l  「偽装留学生」という言葉が流布しています。人気ドラマでも取り上げられ、「みんな困っています。みんなです。生徒の8割は留学生という名の出稼ぎ、偽装留学生です」という台詞が台本に載るようになりました。

l  「偽装留学生」という言葉に相応しい留学生がいることは否定しませんが、証拠を示すことなく、「留学生≒偽装留学生=出稼ぎ」と決めつけて報じる姿勢はいかがなものかと感じます。この類の記事に疑問を感じたのは、就活中の外国人に「残業」について尋ねたら、「たくさんしたい」という回答が15%前後に過ぎなかったという事実に出遭ってからでした。無論、母体集団の偏りという問題はあるかもしれませんが、傾向は半年以上変わりません。

l  母国への仕送りに関するアンケートを実施すると、母国に仕送りをしている者は4割弱にすぎず、10万円以上の送金は1015%に過ぎないこともわかりました。逆に母国から仕送りを受けている外国人は4割程度もおり、中には、母国から仕送りをもらいながら母国に仕送りしている外国人も一定数います。偽装留学生は、せいぜい2~3割なのではないかという感じがします。

【Timely Report】Vol.712(2020.8.21)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


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