全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:利権

l  政府は、最長5年間の「技能実習」を修了した外国人に、さらに最長5年間就労できる「特定技能」という在留資格を与える方針です。技能実習生は、「特定技能」と合わせて、最長10年間働き続けられることになります。

l  技能実習制度は、既得権益と化しており、麻生財務相を含んだ数多くの政治家がその利権に預かっています。ですから、技能実習制度を否定することが難しいことは分かりますが、技能実習制度が「インチキの塊」だというのは周知の事実。虚飾の上に虚飾を重ねても、捏造の上に捏造を加えても、筋の悪い制度が良い制度に変わることはありません。「ダメなものはダメ」と観念して根本的に改革しなければ、事態は改善されないのです。

l  しかし、日本政府が得意なのは、「嘘でも言い張り続ければよい」という小手先の技。不良債権問題がそうでしたし、「いずれ故郷に帰れる」という大前提の下での原発復興も、「100年安心」という年金問題も、軍隊でないと言い張った自衛隊も同じです。日本では、「森友問題」における佐川元理財局長の国会答弁と同様のことがもっと大きな次元で常態化しているのです。
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【Timely Report】Vol.141(2018.4.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
技能実習の膨張が歪みを生む!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  在留資格「特定技能」を新設して、単純労働を担う外国人を受け入れることは既定路線になったようですが、この政策は、日本の入国管理政策に物凄く大きな変化をもたらします。というのは、「特定技能」の許可を得るためのハードル(日本語試験と技能試験)がものすごく低いからです。

l  日本語能力の基準は原則、日本語能力試験の「N4」。日本語学校の留学に必要な「N5」よりは若干高いものの、建設と農業については、「N4」すら求めません。「除草剤を持ってきて」という質問に該当する写真を選択できればOKというのですから、合格を前提とした試験になることを意味しています。技能試験についても、各業界団体が実施している実技の検定試験などで代替するようですから、受験料さえ払えば合格する類の試験になるはずです。

l  となれば、この「試験制度」を支配下に置いた者が「在留資格」を牛耳ることになります。試験さえ合格すれば、「特定技能」が許可されるのですから、入管の許認可権を得たも同然。「技能実習」や「留学」という在留資格を巡る既得権益との競合の中で、これから凄まじい利権争いが始まります。
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【Timely Report】Vol.181(2018.6.13)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「『特定技能』が動き出す!」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
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