全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:技能習得

l  96日、入管庁は、配電盤等を作る「電気機器組み立て」の技能習得のため働いている実習生に、新幹線の窓枠を作る作業等をさせたとして、日立に対し改善命令を出しました。「資格外活動違反」ではなく、「計画外作業指示」という解釈にして減刑した感じです。そもそも技能実習制度は、「技能実習は国際貢献だ」(技能実習法第1条)という真っ赤な嘘を土台にして、「修得等をさせる技能等が、技能実習生の本国において修得等が困難なものであること」(技能実習法第9条第1号)という大嘘までついて、しかも、「同一の作業の反復のみによって修得等できるものではないこと」(技能実習法施行規則第10条第2項第1号イ)という空想までトッピングした筋悪制度。

l  日立は、今回、その「真っ赤な嘘」と「大嘘」と「空想」で創り上げた大きな枠組すら大きく逸脱してしまいました。その日立に対してすら、改善命令程度なのなら、留学生アルバイトを週28時間超働かせてしまったラーメン一蘭に対しても、「資格外活動違反」ではなく「時間外作業指示」と解釈して減刑し、警察から「厳重注意」すればよかっただけなのでは・・・。

【Timely Report】Vol.541(2019.11.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。


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l  日立システムズが、外国人を雇用する企業に向けて、「外国人雇用管理サービス」を20202月から提供開始します。本サービスにより、日々の煩雑な就労管理工数を削減するとともに、手続きの抜け漏れを防ぎ、出入国管理法や労働関係法令に基づいた適切な管理を実現できるという触れ込みです。

l  なかなか気の効いたブラックジョークです。日立と言えば、配電盤等を作る「電気機器組み立て」の技能習得のため働いている実習生に新幹線の窓枠を作る作業等をさせたり、実習生の必須業務であるプリント基板の作業を外注してしまったり、外国人に対して日本人と同等の賃金を支払わなかったことなどにより、改善命令を出されたグループです。日立のシステムで法令遵守ができないことは明々白々なのに売るというのですから、相当の厚顔無恥。

l  本来ならば、「資格外活動違反」で逮捕や罰金になってもおかしくないところを、「計画外作業指示」という解釈で和解して「改善命令」という処分で凌いだ実績こそが売り物。販売すべきは、法令遵守の役に立たないシステムではなく、減刑を勝ち取る「政治力」なのではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.622(2020.3.31号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「技能実習:日立は「計画外作業指示」で減刑?」も参考になります。
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