全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:技能実習

l  介護分野の技能実習における日本語要件が緩和される模様です。介護は201711月に技能実習の対象に加わりましたが、➀入国時にN4の合格が必要で、②2年目に入る際にN3の合格が義務付けられていたため、人気が集まらず、昨年10月末時点の来日者数は247人に留まっていました。この状況に危機感を覚えた日本政府は、技能評価試験に合格した場合、➀日本語を継続的に学ぶ意思を表明し、②介護の習熟のために必要な日本語を学ぶ、という条件を満たせば、N3の合格を義務付けないことにしました。

l  「特定技能」がN4なのですから、臨機応変で実務的な対応だと評価してよいと思います。そもそも不足しているから呼び寄せるという現実対応の施策だったのですから、来日しないのでは全く意味がありません。

l  その点で再考すべきは、「特定活動(本邦大学卒業者)」におけるN1という日本語要件です。実務としては、N1でなくとも、N2保有者で現場経験が豊富であれば、間違いなく即戦力。人手不足の現場を本気で改善したいのであれば、介護で見せた臨機応変で実務的な対応が政府に求められるところです。

【Timely Report】Vol.375(2019.3.26)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  自民党が108日に公表した「自民党政策BANK 2021」は、今回の衆議院議員総選挙における選挙公約ですが、入管行政については「外国人の適正な出入国・在留管理を徹底しつつ、一元的相談窓口の設置など、多文化共生の実現に向けた受入れ環境を整備するとともに、技能実習制度及び特定技能制度の活用を促進し、中小企業・小規模事業者等の人手不足に対応します」という箇所のみで、ほとんど興味がないことが窺い知れます。

l  子細に見ても、「新規就農者の確保を推進するため・・・外国人材の確保と受入れを支援します」「本格的なインバウンドの回復に備え・・・戦略的な訪日プロモーション等に取り組みます」「日本に何度も来ていただける安心で魅力的なIRを創り上げます」という表記しかなく、政策として認識されているのは「技能実習の復活」と「観光振興」しかないと見てよいでしょう。

l  そうした中「留学」については冷淡です。「留学生」という言葉が一切なく、「特に問題のある大学には厳しく対応する制度導入等、大学改革に取り組みます」と明記。留学生関連業界には、厳冬の時代が到来したと見るべきです。

Timely ReportVol.8442021.10.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report



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l  相変わらず、技能実習に対する批判が根強い。支援者や弁護士たちは、被害者である技能実習生をマスコミの前に突き出し、可哀そうな事例を挙げては、「技能実習」という制度を批判し、すぐに撤廃すべきだと叫ぶ。

l  しかし不思議なのは、批判者たちが「技能実習機構」を活用しようとしないという点だ。「技能実習機構」は、技能実習法によって、「技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う業務」や「技能実習生が引き続き技能実習を行うことができるよう、技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うとともに、実習実施者、監理団体その他関係者に対する必要な指導及び助言を行う業務」を担うことが定められている。事実関係の調査や報告徴求や検査を行うこともできる。

l  さらに言えば、「技能実習機構」には「評議員会」という組織があり、「労働者を代表する評議員」も指名されている。技能実習機構や評議員に対して、被害者の救済を陳情し、彼らが陳情に対応しなかったことを批判するのが先だ。マスコミへのアピールを繰り返しても、被害者の救済にはつながらない。

【Timely Report】Vol.7492020.11.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」は、「技能実習」に代わる在留資格として新設されましたが、結局、「技能実習」の枠組に組み込まれる流れになってきました。

l  当初、入管庁は、「特定技能」では、送り出し機関を認めないとしていましたが、今年1月に、ベトナムから新たに特定技能の人を受け入れる事業者は、ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)から認定された送り出し機関との間で労働者提供契約を締結することが求められるとし、来日するベトナム人は、認定送り出し機関を通じて、DOLABから「推薦者表」の承認を受けることが必要になりました。2月央以降、日本の受け入れ事業者は、在留資格認定証明書の交付申請を行う際、認定送り出し機関から送付された「推薦者表」の提出も必要になります。じつは、カンボジアでは、20198月に、政府認定送り出し機関の介在が義務化されています。

l  今後、「技能実習」の送り出し機関は、「特定技能」の送り出し機関を兼ねるようになります。そして、「技能実習」の慣行を「特定技能」に移植していくと思われます。日本国内で「技能実習」を改革しない限り、改善は困難です。

【Timely Report】Vol.7762021.1.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」は、期待の大型新人でした。昨秋は、その指名を巡って、陳情合戦が繰り広げられたものです。ところが、導入から2ヶ月半経った今では、昨秋の熱気はどこへやら。数多くの企業が「様子見」に転じたような静けさです。特に、「技能実習」に慣れ親しんでいる企業では、「特定技能」に乗り換えるのではなく、「技能実習」を堅持する方針を固めたようにも見えます。

l  「外国人受入政策の司令塔を担う」と意気込んでいたはずの入管庁は、一般論を述べるか、「所管官庁に聞いてくれ」というだけで、具体的な施策に踏み込もうとしません。共生政策は自治体に丸投げし、外国人支援は登録支援機関にぶん投げて、自分は、風見鶏を決め込んでいる感じです。

l  直近2ヶ月間における「特定技能」の許可は、申請99件に対して24件だけ(変更許可44件/2件・認定許可55件/12件:531日時点)。「特定技能」において監理団体(2,565団体:65日時点)の役割を果たす登録支援機関の許可は617件(613日時点)しかありませんから、「技能実習」の勢力に肩を並べるには、来春まで待たなければならないのかもしれません。

【Timely Report】Vol.466(2019.8.9号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:大山鳴動して鼠一匹なのか?」も参考になります。

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l  「特定技能」を新設した入管法改正は、結局、外国人雇用の雰囲気を盛り上げて、「技能実習」を大幅に増大する結果になりました。201711月に施行された技能実習法では、優良企業(常勤職員41人~50人)の場合、受入可能人数を9人から60人に拡大しただけでなく、就労期間も最長3年から5年に延長。就労可能な職種も81種で、20年間で約20種増えています。

l  「特定技能だと逃げられますが、技能実習だったら、ウチが責任をもって逃げさせません」とセールスする監理団体も少なくありません。監理団体は、「特定技能」を邪魔することに必死です。この間、実習生は、働き手が集まりにくい業界で、地方を中心に就労するケースが激増していますし、様々な現場を支える重要な働き手として認識されています。

l  これに対し、入管庁は「特定技能」の受験資格を4月から大幅緩和します。観光客でも実習生でも失踪者でも、退学や除籍になった留学生でも、受験できるようになります。さらに経済産業省は、コンビニに対して「特定技能」の活用を示唆しました。果たして「特定技能」は巻き返せるでしょうか。

【Timely Report】Vol.639(2020.4.23号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入国・在留審査要領:コンビニは本当に単純作業?」も参考になります。
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l  「特定技能」は、今年度中に最大47,550人の許可が見込まれていましたが、12月6日時点で1,539人。見込みの3.2%に過ぎず、大山鳴動して鼠一匹。入管庁の担当者は、「新制度に対応する送り出し国の手続きがまだ整備中で、外国人への周知も十分ではない」と説明しますが、そういう言い訳でごまかしている間は、膠着状態が打開されることはないでしょう。

l  「技能実習」には問題が多いということで、「特定技能」には様々な規制が課せられました。しかし、肝心の「技能実習」に対しては、「特定技能」と同等の規制が課されていませんし、新設された「技能実習機構」が「技能実習」を改善するために大鉈を振るっている感じもありません。法令違反を犯した日立も改善命令止まりで、監理団体のフレンドニッポンは未だにお咎めなし。

l  入管は、「特定技能」を増やすために、「留学」という入口を一生懸命締め付けていますが、「技能実習」の入口を閉じようとする気配はありません。海外における「特定技能」の試験の合格率が低くても、延期されてもノーコメント。司令塔がなく一貫性や合理性がない入管政策には何も期待できません。

【Timely Report】Vol.609(2020.3.11号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:日本人の人口はもう増えない?」も参考になります。
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l  技能実習機構が、法令違反による計画不認可で99人を解雇した日立製作所ならびにグループ会社に対し、改善勧告や改善指導を行ったようです。必須業務とされる「プリント基板の作業」を外注し、「電子機器組み立て」の習得を目的とする実習生には必須業務をさせなかったというのですから、悪意のある法令違反。本来なら、刑事事件として扱うべき事案です。

l  確かに、技能実習機構は行政処分権限しか持っていませんが、警察や検察に委ねればよいだけ。ところが勧告や指導で手仕舞いですから、大企業は痛くも痒くもありません。通訳・会計目的で雇用していたネパール人4人に串打ちをさせた食肉加工会社「フードアシスト」は社長が逮捕され、送検されました。1,200人雇っていた外国人アルバイトのうち、たった10人に週28時間超の就労が発覚したラーメン「一蘭」は送検され、罰金刑に処されました。

l  大企業や名門企業なら行政指導で、中小企業や新興企業だと送検されるというのは、日本の悪しきお家芸。東芝の粉飾決算はセーフでしたが、ライブドアはアウト。法務省には、「法の下の平等」という大原則がないようです。

【Timely Report】Vol.367(2019.3.14)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
製造業派遣で資格外活動!!」も参考になります。

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l  11月18日、千葉県警は18日、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで人材派遣会社「ソシアリンク」の千葉営業所長ら同営業所の社員5人を逮捕しました。在留期限の切れたベトナム人で、しかも元技能実習生らを去年から先月にかけて市川市内の食品工場に派遣したというのです。

l  外国人派遣は入管法違反の塊ですから、本件自体は「さもありなん」という事件に過ぎないのですが、不可思議なのは報道内容。ソシアリンクの親会社は、東証一部上場の「わらべや日洋ホールディングス株式会社」というビッグネームなのに、報道には一切出てこない。記事では、「このような事態は極めて遺憾で、深くおわびする」とソシアリンクが言ったことになっていますが、その内容のプレスリリースを掲載したのはわらべや日洋のHPです。

l  ソシアリンクの派遣は6割が外国人で、この道20年のベテラン。それが、在留期間切れの技能実習生を派遣していたとなれば、他にも違反があるに決まっています。警察とメディアがわらしべ日洋とズブズブの関係でないのであれば、この事件は大きな違反事件の端緒に過ぎないはず。注目しましょう。

【Timely Report】Vol.751(2020.11.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  三菱自動車・日産に続いて、日立でも、技能実習生が「資格外活動」を行っている疑いが発覚しました。「外国人技能実習機構」は、技能実習適正化法に違反している可能性があるとみて検査に入ったと言いますが、これで厳しい処分が出ないとすれば、留学生アルバイトが週28時間を超過しただけで、逮捕や書類送検の憂き目に遭っている経営者や店長がかわいそうすぎます。

l  こういう輩を懲らしめるために、既存の「国際研修協力機構」とは別に、わざわざ新設したのが「外国人技能実習機構」。組織を維持するために、年間35億円もの税金を投入しています。理事長の年俸は1800万円で、理事は1600万円。監事も1500万円の高給を懐に入れています。職員も負けていません。課長だと平均940万円で、課長補佐でも830万円。常勤職員の平均給与が790万円だというから高給取りの職場です。

l  法務省や入管の美味しい天下り先を増やすためだけに創ったのだとしたら、言語道断。串カツだるまやラーメン一蘭以上の厳しい処罰が、三菱自動車・日産・日立に下されなければ、摘発に遭った経営者たちは納得できません。
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【Timely Report】Vol.235(2018.8.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」がなかなか普及しません。その背景には、「技能実習」の関係者なかんずく監理団体が「特定技能」に反対しているという事実があります。監理団体の立場に立てば、気持ちはわかります。「技能実習」であれば、毎月35万円の管理費を取れたものが、「特定技能」で外国人受け入れのための支援費として徴収したとしても毎月12万円程度でしょうから、収益的には半分以下になります。しかも、転職の自由もあるので旨味が少ない。

l  監理団体は、企業から入会費と年会費(各110万円)を徴収し、実習生1人当たり30万円程度の初期費用(紹介料810万円、入国前費用6万円、実習生の渡航費6万円、入国後費用1314万円)をもらうと言われています。入国前費用と渡航費は実習生が払っているので、実質的には監理団体の取り分になるほか、送り出し機関から謝金や賠償金(失踪等)をもらっていると言われています。その上に管理費が毎月入ってくるわけです。監理団体全体でいうと、月130億円以上・年1500億円以上もの収入があるという見方もあるほど。要するに、監理団体はビッグビジネスなのです。

【Timely Report】Vol.578(2020.1.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:登録支援機関は「開店休業」中」も参考になります。

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l  「技能実習機構は当てにならない」という意見が目立ちます。受入先で仕事がなくて技能実習機構に訴えたのに、「監理団体が次の仕事を探してくれるのを待ってください」と言われるだけだったり、受入先とのトラブルで駆け込んでも、「あなたにも悪いところがある」として、監理団体に問題の解決を委ねるという手抜きの対処が散見されるようです。

l  技能実習機構は実習生の保護強化の目的で新設された組織です。監理団体の許認可権を持ち、指導に従わない場合は許可を取り消すこともできます。それなのに、人員不足で実習生を保護できないのでは、意味がありません。

l  でも、それなら良い組織があります。今年7月に新設された「外国人在留支援センター(FRESC)」です。140名が働いているのに、相談件数は1日に100件しかないのなら、手持ち無沙汰のはず。実習生の問題は、FRESCに持ち込んで、受入先と監理団体と技能実習機構の調整役になって解決してもらいましょう。「それは技能実習機構に相談してください」と断るようであれば、高い家賃を払って、バカ高い四谷タワーに入居する意味はありません。

【Timely Report】Vol.753(2020.11.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  技能実習制度に絡んで、悪質ブローカーを糾弾する記事が絶えません。実習生たちの「奴隷労働」を産んでいるのは、200010000ドルなどの手数料を吹っ掛けるブローカーたちだと言うのです。確かに、監理団体が、途上国で実習生を集める送り出し機関から違法な謝礼を受け取るケースは、枚挙にいとまがないようですし、そうした環境の中で、「差し引き支給額マイナス20175円」と書かれた給与明細書に代表されるような惨状もあるようです。

l  仕事は「内装」のはずだったのに、建築現場での運搬作業や解体作業だったとか、田植えをやらされたなどの声も上がっています。しかし、仕事は「電子機器組み立て」のはずだったのに、洗濯機のふたにプラスチック製部品を取り付ける作業しかさせなかった日立やフレンドニッポンは、お咎めなしなのですから、この事例だけを責め立てても意味はありません。

l  フレンドニッポンの提携会社は、フィリピン当局に処分されましたが、そのニュースを報道したのは地方紙1紙だけ。法令に違反した大企業と大手監理団体を排除できない以上、「悪質業者を排除する」などというのは戯言です。

【Timely Report】Vol.529(2019.11.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。

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l  技能実習機構が、多数の失踪者が出たベトナムの大手送り出し機関5社からの実習生の新規受入を停止する方針を決めたようです。この大手5社が派遣している実習生は1割を超えます。2019年末時点のベトナム人実習生22万人で全体の過半数を占めています。同年における実習生の失踪者数は8,796人(2014年の1.8倍)で、ベトナム人は7割(6,105人・2014年の6倍)。

l  実習生の失踪が相次ぐ背景には、送り出し機関が実習生から徴収している高額な手数料があります。ベトナムでは、法令で手数料の上限を3,600ドル(約40万円)と定められていますが、23倍の請求が常態化していました。2017年に設立された技能実習機構が4年半経ってようやく本気を出してきたのでしょうか。実習計画の取り消しや監理団体の資格剝奪も毎月のように発表されており、悪質な業者は排除されていくのかもしれません。

l  しかし、気になるのは、日立や日産の違反事件で不問に付されたフレンドニッポンのような大手監理団体への対処。政治銘柄も多いだけに難しいのかもしれませんが、フェアに処分されないのなら関係者は納得しないでしょう。

Timely ReportVol.8212021.6.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」の外国人は、制度開始から2年経過した今年3月末時点で22,567人にとどまっていて、当初の見込み(最大47,000人)を大きく下回っています。このうち、国内で「技能実習」や「留学」などから変更した人は17,299人と、全体のおよそ77%を占めた一方、海外で「特定技能」の試験に合格するなどして、新たに入国した人は5,268人にとどまっています。

l  国籍別では、ベトナムが14,147人で6割を超えました。分野別では、飲食料品製造業8,104人(35.9%)、農業3,359人(14.9%)、建設2,116人(9.4%)、産業機械製造業1,937人(8.6%)、介護1,705人(7.6%)となっています。

l  528日、自民党の外国人労働者等特別委員会は、「在留外国人の支援強化を柱とする政府への提言(案)」について議論しました。提言(案)には、「コンビニ、スーパーマーケット、運輸、産業廃棄物処理の各分野で、特定技能外国人の参入、技能実習制度の対象職種への追加を含めて検討」と書かれています。「技能実習」と同様に、「特定技能」でも政治的な利権と絡んで多種多様な業界にどんどん拡大していくと思われます。

Timely ReportVol.8172021.6.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  2020年における在留資格取消件数は1,210件(前年比+21.9%)と2016年の4倍になりました。在留資格別で見ると、最多の「技能実習」561人(46.4%)と次点の「留学」524人(43.3%)で全体の9割を占め、実習先から失踪した技能実習生や学校を除籍された留学生が就労したケースが多いようです。

l  取消事由別にみると、「在留資格に係る活動を行っておらず、かつ他の活動を行い又は行おうとして在留している場合(50.9%)」という不法就労型が最多で、不法就労を立証できなかった「在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っておらず在留している場合(40.7%)」だけでなく、「偽りその他不正の手段により活動を偽り、上陸許可の証印等を受けた場合(5.6%)」も。

l  コロナ禍で、入管は厳しく摘発していなかったという印象でしたが、人員が拡充された中、入管法違反に対しては粛々と対処していたようです。実際、違反調査の結果を見ても、「出国命令」で優しく帰すのではなく、入国審査官の「審査」に委ね、犯罪者として処罰する方向に傾いているようにも見えます。6月の「不法就労外国人対策キャンペーン」は要注意です。

【Timely Report】Vol.8132021.5.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  「特定技能」vs「技能実習」の戦いは、「技能実習」の側が有利に試合を進め、「特定技能」で人手不足が解消した企業が皆無の中で、むしろ「技能実習」で人員確保を図る先が増えています。また、「特定技能」の推進と「偽装留学生問題」の煽りで、留学生アルバイトが減っただけでなく、「技術・人文知識・国際業務」の正社員化が厳格化されて、多くの企業が苦しんでいます。

l  そんな状況下、「偽装留学生問題」を煽ったジャーナリストが、「最近は留学ビザの更新が不許可となるケースが相次いでいる。借金を抱えて母国へ戻れば、彼らの人生は台無しになってしまう。政府には、留学生が在籍先の学校から直接、資格の申請をできるよう配慮してもらいたい」と提言しました。

l  後先を考えずに、「偽装留学生問題」を煽るだけ煽って、帰りたくないのに母国に追い返したり、日本に来たいのに来日できないという形で、極めて数多くの留学生やアジアの若者たちを不幸な境遇に追い込んだのは自分なのに、恥じることなく「上から目線」で提言できるのがジャーナリストの凄み。「偽装留学生問題」を煽る前に提言しておけばよかったものを。

【Timely Report】Vol.620(2020.3.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入管行政:入管もジャーナリストも間違えた?」も参考になります。
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l  「特定技能」は、十分な検討を経ることなく、「技能実習」に課すべき規制をとりあえず全部入れろということで、考えられえる限りの山盛りの義務を導入したため、不具合が目立ちます。その一つが表面化しました。

l  それは、登録支援機関に課した「送迎義務」です。当初は、「送迎が安全かつ確実に実施できる方法であれば,車両(社用車や自家用車)を利用して支援を実施することも可能です」としていたものを、運送事業の許可がない場合、白タク行為として道路運送法違反に問われる可能性があるとして、急遽9月末に「登録支援機関が,車両を利用して送迎を行う場合については,道路運送法上の必要な許可を受けていなければ,道路運送法違反となる可能性が高いため,公共交通機関を利用してください」という文言を付け足しました。

l  さらに、「支援の実施に当たり,送迎に当たってタクシーを利用するなど必要な範囲で,補助者として,他の者に実施の補助を依頼することは差し支えありません」とまでご丁寧に書いていますが、そんなタクシー代を支払ってくれる受入企業があるとでも思っているのでしょうか。噴飯ものです。

【Timely Report】Vol.584(2020.2.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:「特定技能」は「技能実習」に敗北?」も参考になります。

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1.       平成253月、広島県のカキ養殖加工会社で勤務していた中国人の実習生が経営者ら9人を殺傷する事件がありましたが、今年7月にも熊本県警が20代の女性を刃物で襲って負傷させたとして強盗殺人未遂の容疑でベトナム人実習生を逮捕しました。警察に摘発された実習生は、平成24年に331人でしたが、平成28年には1387人に達しました。群馬県では、現時点で失踪した実習生が82人に上っており、平成28年1年間の計88人を上回る見込みです。入国から1年半以内での失踪が64%を占めています。失踪した後、難民申請して働き続ける実習生も少なくありません。

2.       上記の背景には、実習生の過酷な就労環境があります。平成28年に賃金不払いや過重労働などの労働基準法違反が認定された事業者は約4000社。実習生4人に対し、約2年3カ月で約1800万円の賃金不払いを行った縫製業者もいました。「技能実習制度」は、不法滞在者を育み、違法な長時間労働や賃金不払い等を産み出しています。それにもかかわらず、「技能実習制度」を膨張させ続ける政策は、どこかが間違っているのではないでしょうか。
カキ養殖場, 貝, Fis, オイスター, 海, シェル, 魚介類, 自然
【Timely Report】Vol.51(2017.11.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
入国管理制度に嘘はないのか?」も参考になります。

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l  横浜市の行政書士事務所が、雇用した30代のフィリピン人女性のパスポート(旅券)を預かる契約を結び、その返還を拒んでいます。女性は「パスポートがなく、母国に帰ることも転職活動もできない」と訴えています。外国人の旅券預かりは、技能実習生に対しては法律で禁じられているものの、実習生以外については、厚生労働省が「旅券を保管しないようにする」と指針を出しているだけで、罰則などの強制力はありません。別の外国人もパスポート返還などを求めたようですが、事務所側は団体交渉に応じず、神奈川県労働委員会は9月に、団交の拒否を不当労働行為と認定しました。

l  これまで、パスポートや在留カードの預かりは、技能実習の実習先や日本語学校において頻繁に見られた行為でしたが、在留資格の申請を本業とする行政書士事務所が「パスポートを事務所が預かり、使用の際は書面による申請や許可が必要」「管理方法や保管期限は事務所が決定」とする契約を社員と締結するというのは尋常ではありません。退職した女性の退職を認めず、パスポートの返還にも応じないというのは、異常と言わざるを得ないでしょう。

【Timely Report】Vol.580(2020.1.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:在留カードは預かってよい?」も参考になります。

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