全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:入国審査官

l  難民や移民に寛容なことで知られるカナダが、自国以外の国で既に難民申請をした場合、カナダで再申請することを禁止する方針を固めました。米国で受け入れを拒否された難民申請者が国境を越えてカナダ国内に大量に流入していることが背景にあります。保留中の難民申請の数は20万件を超え、審理待ちに平均20カ月かかるのが現状。国境近くの自治体は、申請手続を待つ難民のために古いスタジアムや公民館を住宅施設として再利用していますが、この費用負担を巡って、政府との間に軋轢が発生。カナダのトルドー政権は、一貫して難民を歓迎する姿勢を示してきましたが、秋の総選挙を控えて、難民問題に対して強硬な姿勢に転じ始めたようです。

l  この改正により、カナダ国境の出入国審査官は、他国で既に難民申請を行った人々について、カナダでの再申請を却下できるようになります。米政府の情報収集活動を暴露したCIAの元職員を匿った難民や、家族からの虐待を訴えたサウジアラビア女性、兵役を拒否したシリア男性などを受け入れてきたカナダが反難民に転じるとは思いませんが、今後の動きは要チェックです。
人々, 難民, 子供, 女の子, 肖像画, 子, 若い, 愛, 友人同士
【Timely Report】Vol.433(2019.6.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

1.       法務省は、2018年度概算要求において、入国審査官の増員約300人を要求しました。2016年度の2680人と比較すると+11%以上の伸びとなりますが、2017年度(未公表)も同程度の伸びを確保していたと仮定すれば、せいぜい+6%前後の増員ということになります。

2.       法務省は、外国人観光客の出入国が一段と増えると推測されるため、入国審査官を2015年度からの5年間で約1,000人大幅増員するという計画を持っています。しかし、増員の中心は、新千歳・羽田・成田・中部・関西等の空港が予定されていますから、目玉対策と言われる顔認証ゲートが導入されたところで、在留資格変更の許可業務を担当する入国審査官の人数がそれほど増えるわけではありません。多くとも+5%程度と見るべきでしょう。

3.       一方、在留資格変更申請に関する受理件数と在庫件数を見ると、前年比+17%~+18%で、入国審査官は激務になるばかり。決め付けや手抜きやおざなりの審査が増えないことを望みます。そんな中、東京入管の名目許可率が6月に90%を割り込んだのが気になります(実質許可率56.9%)。
子, 苦しみ, 見る, ヘルプ, 残念, 思いやり, 恐怖, 悲しい, 人道的な
【Timely Report】Vol.14(2017.9.2)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
入国審査官はかわいそうだ!」も参考になります。


   外国人と入管の関係に興味のある方は ➡ 全国外国人雇用協会 へ
外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

1.       6月に成立した「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」が来年14日に施行されます。従来、「通訳案内士」でなければ、有償の通訳ガイドは禁じられていましたが、来年からは無資格であっても、対価をもらって通訳ガイドができます。無論、この制度変更には反対論もあります。ただでさえ、無資格の「闇ガイド」が跋扈し、外国人観光客を食い物にした事例が目立っており、国会でも議論が白熱しました。

2.       この制度変更をビジネスと在留資格との関係で見れば、プラス面を期待することができます。特に、ホテルや旅館では、入国審査官によって、「フロント業務は、技術・人文知識・国際業務に相当しない」とか、「フロントだけであれば、業務量が足りない」などと指摘されて不許可になる事例がありましたが、宿泊客に対して通訳ガイドを行うのであれば、「技術・人文知識・国際業務」に相当するでしょうし、業務量の問題もかなりの程度解決しそうです。また、外国人を相手にするビジネスであれば、宿泊業に限らずとも通訳ガイド業に進出することが可能です。ポジティブに活用したいものです。
イタリア, アーキテクチャ, 観光, ガイド, 建物, 資本金, 市
【Timely Report】Vol.37(2017.10.13)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
コンビニは本当に単純作業?」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  426日、日商は、現制度では「単純労働」と見られがちな業務に従事できる「中間技能人材」という在留資格を創設すべきという意見書を公表しました。技能実習修了者や、自国での一定の経験や技能を保有する人材を対象とし、人手不足の業種や分野に限定して外国人材を受け入れるという提案です。政府が提唱する「特定技能」よりはマシですが、「単純労働」に外国人を押し込めてしまうという意味で、「悪手」と言うべきでしょう。

l  それよりも、同じ意見書に記されている「わが国の大学等を卒業した外国人留学生が引き続き日本で就労できるよう、卒業生に特化した在留資格を創設」のほうが筋の良い施策です。一部の入国審査官は「接客は簡単にできる単純労働だ」という偏見を持っていますが、「おもてなし=高水準の接客力」という理解があれば、「学術上の素養を必要とする一定水準以上の業務(技術・人文知識・国際業務の対象となる活動)」という裁量も合理的。仮に、日本人の新卒が従事する業務に限って就業できる「新卒就労」という新しい在留資格が創設されれば、数多くの留学生が日本で就職できるようになります。
チーム, 人間, シルエット, 図面, プレゼンテーション, オフィス, 会議
【Timely Report】Vol.165(2018.5.22)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
「特定技能」は、天国か、地獄か?」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

1.       在留資格に携わる者であれば、入国管理法における法務大臣の広範な裁量権を認めたマクリーン判決を知っていると思いますが、マクリーンが勝訴した東京地裁の判決文を読んだ人は少ないのではないでしょうか。いま、改めて読み返してみると、東京地裁判決の方が法の正義に適っており、デモに参加しただけで「政治活動」であると騒ぎ立て基本的人権を無視した入管側に軍配を上げた最高裁の腰抜けぶりが際立った事件だったように感じます。特に最近、トランプ政権になり、米国の司法が、行政の行き過ぎをリアルに牽制している姿を見せ付けられると、そのたびに彼我の違いを思い知らされます。

2.       この事件において、当初入管は、「マクリーンが当初予定していた勤務先に17日間しか勤務せずに転職したことが不許可事由に当たる」という「転職不許可説」を主張していました。じつは、この「転職不許可説」に関しては入管のボロ負け。入管を勝たせた控訴審ですら、「勤務を変更したことのみをもって不許可の理由としたものとすればいささか問題であろう」と断じています。このように、あまりにも自分勝手な考えを根拠なく入管が押し付けてきた場合には、日本の司法も機能してくれるのかもしれませんが、時代は遷り、日本国内で働く外国人は100万人を超え、仙台市並みの人口になりました。マクリーン事件当時とはかなり事情が変わってきています。

3.       マクリーン事件が公になる10年ほど前、日韓国交正常化交渉で法務省入国管理局参事官として日本側代表補佐を努めた法務官僚は、『法的地位200の質問』(京文社1965年)という書物を著し、「(外国人の処遇は)日本政府の全くの自由裁量に属することで、国際法上の原則から言うと『煮て食おうと焼いて食おうと自由』なのである」と書いたそうですが、マクリーン事件から40年が経過した現在、現場の入国審査官たちは、在留外国人のことを、どのような対象として捉えて、日々の業務に向き合っているのでしょうか。

4.       マクリーン事件当時(19727月)、ハワイ出身の高見山が外国出身力士による史上初の幕内優勝を果たし、関脇にまで昇進しました。子供たちから愛され大人気の高見山でしたが、横綱どころか大関にもなれなかった――そういう時代でした。しかし、40年が経過した現在、当時、入管よりも鎖国主義であった相撲界は外国人に門戸を開いて、モンゴル勢が横綱を寡占するようになりました。日本の国技である大相撲の横綱を白鵬が務めていることを、財界に例えてみれば、日産・三菱自動車の会長を務めるカルロス・ゴーンが、日本経団連会長を担っているようなものです。逸ノ城など若手外国人力士の人気も高く、外国人力士なしには、興業が成り立たなくなっています。

5.       スポーツ界では、元メジャーリーガーのマニー・ラミレスが、セリーグやパリーグではなく、「高知ファイティングドッグス」という四国の球団に入団したり、Jリーグが従来の「外国人枠」に加えて、「アジア枠」という形式で外国人の活躍の場を拡げるなど、外国人の制限を緩和し、国境を越えた人材交流を活発化させています。このような時世の中で、現場の入国審査官たちが、外国人の受入れについて、前向きに感じる部分はないのでしょうか。

6.       マクリーン判決から40年が経過しました。米国では、移民の権利を守るために、司法当局が大統領と戦っています。全国外国人雇用協会では、2017528日「講演会」を催し、マクリーン裁判の当事者である弘中惇一郎弁護士に「マクリーン判決と現在の課題」についてお話ししていただき、野茂英雄投手の米国メジャーリーグ行きを支援し、日本国内における外国人枠の撤廃に関して積極的に発言しているスポーツジャーナリストの二宮清純氏には、「スポーツ業界における外国人の活用」について語っていただきました。2019年も聞いて為になる「講演会」を企画しています。お楽しみに。
小槌, オークション, ハンマー, 正義, 法的, 裁判官, 法, 裁判所
【Timely Report】Vol.3(2017.5.28)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
「特定技能」は、天国か、地獄か?」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

l  2018年の訪日外国人は、815日に過去最速で2000万人を突破するなど急増していますが、最前線でチェックする入国審査官が増強されなければ、問題が生じることは避けられません。325日、成田空港の入国審査場は身動きできないほどの入国者で溢れ、待ち時間が3時間を超えました。入管は、審査待ちの間に顔写真撮影や指紋採取を完了できるようにし、日本人向けに自動化ゲートを導入しましたが、人手が足りないのです。

l  一方で不法入国の手口が巧妙化し、手術を受けて指紋を偽装するケースがあるなど一時たりとも気が抜けません。2017年に入管が入国拒否した外国人は7181人(2013年の2.5倍)。リスクが指摘されていたクルーズ船においては、「要注意人物リスト」に掲載されていた中国人男性が大阪港から入国した後、行方不明になっていたことが公になり、大騒ぎになっています。

l  訪日外国人は激増させなければならない。でも、人員はそんなに急激には増やせない。だけれども、要注意人物は1人も入国させてはいけない。それは無理な要求というものです。入国審査官は本当にかわいそうだと思います。
自由の女神, ランドマーク, 自由, 像, アメリカ, アメリカ合衆国
【Timely Report】Vol.233(2018.8.27)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


  外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ

↑このページのトップヘ