全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:人権

l  220日、日系ペルー人の男性が、収容所の職員に制圧された際に暴行を受け、腕の骨にひびが入ったとして、国に約200万円の損害賠償を求めて提訴しました。これに限らず、収容に関する入管の言動や収容の長期化については、各方面から批判が高まっています。

l  昨年3月まで18年働いた元入管職員でさえ、「未来を見据えたビジョンも人権への配慮も欠いたまま、ただやみくもに長期収容を常態化させてしまった政策的失敗がある」「被収容者を非人道的環境に置くことで、彼らが『帰国する』と音を上げるのを待っているのです。それが入管職員の成果になる」「入管の問題は3つ。①一つは基準がないこと。これをやれば収容、これをクリアすれば仮放免といった基準がない。②ふたつ目が、許可・不許可の判断プロセスが不透明。③3つ目が、収容に裁判所など外部が関わらないこと。だから、入管は自らの裁量だけで長期収容ができる」と指摘しているほど。

l  指摘された、①基準がない、②プロセスが不透明、③外部の不関与、という入管の問題は、在留資格の審査でも同じ。改善される日は来るのでしょうか。

【Timely Report】Vol.643(2020.4.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:またまた派遣会社が摘発される!」も参考になります。
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l  615日、「難民問題に関する議員懇談会」は、在留カードが本物かどうかをスマホなどで確認できるアプリを入管庁が昨年12月からHPで一般に対して公開していることを問題視し、市民による外国人監視につながりかねないとして、「差別や偏見を助長する」という批判の声を上げたと言います。

l  参加した「移住者と連帯する全国ネットワーク」は「外国人の監視に市民が動員される。地域社会の分断、日常生活における差別・偏見の助長につながる」と糾弾し、国際的な人権団体の「ヒューマンライツ・ナウ」は、「アプリが差別を助長する可能性を想定できなかったのか」と批判したといいます。

l  呆れて物も言えません。在留カードの偽造が蔓延している中、偽造カードを持っていた外国人の雇用主が「お前は偽造カードの取得に関わっていたのではないか?」と疑われるケースも出ているだけに、偽造判別アプリの公開は、必要不可欠だったと言えます。人権派を名乗る人々は、いずれ在留カードの携帯すら「差別や偏見を助長する」と言い出すに違いありません。そういう人権派の言動こそが、外国人に対する反感を醸成しているのです。

Timely ReportVol.8222021.6.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  昨年9月、国連の「恣意的拘禁作業部会」が、国外退去処分を受けた外国人2人が裁判等による審査・救済の機会がないまま入管施設に収容されたとし、国連人権規約等に違反するとして、日本政府に対して意見書を送付。これに対して、入管は、327日、「司法上、行政上の審査・救済の機会が提供されていた」と反論し、「事実誤認」だとして異議を申し立てました。

l  入管の反論に対して、弁護士や人権団体は一斉に批判を展開。ちょうど入管法改正が国会に上程されていることもあって、ヒートアップしています。入管側の反論が紋切型で、国際基準から見て不誠実な対応であることは否定できませんが、難民申請者の実態を無視して、「入管叩き」に走っても、世論は冷ややかに傍観するだけで、バックアップしてくれないような気がします。

l  ただし、改正入管法が導入する「監理措置」における就労の是非については、「観光ビザ」ですら就労を認めている現状の運用との比較で、入管は、整合的で説得的な主張が展開できない可能性大。大上段に構えた総論ではなく、論破できる重要な論点一つに絞って議論したほうが良いのでは。

【Timely Report】Vol.8032021.4.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  816日、国連人権理事会は、「日本政府は福島第一原発事故の除染作業で搾取され、被曝している数万人にも及ぶ除染作業員を至急保護すべく行動すべきだ。除染作業員には外国人労働者や亡命希望者、ホームレスが含まれている。我々は、被曝リスクについて騙して作業に従事させるという搾取について深く懸念している」という声明を発表しました。これに対して日本は、「政府として真摯に対応してきたにもかかわらず、特別報告者が一方的な情報に基づいて声明を出したことは遺憾だ」とし、「いたずらに不安をあおり、混乱を招くとともに、風評被害に苦しむ被災地の人々をさらに苦しめかねない」と抗議。「技能実習制度に問題はない」との立場を取り続けています。

l  国連を含めた内外において、「技能実習」が「嘘の塊」であることは周知の事実。誰が見ても、「技能実習」の正常化は喫緊の課題です。しかしながら、新しい「特定技能」は、「1号(一定レベル)」と「2号(熟練レベル)」の二段階になるということで、「技能実習」を踏襲した筋悪の制度になる気配が強く漂い始めました。本当にそれで良いのでしょうか。
国連, フラグ, 国際性, 外国貿易, サミット, グローバル, 状態
【Timely Report】Vol.253(2018.9.24)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
技能実習の膨張が歪みを生む!!」も参考になります。

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l  日本における「移民政策」は、人種差別を内包する感情論か、人権至上主義の理念論か、目先の人手不足に引きずられる算盤論のいずれかになりがちで、かつ、三者とも他の二者を説得できず、グチャグチャの戦いになっています。

l  この点、米国では、経済学を使ったデータ分析を梃子にして、合意形成しようという試みが続けられています。例えば、移民が自国民の仕事を奪うかどうかは実証可能。1980年に米国のマイアミ市に移り住んだキューバ移民の影響を実証分析したところ、12万人を超える移民によって、市の労働力人口が約7%も増えたものの、賃金は著しく下がったとはいえず、失業率にも影響は出ませんでした。ほかにも、多くの経済学者が「移民による労働市場への悪影響はほとんどない」という実証分析を公表しています。

l  無論、学界では、「前提条件に問題がある」などという反論もありますが、感情論ではなく、実証分析の正確性を高める方向での指摘であり、日本でも、同様の試みが必要だと思われます。もっとも、米国の政界は日本と同様で、感情論と理念論と算盤論がグチャグチャなままなのですが・・・。

【Timely Report】Vol.646(2020.5.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入管法違反:またまた派遣会社が摘発される!」も参考になります。
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l  3月12日、14カ月にわたり東京入管に収容されているクルド人の難民申請者が体調悪化を訴えたものの、入管は何ら対応せず、心配した家族が呼んだ救急車を2度も追い返すという事件がありました。過去に必要な診療を受けさせずに、収容者を死亡させた事例があるだけに、批判が高まっています。

l  この問題の根が深いと感じざるを得ないのは、加害者である入管の責任官庁が、人権擁護を担当している法務省だという喜劇的な事実です。基本的人権を守る役割を担っている官庁が、人権を無視しているのなら、外国人に限らず、日本人の人権も守ってくれないでしょうし、そんな人たちが運営する法治国家が想定するのは、「人権を守るための法令遵守」ではなく、「お上が思い描く秩序を維持するための規則遵守」に過ぎないからです。

l  収容所での外国人に対する人権無視は、日本人にも無関係ではありません。それは、有罪未確定の容疑者に対する人質司法と同根であり、庶民を慮る心がない官僚主義と表裏一体の関係にあります。そんな法務省が、「特定技能」では、企業に人権擁護を強制するのですから、苦笑せざるを得ません。

【Timely Report】Vol.389(2019.4.15号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法は移民を受容しない!」も参考になります。

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l  安倍政権は、最長5年の「技能実習」を終えるなどした外国人が、さらに最長で5年就労できるように、「特定技能」という在留資格を新設する方向を打ち出しました。外国人労働者の本格拡大に舵を切ったと見てよいでしょう。じつは、元希望の党の細野豪志衆議院議員は、「政府はおそらく大胆な提案をしてくる。というのは財界が持たなくなっているから。日本社会の底が抜けつつあり、産業が成立しないところも出てきている」と予言していました。

l  しかし、「嘘の塊」である「技能実習」の土台の上に「特定技能」を新設した場合、極めて筋の悪い在留資格になる可能性があります。すでに、「技術移転を通じた国際貢献という建前もかなぐり捨て、労働力確保のためのなりふり構わぬ制度案」とか「10年間、家族の呼び寄せも認めず、その後の永住申請も認めない。労働者の人権保障も多文化共生も考慮しないという移民政策を導入するつもりか」という批判が湧きおこっています。

l  本来であれば、野党が「真っ当な移民政策」を提示して国会で討議するのが議会民主主義のあるべき姿。モリカケだけで終始しないと良いのですが。
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 【Timely Report】Vol.175(2018.6.5)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
『特定技能』で一体どうなる?」も参考になります。


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