l  バブル期を中心に東南アジアから日本に出稼ぎに来たフィリピン女性たちは「ジャパゆきさん」と呼ばれました。「興行ビザ」で入国したフィリピン人は、2004年には約82000人にまで急増します。ところが、2005年に、「外国の教育機関での興行科目の2年以上の専攻」などの要件を加えて厳格化すると、2006年には8673人に激減。入管行政に振り回されました。

l  しかし、その間に、日本人との交流は自然と増えていきます。19952005年にフィリピン人女性と日本人男性の間には年間40005000人の子どもが生まれます。残念なことに、父親から認知や経済的支援を拒否されて、母子が貧困に陥るケースが少なくなかったとされています。

l  入管行政が扱うのは「人間」です。関税や輸入規制の対象となる「モノ」のように、「ルールさえ改定すればそれで終わり」というわけにはいきません。「特定技能」は、移民の数を自由自在に入管がコントロールできるという幻想の下で組み立てられており、危うさを感じます。だからこそ、入管庁は、細かなルールで厳格化して受け入れないようにしているのかもしれません。

【Timely Report】Vol.520(2019.10.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ