば、「技能実習」の闇の部分を「特定技能」が継承することになります。そして「認定の可否」=海外在住の外国人が直接「特定技能」で入国できるか否か。不可にするのは制度的に筋悪ですが、「技能実習」や「留学」の既得権益と競合するので激論必至。最後に「実務経験要件の可否」=「留学」から「特定技能」への在留資格変更を認めるか否か。決め方によっては、留学生を受け入れる学校の運命を左右します。いずれにしても、大激変は必至です。
キッチン, 仕事, レストラン, 調理する, シェフ, Professional
【Timely Report】Vol.183(2018.6.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  外国人留学生がいなければ、コンビニは24時間営業を維持できません。全国のコンビニでは、留学生が4万人働いており、東京の深夜帯だと67割の店舗で外国人が就業しています。本来、留学生は「勉強」が本文であり、「就労」することは不可。アルバイトは「裏口=資格外活動」で特別に認めるという建付けです。世界に通用する日本の製造業を代表するのがトヨタなら、日本の非製造業を代表するのはコンビニ。しかし、そのコンビニを支えているのが、「裏口入学の留学生」だとすれば悲しい限りです。

l  日本のコンビニは、公共料金支払も、小包も、カフェも、チケットもある世界的に珍しい小売りの形態。コンビニが実践している「単品管理」は、欧米のビジネススクールが取り上げるほどの高度なマネジメント手法でもあります。そもそも立法当時、「人文知識」という在留資格は、日本人の大学卒が就労するような仕事という捉え方でした。「販売=単純作業」という紋切り型の解釈を止め、以前のように「技術・人文知識・国際業務」でコンビニの就労を認めることこそ、入管に求められていることではないでしょうか。
建物, 暗い, 泊, 利便性, ストア, ショップ
【Timely Report】Vol.197(2018.7.5)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2018年7月、週28時間を超えて、ベトナム人留学生3人を自身の経営するホテルで清掃業務等に就かせたとして、ラブホテルチェーン「ファイン」の運営会社会長ら役員3人が逮捕されました。会長は、「留学生の労働時間に上限があるとは知らなかった」と容疑を否認しましたが、社員らは容疑を認め、会長から「法律を知らなかったことにしろ」と口裏合わせを指示されたようです。

l  中には、週85時間も勤務していた留学生がいたようですが、そもそも留学生の資格外活動許可には「風俗営業等の従事を除く」と明記されており、風俗営業が行われている現場での就労が禁止されています。要するに、ラブホテルでの清掃業務に、留学生を従事させた時点で違法なのです。

l  入国管理法73条の22項は、「知らないことを理由として・・・処罰を免れることができない」と明記しており、「上限時間があるとは知らなかった」とか「ラブホテルで働けないとは知らなかった」と主張したところで、何のディフェンスにもなりません。正社員であれ、アルバイトであれ、外国人を雇うときは、まず、入国管理法を正しく理解することが重要なのです。
ベッドルーム, ホテルのお部屋, ホワイト, 寝具, 壁の芸術, 宿泊施設
【Timely Report】Vol.200(2018.7.10)より
転載詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  菅義偉官房長官が「留学生の希望者の大部分が日本で働ける制度をつくるため、業種の幅をさらに広げるような在留資格をつくりたい」と宣言し、最近頑なな運用になっている「技術・人文知識・国際業務」の運用が緩和されるのか?と思いきや、月給25万円以上で日本語を使う職場で働く「本邦大学卒業者」という「特定活動」を新設することで決着しそうです。

l  日本経済新聞によれば、初任給25万円以上の会社は、日本全国で89社しかありません。資生堂(215,000円)やセブン&アイ・ホールディングス(207,000円)やトヨタ(206,000円)ですら対象外。パナソニック・日立・富士通(211,500円)もOUTです。ロイヤルホテル(192,000円)は失格でしょうし、近畿日本鉄道やベスト電器(190,000円)ではお話になりません。

l  これで「就労支援」は無理でしょう。審査官によっては、「『技術・人文知識・国際業務』は、『本邦大学卒業者』ではないから、資格外活動の現場研修は認められない」と勘違いされてしまうかも。それにしても、菅官房長官ですら、煙に巻いて屈服させてしまう入管官僚というのは大したモノです。

法, 書籍, 法的, 裁判所, 弁護士, 裁判官, 正義, 法律の本
【Timely Report】Vol.245(2018.9.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 
外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  大阪市の観光系専門学校「日中文化芸術専門学校」は、2017年時点で定員(418人)超えの560人が在籍。今年5月には580人に達しました。「主に日本人が対象」「留学生は一部」とし、府の認可を受けて3年前に開校したのですが、蓋を開けると95%が留学生。大阪府が是正を求めても対応が鈍く、業を煮やした大阪入管が「定員超過を認めない」と通告。7月以降に期限切れとなった同校の留学生は資格更新ができなかったと報じられました。

l  この専門学校は、昨秋から一部の行政書士の間で噂になっていました。というのは、この学校の卒業生が「技術・人文知識・国際業務」等への在留資格変更を申請してもことごとく不許可。理由を聞くと、「この学校は学校じゃない。審査に値せず」と公言した審査官もいたほどでした。

l  ただし、ちょっと気になるのは処罰の対象。この学校が罰せられるのは当然だと思いますが、実際に実害を被るのは留学生です。入学前に「定員超過」だと知っていた留学生はさすがにいないでしょうから、間違って筋の悪い学校に入学してしまっただけで、彼らを罰するのはかわいそうな気がします。
学生, 大人, アジア, コンピュータ, 友人, 友情, 女の子, 幸せ
【Timely Report】Vol.257(2018.9.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 
外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ