l  「技能」は、悩ましい在留資格です。一般的には、「物事を行う腕前や技量」を意味しますから、広い範囲で認められるように思われがちですが、入国管理法上は、調理、建築・土木、製造・修理、宝石・毛皮加工、動物調教、石油探査、パイロット、スポーツ指導、ソムリエしか認められていません。これら以外の「技能」は、在留資格では何の価値も持たないのです。このため、外国人の美容師は、日本の国家資格を取得したとしても、日本では働けません。腕前はプロでも、在留資格がないので帰国するしかないのです。

l  美容師免許の取得者は10年前より3割減っており、人手不足で店を閉める例すら出ています。政府は今年6月、成長戦略の素案段階で「国家戦略特区」を念頭に「外国人美容師を認める」という文言を盛り込みましたが、完成版では丸ごと削除されました。業界の猛反対を受けたからです。

l  このことの是非についてはさて置くとして、問題は専門学校。卒業しても、日本では就労できないことを知りながら、その致命的な事実を伏せて、外国人留学生を搔き集め続けています。罪深い行為なのではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.254(2018.9.25)より転載。詳しくは、このURLへ。
http://nfea.jp/report

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