l 相変わらず、技能実習に対する批判が根強い。支援者や弁護士たちは、被害者である技能実習生をマスコミの前に突き出し、可哀そうな事例を挙げては、「技能実習」という制度を批判し、すぐに撤廃すべきだと叫ぶ。
l しかし不思議なのは、批判者たちが「技能実習機構」を活用しようとしないという点だ。「技能実習機構」は、技能実習法によって、「技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行う業務」や「技能実習生が引き続き技能実習を行うことができるよう、技能実習生からの相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うとともに、実習実施者、監理団体その他関係者に対する必要な指導及び助言を行う業務」を担うことが定められている。事実関係の調査や報告徴求や検査を行うこともできる。
l さらに言えば、「技能実習機構」には「評議員会」という組織があり、「労働者を代表する評議員」も指名されている。技能実習機構や評議員に対して、被害者の救済を陳情し、彼らが陳情に対応しなかったことを批判するのが先だ。マスコミへのアピールを繰り返しても、被害者の救済にはつながらない。
【Timely Report】Vol.749(2020.11.16号)より転載。詳しくは、このURLへ。
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