全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:所得主導成長論

l  韓国経済が疲弊しています。文在寅政権は、「所得主導成長論」を掲げて、「賃上げすれば景気は良くなる」という前提で経済政策を運営しました。2010年に4110ウォンだった最低賃金は2017年に6470ウォンになっていましたが、2018年に16.4%上昇(7530ウォン)させ、2019年にはさらに10.9%上昇させて8350ウォン(約835円)にすることを決定。その上、今年の7月1日からは労働時間の上限を、残業を含めて週52時間に短縮することを柱とした改正勤労基準法も施行。まるで安倍政権の「働き方改革」を先取りしたのではないかと思いたくなるほど酷似しています。

l  この結果、韓国企業の経営は委縮・破綻しました。「所得主導成長論」が想定していた「賃金増➡消費増➡業績好転➡雇用増」というシナリオは実現せず、「賃金増➡雇用減➡消費減➡業績悪化」に陥ったからです。この現状を重く見た文在寅大統領は、11月9日に「所得主導成長論」を主導してきた経済担当高官の2人を更迭するに至りました。「生産性の向上がない賃金引き上げは経済成長にマイナスの影響を招く」という現実を直視すべきです。
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【Timely Report】Vol.295(2018.11.22)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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賃上げで景気は良くなる?」も参考になります。

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l  富裕国だったベネズエラが大変なことになっています。「21世紀の社会主義」を掲げ、賃上げや所得補填などで富裕層の富を貧困層に分配したところ経済が破綻。生活に困窮した人々が「移民」となって隣国に押し寄せています。

l  ベネズエラの惨状を見た韓国の主要紙が「韓国もベネズエラの二の舞になる」として文在寅政権の経済政策を大批判。経営の現場を無視した賃上げ政策の撤回を求めています。「最低時給1000円」を掲げる「所得主導成長論」が想定していた「賃金増➡雇用増➡消費増➡業績好転」というシナリオは実現せず、「賃金増➡雇用減➡消費減➡業績悪化」に陥ったと指摘しています。

l  じつは日本も韓国と同じ。「所得主導成長論」を掲げて、「賃上げすれば景気は良くなる」という前提で経済政策が運営されています。経営の現場を無視し、「物価が上がれば景気は良くなる」「時短をすれば生産性は上がる」「人手不足になれば経済は良くなる」という勘違いの中で、誤った賃上げ政策が処方されれば、経営の現場が疲弊するのは必至。20年後に日本が韓国やベネズエラのようになっていないことを切に望みます。
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【Timely Report】Vol.240(2018.9.5)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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経済政策が韓国を殺す!」も参考になります。

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