全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:執行猶予

l  712日、27年間に亘り国内に不法に滞在し続けたとして、入管法違反罪に問われたシンガポール国籍の女性に対して、懲役26月、執行猶予5年の判決が言い渡されました。女性は、19923月に入国し、2007年頃から、内縁の夫と熊本県湯前町で清掃業を営みながら、夫の両親を介護。地域住民からは「マユミちゃん」と呼ばれて親しまれていました。しかし、入管法では、1年以上の懲役等の有罪判決を受けた場合、その外国人は、退去強制措置の対象として国外退去になった後、再入国することができません。近隣住民ら約200人は、特別な配慮を求める嘆願書を入管に提出しました。

l  726日、福岡入管は、在留特別許可を決定。女性は強制退去処分を免れて、3カ月ぶりに自宅に戻りました。入管は、「日本人男性と家庭を築いていることなど、人道的観点から諸般の事情を考慮した」と述べています。

l  入管法に基づく審査は裁量の幅が大きく、予見可能性が低い点に問題がありますが、今回の措置は、裁量が良い方向に働きました。入国審査官にも人の情けがわかる人がいる、ということが分かった事件でした。

【Timely Report】Vol.510(2019.10.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
不法滞在幇助罪で逆転勝訴!」も参考になります。

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l  719日、看護師として働く夢を追って来日したベトナム人の女子留学生が、奈良地裁で出入国管理法違反罪(不法残留など)で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受け、1週間後に母国に強制送還されましたが、公判では日本語学校で学ぶ外国人の過酷な現実が浮かび上がりました。

l  この留学生は2015年1月に来日し、2年間の予定で宮崎県内の日本語学校で学び始めたのですが、アルバイト先として、その日本語学校の系列の介護施設での労働を強制されました。しかも、週28時間の勤務をこなしても、「寮費」などの名目で8万円前後天引きされ、残るのは月2万円。来日のために親は125万円を借金しています。「借金が返せず、金融機関に実家を取り上げられてしまう」という危機感を募らせ、寮から失踪したといいます。

l  そもそも、日本語学校には、職業を紹介する免許は与えられていません。仮に、職業紹介免許を持っていたとしても、本人の意思に反して、就業先を指定する権利はありません。公判で「もう二度と日本に来ないので、許してください」と泣きながら訴えた留学生の言葉は、悲しく重い響きがあります。
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【Timely Report】Vol.243(2018.9.10)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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