全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:日本語教育

l  5月下旬、「特定技能」に係る試験結果が続々と公表されました。外食業の技能試験では347人が合格(合格率75.4%)。宿泊業でも280人が合格し(同71.6%)、介護でも84人の合格者が出ました(同74.3%)。業界では、特定技能に特化したマッチングサイトを開設したり、日本語教育やトレーニングセンターに商機を見出すなど、一部で盛り上がりを見せています。

l  しかし、これらはすべて、外国人個人に対する必要条件に焦点を当てた試みにすぎません。じつは、「特定技能」は、従来の在留資格とは異なり、外国人個人の審査ではなく、受入企業のチェックに重きを置いた構造になっています。技能試験や日本語試験は、個人によほどの問題がない限りパスできますが、受入企業に課せられる条件やリスクやコストがやたらと重たいのです。現状のままで円滑なマッチングが実現するとは到底思えません。p34p38

l  昨年7月に始まった日系4世の受け入れ事業は、実態を無視した設計だったため、4000人の枠に対して来日4人の体たらく(昨年12月時点)。「特定技能」も、「大山鳴動して鼠一匹」という結末にならなければよいのですが・・・。

【Timely Report】Vol.445(2019.7.10号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  昨年1129日の参議院法務委員会で、山下法務大臣は、受け入れる外国人労働者に関する日本語教育や研修などの費用について、「外国人に直接、間接に不当に負担させてはならないと法務省令で規定する」と断言しました。実際、公表された省令では、「一号特定技能外国人支援に要する費用について,直接又は間接に当該外国人に負担させない」と明記されています。

l  マスコミにおいても「利益得るのは企業、なら責任を」とか、「外国人労働者を雇う企業に行政コストを負担させるべき」などという論調が目につきます。確かに「受益者負担=利益を得た者が負担すべき」という大義名分を持ち出されると、「それもそうかな」という感じもします。

l  ただ解せないのは、「受益者負担」を叫ぶ論者の一人は大学教授なのですが、外国人留学生の大量流入で利益を得た大学等の「受益者負担」について全く触れていない点。外国人留学生を受け入れた学校は、直接、入学金や学費をもらっているのですから、真っ先に「受益者負担」を負うべき立場でしょう。大学が先頭を切って「受益者負担」を申し出れば、企業も応じるのでは?

【Timely Report】Vol.365(2019.3.12)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は約34千人で、この10年で1.5倍に増えたといいます。日本語でコミュニケーションできなければ、日本で生活するのに不自由するのは当たり前なのですが、現時点において、「外国人に対する日本語教育」に関する法律はありません。

l  そこで、超党派の議員たちが、この国会で「日本語教育の推進に関する法律」を成立させようとしています。大変結構なことだとは思いますが、国がしっかりとやってくれるのかと思ったら、その第6条には、「外国人等を雇用する事業主は、基本理念にのっとり、国又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策に協力するとともに、その雇用する外国人等及びその家族に対する日本語学習の機会の提供その他の日本語学習に関する支援に努めるものとする」と書かれています。要するに、「国は方針を決めるから、その費用とかは雇用企業が持ってくれ」という話。改正入管法でも、雇用企業は「生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること」が義務付けられていますが、何でもかんでも企業に押し付ければよいと考えているようです。
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【Timely Report】Vol.355(2019.2.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:受入コストは誰が負担する?」も参考になります。


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l  北海道士別市の「しずお農場」では、経営者自らベトナムに赴き、実習生候補の面接を行ないました。その結果、給料のピンハネや斡旋料を取られないからということで3人の募集に150人が殺到し、優秀な若者を採用できたと言います。さらに、日本語検定合格による昇給制度を導入して、日本語能力を磨かせるだけでなく、賃金を日本人並みの20万円に設定しました。ある評論家は、これを「ドイツ式」として称賛し、「しずお農場」で働く実習生は単なる労働力ではなく、企業の発展に欠かせない重要な戦力になっており、この大成功を他企業も真似したほうがよいと推奨しています。

l  その評論家は、「待遇は日本人と同じ条件で、日本語教育を充実させる。こういった施策の上で、永住権の取得条件を緩和する」と説くのですが、そういう想いであれば、わざわざベトナムに行って、帰国条件が付く技能実習生を採用するより、すでに日本にいる留学生を「技術・人文知識・国際業務」で雇えばよいだけ。「技術・人文知識・国際業務」に関して、時に偏狭な判断に傾く入管審査を正常化させるだけで、「しずお農場」が全国に誕生します。
アップル, 果樹園, リンゴの木, 赤, 緑, はしご, 収穫, 自然
【Timely Report】Vol.123(2018.3.19)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
「技能実習」は法令違反だ!」も参考になります。

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l  入国管理法改正案を巡り、外国人住民の多い太田市や大泉町など全国15市町で作る「外国人集住都市会議」は、山下法務大臣宛てに多文化共生の推進を求める意見書を提出しました。「生活者としての支援」という視点から、日本語教育の支援、社会保険の加入促進、共生を推進するための「外国人庁」の設置などを求め、「外国人は労働者であるとともに生活者であることが十分に認識されない中、中長期的な共生施策を伴わない外国人材受け入れは地域社会に大きな混乱を招く」と警告しています。

l  「人(外国人労働者)を入れて終わりにされると、尻ぬぐいをするのは我々(自治体)。かかるコストは市民の税金。入れた人(国)が尻までぬぐうのが筋だ」と主張し、「どのぐらいの規模で新たに外国人がうちの自治体にくるのか。報道で断片的に情報は入っているが、何も提示されていない中で、国に先んじて準備を進めることはできない」と愚痴をこぼしたくなる気持ちも分かります。スカスカの法律を通し、政省令は「入管に丸投げ」で、共生施策は「自治体に丸投げ」というのでは、近い将来、混乱するのは必至です。
市庁舎, 建物, ホール, ロサンゼルス, 政府

【Timely Report】Vol.302(2018.12.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
野党は『特定技能』に反対?」も参考になります。


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