全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:同性婚

l  317日、札幌地裁において、法律上同性のカップルに婚姻が認められないことは、法の下の平等を定める「憲法14条に違反する」という判決が下されました。同月25日、性的指向や性自認に関する差別を禁止する「LGBT平等法」の制定を求める団体が、与野党に10万筆の署名と要望書を提出するなど、日本でも同性婚を求める動きが活発化しています。

l  同性婚を認める世界的な潮流の中で、同性婚制度を導入した国で結婚した外国人同士の同性カップルの一方が、転勤などで日本で暮らす際に、入管は、2013年から配偶者に対して、在留資格「特定活動」を与え入国を認めています。2020年までの間、93件のカップルの日本居住を可能にしてきました。

ただし、日本人と外国人の同性婚の場合、日本国内で同性婚が認められていないため、日本人が外国人を連れて帰国したくても、「特定活動」は認められていません。一般的に「日本人配偶者」という在留資格は、日本人と同等でオールマイティなのですが、同性婚の場合、「日本人配偶者」という地位が逆にデメリットになってしまいます。この不整合性は、責められそうです。

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  Vol.799(2020.3.31号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  918日に出た宇都宮地裁真岡支部の判決が話題になっています。憲法は「同性婚を否定していない」という立場から、内縁関係の同性婚を婚姻関係に準じて取り扱い、慰謝料の支払を認めたからです。憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」と規定していますから、政府は「同性婚は認めない」という立場をとっています。しかし近年では、法の下の平等(憲法14条)や幸福追求権・個人としての尊重(憲法13条)を根拠として、「同性婚」を認めるべきという学説も有力であるほか、容認派が7割を占めるという調査もあり、同性婚を憲法改正で議論すべきという動きも出てきました。

l  本件について、在留資格の世界では、入管の裁量に完全に委ねられており、外国人同士の場合、双方の国で同性婚が容認されていれば、「特定活動」の在留資格が許可され得るのですが、日本人との事実上の同性婚の場合、政府が「同性婚を認めない」という立場であるため、該当しません。

l  しかし今回、日本人と同性のパートナーに対して、在留特別許可が初めて認められました。前例になるかは不明ですが、入管も少し踏み込んだようです。

【Timely Report】Vol.562(2019.12.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:入国審査官にも情けはある!」も参考になります。


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