全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:法務省

l  上野宏史議員の口利き疑惑が報じられてから、新聞の切り口は「斡旋利得罪」の一本槍。確かに「斡旋利得処罰法」は、国会議員が、特定の者に対する行政庁の処分に関し、①請託を受けて、②その権限に基づく影響力を行使して、③公務員にその職務上の行為をさせるように斡旋をしたことの報酬として財産上の利益を収受したときは、3年以下の懲役に処することとしています。

l  しかし、①請託については、議員・ネオ社・法務省の全員が認めていませんし、②権限に基づく影響力というのも難しく、③金銭の授受は議員とネオ社が否定していますから、上野議員が「違法な口利きも金銭を受け取った事実もない」とし、審査状況を法務省に照会しただけと言い張れば、立件は困難。

l  この間、ネオ社の入管法違反はどこも追及せず。要するに、当事者の法務省が「個別の事案にはお答えできない」の一点張りで、情報が取れないので何も書けない。いつも入管のレクだけで記事を書いているのがバレバレ。条文を読まず、実態も知らずに、大本営発表を垂れ流すばかりだから、本当の取材が何もできない。新聞に入管法を語る資格はないと思います。

【Timely Report】Vol.545(2019.12.4号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:政治家の口利きでビザを許可する?」も参考になります。


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l  1019日、法務省は、帰国が困難な外国人留学生などに対して、卒業の有無や時期を問わずに、在留資格を「特定活動(6ヶ月)」の対象とすると発表しました。今までは、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、大学や専門学校等を卒業したものの、帰国が困難な外国人留学生に関しては、「特定活動(6ヶ月)」を許可していました。今回法務省は、外国人留学生の帰国が困難な状況がこれからも続くことを考慮し、留学生の卒業の有無や時期を問わずに「特定活動(6ヶ月)」の対象とすることとしたのです。

l  今春に「特定活動(6ヶ月)」をもらった人たちの在留期限が迫っていたので、発表を聴いて安堵した留学生も少なくないと思います。しかも、今回は、除籍・退学となった場合も対象となるという気前の良さ。

l  とはいえ、就職の道は狭い。大卒内定者の数が前年より1割以上削減される中、内定取消も散見されます。来春卒業する留学生の内定率は、現時点でも2割に届かないなど、厳しい現状が短期間で好転するとは思われません。とにかく早く内定を獲得して、就労ビザへの変更を申請することが望まれます。

【Timely Report】Vol.742(2020.10.30)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  来年度から、日本政府が、大学への留学生や外国人研究者らにビザを発給する際、経済安全保障強化の観点から審査を厳格化する方針を固めた、という報道がありました。米国・豪州・英国は、中国が留学生を利用して組織的に外国技術の獲得を狙っているとして警戒を強めており、中国人スパイの排斥に乗り出しています。その動きが日本にも伝播してきました。

l  外務省は来年度予算の概算要求で、審査厳格化の関連事業に2.2億円を計上。国家安全保障局・外務省・法務省・経済産業省・防衛省で「疑わしい人物」に関する情報を共有し、ビザ発給業務を担う在外公館でも活用できるシステムを構築し、発給の拒否を検討できるようにするといいます。

l  「留学生30万人計画」を達成した文科省は、マスコミにおいて偽装留学生キャンペーンが展開される中で、東京福祉大問題が発覚したため、新しい留学生政策を打ち出すことができず、留学ビザは厳格化の一途。留学生受入校は新型コロナで軒並み痛手を負っていますが、ここでさらなる厳格化が実行されることにより、来春にかけて凍死する学校が急増する可能性もあります。

【Timely Report】Vol.734(2020.10.12)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  三菱自動車・日産に続いて、日立でも、技能実習生が「資格外活動」を行っている疑いが発覚しました。「外国人技能実習機構」は、技能実習適正化法に違反している可能性があるとみて検査に入ったと言いますが、これで厳しい処分が出ないとすれば、留学生アルバイトが週28時間を超過しただけで、逮捕や書類送検の憂き目に遭っている経営者や店長がかわいそうすぎます。

l  こういう輩を懲らしめるために、既存の「国際研修協力機構」とは別に、わざわざ新設したのが「外国人技能実習機構」。組織を維持するために、年間35億円もの税金を投入しています。理事長の年俸は1800万円で、理事は1600万円。監事も1500万円の高給を懐に入れています。職員も負けていません。課長だと平均940万円で、課長補佐でも830万円。常勤職員の平均給与が790万円だというから高給取りの職場です。

l  法務省や入管の美味しい天下り先を増やすためだけに創ったのだとしたら、言語道断。串カツだるまやラーメン一蘭以上の厳しい処罰が、三菱自動車・日産・日立に下されなければ、摘発に遭った経営者たちは納得できません。
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【Timely Report】Vol.235(2018.8.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  326日、文部科学省は、留学生700人が行方不明になっている問題で、法務省と連携して、東京福祉大学に立ち入り調査を行いました。また、同月29日には、全国の大学に対し、除籍者・退学者の「理由」についても報告を求めました。東京福祉大は、「本来なら大学合格が難しい、成績が悪かった学生を研究生制度によりたくさん救ってきた」と主張しましたが、柴山文部科学大臣は、「留学生の在留期間を延ばすため名目上、研究生として受け入れているのではないか」と一蹴。関係者は、文部科学省や法務省がどのような処分を下すのか、固唾をのんで見守っています。

l  ただし、日本共産党の国会議員が「これは東京福祉大だけの問題ではない」と喝破したとおり、他の学校も同様の事情を抱えています。今後、日本語試験の結果が悪い日本語学校は、ビザの取得が厳しくなる「不適正校」に振り分けられるわけですが、大学や専門学校の入学に関しても、日本語チェックが厳格化されるかもしれません。専門学校や大学の入学には、「N2」を求めるのが大原則だからです。でも、そうなったら、潰れる学校が続出します。

【Timely Report】Vol.403(2019.5.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  201647日、法務省は、東京オリンピックに触れながら、地方入管局長に対して、「我が国社会に不安を与える外国人の効率的・効果的な排除に、具体的かつ積極的に取り組んでいく」という文書を送付しています。来日する選手やコーチなどの9万人がオリンピック後に帰国することを考えれば、「帰国困難だけど、来日してください」と言えるわけもなく、入管は、5月~6月の間に、「帰国困難ではない」という判断を下すでしょう。

l  帰国困難者に対する「特定活動(就労可・6ヶ月)」が導入されたのは、昨年520日であり、同月に日本を出国した外国人は16,875人にすぎません。しかし、今年3月に日本を出国した外国人は37,134人で、2.2倍に達しており、「帰国困難である」と認識されていなかった昨年4月(29,566人)の水準を上回っています。この在留資格は、「新型コロナウイルス感染症の影響で、帰国ができない外国人に対する緊急措置」にすぎず、出国状況を把握している入管がいつ止める」という判断を下しても、全くおかしくありません。

l  これからは、「帰国困難」から「在留困難」にフェーズが大きく変わります。

【Timely Report】Vol.8072021.5.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  在留資格の申請手続においては、企業等による代理申請しかオンライン申請が認められていません。そこで法務省は、2021年度中に個人がパソコンやスマートフォンから申請できるようにするようです。「より便利にするとともに、受付窓口の混雑を和らげ、新型コロナウイルスの感染拡大も防ぐ」というのですが、本当にユーザーのためになる改革なのかは大いに疑問です。

l  確かに、いまは外国人が在留資格を変えたり更新したりする場合、申請行政書士等に依頼しない場合は入管に出向く必要があり、最悪の場合、申請待ちに数時間かかるときもあることは事実です。しかし、入管申請に関する最大の不満は、待ち時間ではありません。申請後の審査状況が分からないことや、審査官の恣意的な理由で不許可になることがあるということです。

l  オンラインで申請できるようになったところで、その後の申請状況がわからず、待たされるだけ待たされてから納得できない理由で不許可になるというのでは改善されたとは言えません。すでに認められている企業等によるオンライン申請が数%しかないという事実が現実を雄弁に物語っています。

【Timely Report】Vol.7912021.3.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  東京入国管理局が、留学生の在留資格審査を厳格化しはじめました。今年の4月期は77.7%が許可されましたが、10月期は65.6%の交付に留まった模様です。国別にみると、バングラデシュが58%から3%へ、スリランカが51%から3%へ、ネパールが48%から8%へ、ミャンマーが74%から20%へと激減しています。日本語学校は、今年8月711校にまで急増し、10年前の1.8倍になりましたが、突然の交付激減に、経営不振に陥る日本語学校が出かねない勢いです。東京入管は、「違法な労働に携わる留学生がいるため、審査を慎重に行った結果だ」と説明していますが、日本語力や学費の支払い能力を証明する書類に関する偽造が疑われたという見方もあります。

l  法務省は10月から、「日本語学校」の設置基準を厳しくしたばかり。留学を名目とした就労目的の来日を防ぐのが狙いで、留学生が学業に専念できるよう1年間を通じて授業を開講することを義務付けたり、校長が複数校を管理する場合は副校長の任命を求めるなど規制を強化しました。「特定技能」の入口ができる一方、「留学」の窓口は狭まりそうです。
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【Timely Report】Vol.294(2018.11.22)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  828日、人材派遣会社ネオキャリアが申請する外国人労働者の在留資格を巡って法務省に口利きしたという報道を受けて、上野宏史衆議院議員が、厚生労働省政務官の職を辞しました。非難の矛先は上野議員に向かっていますが、政治家から要望があったとしても、法務官僚は「適切に処理しておきます」と言うだけで、指示を実際に現場に下すことはないでしょうし、入管実務の実態としても、上から言われたからと言って、現場が早く処理することは考え難いところ。法務官僚に迫ったところで、「政務官からは、法律に基づいて適切に処理するように依頼はあったが、特別な対処をお願いされたことはない」と答えるだけですから、それ以上の追及は困難です。

l  一方、もしネオキャリアが、「技術・人文知識・国際業務」が許可された自社の社員を、顧客である飲食店やドラッグストアに派遣していたとすれば、入管法違反の可能性が濃くなります。また同様に、派遣先である飲食店やドラッグストアも、不法就労助長罪を問われる可能性が出てきます。政務官辞任で終幕となるのか、ネオキャリアまで矛先が向かうのか、目が離せません。

【Timel
y Report】Vol.530(2019.11.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
入管法違反:政治家の口利きでビザを許可する?」も参考になります。

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l  散々揉めた挙句に成立した改正入管法ですが、じつは、外国人労働者の受け入れ拡大に対して、担当省庁の法務省が反対しているという噂があります。「法務省は法案成立に積極的でない」「法務省内部では拒否反応が強い」「法務省が改正案に反対だ」「法務省は、規制は大好きだが緩和は嫌いだ」「外国人労働者拡大に反対してきた役所が旗振り役になったのが間違いだ」など、耳を疑うような内容です。実際、69名もの外国人実習生が亡くなっていたという悲惨なデータが参議院で明らかになったのは、改正案の成立を邪魔したいと願う法務省内からのリークという説まであるようです。

l  では、なぜ改正案を担いだのかというと、本来であれば、内閣府の傘下になるはずだった「出入国在留管理庁」を法務省に与えたから。局が庁に格上げされ、次官級の「長官」に加え、次長や審議官といったポストが新しく増えるだけでなく、大幅な増員も可能になるという「アメ」のために、反対だった入管法改正を吞んだというのです。確かに審査の現場では、不許可の乱発に加えて、在留資格の取消が急増しており、緩和ムードの欠片もありません。

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【Timely Report】Vol.321(2019.1.7)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:共生は自治体に丸投げする?」も参考になります。


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l  東京行政書士会によれば、法務省は、入管への申請取次を登録支援機関に認める方針のようです。現在でも、企業や学校には、外国人社員や留学生に係る申請取次を認めているので、「登録支援機関には認められない」という理屈は見出し難く、そもそも行政書士の資格試験に入管法が入っていない以上、「行政書士は入管法の専門家だ」と主張するのも気が引けます。現実問題として、入管法に詳しくない申請取次行政書士が多数存在していることも事実ですし、東京行政書士会は、少数の仲間内で既得権益を独占するために、我流の解釈を振り回してきた張本人ですから、「高度な出入国管理及び難民認定法に精通する法的素養」などと主張するのは片腹痛い限りです。

l  入管法に関する最近の摘発事例や判例を会員に解説したり、実務上の留意点を研修することすらせず、試験に合格したばかりで顧客開拓に苦しんでいる行政書士を助けることもしないくせに、バカ高い登録費用を取り、毎月会費を徴収するのが東京行政書士会。要するに、「熾烈な価格競争」が嫌なだけ。本当に「高度な法的素養」の持ち主であれば、恐れることなどないのでは?


【Timely Report】Vol.370(2019.3.19)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  入管庁は、日本で暮らす外国人が持つ在留カードの偽造をスマートフォンで簡単に見破れる専用アプリを開発します。そのアプリがあれば、カードに内蔵されたICチップのデータを読み取って、カード表面に記載された氏名や在留資格と一致するかどうかを瞬時にチェックできるようになります。

l  カードを傾けると絵柄の色が変わるとか、文字の白黒が反転するとか、暗い場所で強い光を当てると文字が透けるなどの見分け方はあるのですが、実務上瞬時に判別するのはかなり微妙です。しかも、偽造技術が高度化して、法務省HPでのIDチェックをパスしたり、ホログラム加工が精巧に模されるなど、素人が見破ることはどんどん困難になっていたため、抜本的な対策が待たれていました。これまでのところ、どんなに精巧な偽造カードでも、ICチップにカードと同じデータが内蔵されたケースはなかったようです。

l  偽造カード所持や行使による検挙件数は、2018年は620件と前年の1.6倍となり、2019年も大幅増だとみられています。2020年中の導入を目指す入管庁の画期的な試みに対して、惜しみない拍手を送りたいと思います。

【Timely Report】Vol.635(2020.4.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管行政:「偽装留学生」を煽った結果は?」も参考になります。
異論・反論大歓迎ですので、是非、下記のコメント欄に、コメントをお寄せください。

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l  「技能実習」の延長線上に「特定技能」を設計した時点から危ぶまれていたことではありますが、法案審議の中で「技能実習」の筋悪さが際立ってきました。しかし、不可思議なのは、「技能実習」における労働基準法違反は責め立てるのに、「技能実習法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)」違反を咎める声がないということです。

l  技能実習法第9条第1号は「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」と明記しています。また、技能実習法施行規則第10条第2項第1号のイは、「同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと」を「技能実習の内容」の要件にしています。

l  しかし、「技能実習」のほとんどは、同一の作業の反復のみによって修得できる技能であり、母国でも修得可能な代物。試験制度によって誤魔化してはいますが、インチキな実態は関係者全員が熟知しています。法務省からすれば、「それは所管官庁に聞いてくれ」という逃げの一手なのでしょうが、こんなあからさまな法令違反を黙認しながら「法務省」とは恐れ入る限りです。
ルール, 圧力, スタンプ, 文句を言わない, 由来します, カスタム, 伝統
【Timely Report】Vol.305(2018.12.7)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
技能実習の膨張が歪みを生む!!」も参考になります。

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全国外国人雇用協会では、下記のセミナーを開催いたします。奮ってご参加ください。

日時:2020年1月27日(月)15:30~17:30
場所: 東京都千代田神田須田町1-28 タイムビル3F

講師:長尾敬 衆議院議員(前内閣府大臣政務官)
・衆議院厚生労働委員会理事・自民党厚生労働部会長代理
・「デフレを脱却し、生活に安心と安全を実感できる日本」を目指しつつ、「領土・領海を守り、国土の上に生活する国民の財産と命を守る」を信条とする。実践派として知られる保守の論客。

費用:10,000円(協会会員は無料)

2019年4月に、法務省入国管理局は、「出入国在留管理庁」として、格上げされ、外国人との共生をとりまとめる「司令塔」として、大いなる活躍を期待されて船出したが、鳴り物入りで新設された「特定技能」は、半年を経過しても見込み人数の1%程度という体たらく。その一方で、問題山積の「技能実習」については、監理団体を含めて大胆なメスが入っていない。

また、企業からの期待が高かった「特定活動(本邦大学卒)」には、「日本語試験N1」という極めて厳しい条件が付与され、「クールジャパンビザ」はいつの間にか先送りになり、「技術・人文知識・国際業務」における「現場研修」の拡充についても、際立った進展が見られていない。

この出入国在留管理庁の現状を、自由民主党において、日本の領土・領海を守る「保守の論客」として知られる長尾先生は、どのように見ているのか? 外国人受け入れに対して、「日本を守る」という立場から、厳しくも暖かい正論をぶつける長尾先生の本音を熱く語っていただきます。

l  8月下旬に、上野宏史前政務官が、ネオキャリアが申請する外国人労働者の在留資格を巡って法務省に口利きしたという週刊誌の報道があったものの、当事者として巻き込まれてしまった法務省が情報を全然流してくれないため、マスコミ各社は、ネオ社を追及することができませんでした。

l  報道によれば、ネオ社は、申請した外国人の一覧を上野氏側に送付したことを認めていますし、上野議員もネオ社の申請状況を法務省に確認したと説明していますから、ネオ社が飲食店やドラッグストア向けの派遣社員に関して、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定を申請していたことは事実である可能性が高く、入管法違反の公算大なのですが、常日頃、大本営発表を垂れ流すだけのマスコミが、自らの力で立件するのは無理だったのでしょう。

l  そんな中、関西電力の金品受領事件が浮上しました。何しろ金額が大きいし、小判まで出てくるという破格の面白さ。これで、ネオ社の入管法違反疑惑件はお蔵入りになる公算が濃くなりました。ネオ社の逃げ切り勝ちです。本当に運がお強い。ネオ社は、関西電力に感謝状を贈るべきだと思います。

【Timel
y Report】Vol.561(2019.12.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「上野政務官とネオキャリア:派遣先もヤバい!」も参考になります。


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l  「日系4世ビザ」は、懸念されたとおりになりました。制度導入から約1年経ったのに、在留資格を得たのは43人(6月17日時点)で、法務省が喧伝していた4000人の約1%。サンパウロの人材企業では、「条件が厳しすぎて申請者が少なく、4世の募集はしていない」と打ち明けます。日本語能力の資格や家族の帯同を認めていない点などが敬遠された理由です。

l  このままだと、「特定技能」も同じ結末を辿る公算大。申請してみると分かりますが、必須となっている書類がやたらと多く、誓約書等に必要な申請人・受入企業・支援責任者の署名も20近くに及びます。「技術・人文知識・国際業務」しか経験していない企業は、申請作業だけで疲れ果ててしまうでしょう。それに加えて、許可された後には、3ヶ月に1度の法定報告(罰則規定あり)や協議会での調査協力があるので、負担が並大抵ではないのです。

l  机上の空論だけで組み立てた在留資格は、申請人や受入企業から幅広い支持を得ることができません。「特定技能」は初年度に32,800~47,550人を見込んでいましたが、数百人で終わると思っておいたほうがよさそうです。

 【Timely Report】Vol.480(2019.8.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「特定技能:大山鳴動して鼠一匹なのか?」も参考になります。


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l  3月12日、14カ月にわたり東京入管に収容されているクルド人の難民申請者が体調悪化を訴えたものの、入管は何ら対応せず、心配した家族が呼んだ救急車を2度も追い返すという事件がありました。過去に必要な診療を受けさせずに、収容者を死亡させた事例があるだけに、批判が高まっています。

l  この問題の根が深いと感じざるを得ないのは、加害者である入管の責任官庁が、人権擁護を担当している法務省だという喜劇的な事実です。基本的人権を守る役割を担っている官庁が、人権を無視しているのなら、外国人に限らず、日本人の人権も守ってくれないでしょうし、そんな人たちが運営する法治国家が想定するのは、「人権を守るための法令遵守」ではなく、「お上が思い描く秩序を維持するための規則遵守」に過ぎないからです。

l  収容所での外国人に対する人権無視は、日本人にも無関係ではありません。それは、有罪未確定の容疑者に対する人質司法と同根であり、庶民を慮る心がない官僚主義と表裏一体の関係にあります。そんな法務省が、「特定技能」では、企業に人権擁護を強制するのですから、苦笑せざるを得ません。

【Timely Report】Vol.389(2019.4.15号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  426日、法務省は、「出入国在留管理基本計画」を発表しました。入管政策の指針となる重要な公文書なのに、報道各社のコメントがほとんどないのは、分厚くて読みたくないからなのかもしれません。

l  じつは、基本計画には、「特定技能外国人の受入れに関する審査に当たっては,受入れ機関における社会保険制度上の義務及び納税義務の履行状況を確認することとし,一定程度滞納等をした受入れ機関については特定技能外国人の受入れを認めないこととする。さらに,特定技能外国人が国民健康保険・国民年金の保険料を一定程度滞納したり,所得税等について自己の責めに帰すべき事由により一定程度滞納している場合は在留資格変更許可申請や在留期間更新許可申請を不許可とする」「その他の在留資格を有する外国人についても同様の措置を講ずることを検討していく」と明記されています。

l  要するに、早晩、「特定技能」だけでなく、すべての在留資格を審査する際に、税金と保険料の支払いが確認されるようになることを意味しています。外国人を雇用している雇用主は、今から対応策を講じておくべきです。

【Timely Report】Vol.398(2019.4.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「杉並外国語学院」と名乗る日本語学校が、ベトナム人から学費等を受け取り、行方をくらますという詐欺事件がありました。被害者は66人に上り、被害額は1人当たり約100万円。ベトナムの平均年収は約30万円と言いますから、被害者のショックは甚だしいはずです。法務省の認可を受けておらず、学校運営にも実態がなく、HPも盗用など、本当にヒドイ事件ですし、技能実習生に関する人権侵害についても、是正すべき点が多々あります。

l  ただ最近気になるのは、事実の裏付けを取ることなく、外国人サイドの主張だけを取材して、「悪い企業に搾取されている可哀そうな外国人だ」というストーリーを垂れ流す記事が増えていること。トラブルになっている当事者の見解が食い違うのは当たり前で、「報道機関」を名乗るのであれば、双方の主張を掲載すべきなのですが、公正な報道が期待できない場合、外国人を受け入れる企業のリスクは倍増します。しかも、「特定技能」では、外国人と企業のどちらの「責に帰する事由」なのか、が問題となる事案が増える筋合い。従来以上に、自ら事実を立証する体制が求められます。

【Timely Report】Vol.407(2019.5.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  4月1日、法務省の外局として「出入国在留管理庁」が発足しました。外国人労働者の受け入れ拡大を推進する中で、司令塔的な役割が期待されています。山下法務大臣は開庁式で、「共生政策はわが国の将来像にも影響を与える重要なもの」と激励し、記者会見した佐々木長官は、「新しい時代に外国人との共生という、新しい社会をつくっていく」と意気込みを語りました。

l  ところが法令を見ますと、入管法第1条は、「本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」から、「本邦に入国し、又は本邦から出国する全ての人の出入国及び本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とする」に改定されただけですし、法務省設置法第28条には、「出入国在留管理庁は、出入国及び外国人の在留の公正な管理を図ることを任務とする」としか書かれていません。つまり、「出入国管理在留庁」の役割は、「管理」であって、「共生」などではないのです。リップサービスに騙されてはいけません。

【Timely Report】Vol.401(2019.5.9)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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