全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

タグ:フィリピン

l  技能実習制度に絡んで、悪質ブローカーを糾弾する記事が絶えません。実習生たちの「奴隷労働」を産んでいるのは、200010000ドルなどの手数料を吹っ掛けるブローカーたちだと言うのです。確かに、監理団体が、途上国で実習生を集める送り出し機関から違法な謝礼を受け取るケースは、枚挙にいとまがないようですし、そうした環境の中で、「差し引き支給額マイナス20175円」と書かれた給与明細書に代表されるような惨状もあるようです。

l  仕事は「内装」のはずだったのに、建築現場での運搬作業や解体作業だったとか、田植えをやらされたなどの声も上がっています。しかし、仕事は「電子機器組み立て」のはずだったのに、洗濯機のふたにプラスチック製部品を取り付ける作業しかさせなかった日立やフレンドニッポンは、お咎めなしなのですから、この事例だけを責め立てても意味はありません。

l  フレンドニッポンの提携会社は、フィリピン当局に処分されましたが、そのニュースを報道したのは地方紙1紙だけ。法令に違反した大企業と大手監理団体を排除できない以上、「悪質業者を排除する」などというのは戯言です。

【Timely Report】Vol.529(2019.11.12号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。

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l  横浜市の行政書士事務所が、雇用した30代のフィリピン人女性のパスポート(旅券)を預かる契約を結び、その返還を拒んでいます。女性は「パスポートがなく、母国に帰ることも転職活動もできない」と訴えています。外国人の旅券預かりは、技能実習生に対しては法律で禁じられているものの、実習生以外については、厚生労働省が「旅券を保管しないようにする」と指針を出しているだけで、罰則などの強制力はありません。別の外国人もパスポート返還などを求めたようですが、事務所側は団体交渉に応じず、神奈川県労働委員会は9月に、団交の拒否を不当労働行為と認定しました。

l  これまで、パスポートや在留カードの預かりは、技能実習の実習先や日本語学校において頻繁に見られた行為でしたが、在留資格の申請を本業とする行政書士事務所が「パスポートを事務所が預かり、使用の際は書面による申請や許可が必要」「管理方法や保管期限は事務所が決定」とする契約を社員と締結するというのは尋常ではありません。退職した女性の退職を認めず、パスポートの返還にも応じないというのは、異常と言わざるを得ないでしょう。

【Timely Report】Vol.580(2020.1.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:在留カードは預かってよい?」も参考になります。

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l  116日、自身のパスポートの返還を求めて、フィリピン人女性が元勤務先であるアドバンスコンサル行政書士事務所を横浜地裁に訴えました。昨年7月に退職し何度も会社にパスポートを返すよう求めてきましたが、事務所は「預かるのは会社のルールだ」として返還を拒否し続けていると言います。

l  外国人にとって、パスポートの取り上げは重大な人権侵害に当たり得るわけですが、日本では、劣悪な労働環境でも外国人労働者が逃げ出さないようにするなどの目的で、労務管理戦略の一環として、パスポートを奪うという慣行が散見されます。実際、このケースでは、事務所側が「パスポートを返すと逃げちゃうでしょ」と露骨に発言したとも報道されています。

l  日本では、技能実習生として来日している外国人労働者のパスポートを保管することを除いて、それ以外の在留資格に関しては、会社等がパスポートを預かることは禁じられていません。そのため、留学生の受入校が授業料支払や卒業後の帰国を確実にするために預かっている例も多いようです。パスポートや在留カードの預かり禁止を前向きに議論すべきではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.625(2020.4.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「入管法違反:パスポートを預かって返さない?」も参考になります。
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l  偽造留カードに係る事件が後を絶ちません。729日、佐賀県で偽造カードの製造や譲渡に関与したベトナム人が不法滞在で逮捕され、愛知県でも偽造カードを所持していたインドネシア人が捕まりました。1週間前には、静岡県でフィリピン人が摘発されています。また、728日には、埼玉在住の中国人2人が在留カードを偽造した疑いで逮捕されています。【p4p5

l  偽造在留カードは、組織的なビジネスになっており、指南役が「高給アルバイト」と称して外国人を集め、パソコン・プリンター・台紙・ホログラム等を貸与し、偽造に必要なデータ類を提供。顧客から依頼を受けると、顔写真や個人情報を渡して、偽造カードを作成・発送させる仕組み。逮捕されるのは下っ端ばかりで、指南役は新たな手先を雇い入れて、偽造を続けています。

l  偽造在留カードの値段が1万~2万円/枚にまで安くなったため、成功報酬で申請を受託している行政書士が、申請せずに偽造カードを入手して顧客に渡しているという噂すら流れ始めました。入管は、年内完成と報じられた偽造判定アプリの開発を早めるか、民間の機器を公認すべきだと思われます。

【Timely Report】Vol.710(2020.8.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入国審査官にも情けはある!」も参考になります。

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l  新型コロナウイルスの感染拡大による国際的な送金への影響を世界銀行が調査したところ、2020年の低・中所得国への送金額は去年に比べて19.7%、金額にして1090億ドル(117000億円)も減少する見通しだと言います。これは、これまでに経験したことがないインパクトです。

l  低所得や中所得国への国際的な送金は、外国人労働者の増加とともに10年間で1.5倍以上に増加(2019年は過去最高の5542億ドル)。この送金は途上国において、人々の生活費を支えているほか、貴重な外貨の獲得手段にもなっており、途上国の数多くの家庭が貧困に陥る可能性は否定できません。

l  900万人が諸外国に働きに出ているパキスタンでは、彼らからの送金がGDP78%に達します。人口1億人の1割が海外に出稼ぎに行くフィリピンではGDP1割を占めます。海外への出稼ぎを重要な外貨の獲得手段と位置付けているベトナムでも、送金減少は経済に悪影響を与えているようです。じつは、来日している外国人の2人に1人は、母国に仕送りをしているという調査もあります。送金の減少が国際経済に与える影響は軽視できません。

【Timely Report】Vol.684(2020.7.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  「やっぱり日本だと、政治家とつるんでいる監理団体大手のフレンドニッポンとか日立って、お咎めなしで終わるんだろうなぁ」と思っていたら、フィリピン政府がやってくれました。フィリピンの海外雇用庁は、帰国した元実習生からのヒアリングや独自の調査により、「日立とフレンドニッポンには技能実習のルール違反があった」と認定。「実習生は技術を学ぶのが目的のはずなのに通常の労働をさせられていた」と批判しています。管理責任のあるフレンドニッポンと提携している現地の送り出し機関「ホワイト・ダブ」に対して連帯責任を問い、送り出しの停止を命じたため、この影響で約700人が実習生として来日できなくなっているようです。

l  これと比べて情けないのが、外国人技能実習機構と出入国在留管理庁。あからさまな資格外活動を大っぴらに白昼堂々と行ってきたフレンドニッポンと日立の事案を厳罰に処すことすらできず、改善指導を行って幕引きの感じです。「だったら、テリー伊藤の実兄が書類送検された不法就労助長罪なんて、かわいいもんだから許してあげればいいのに」と個人的には思います。

【Timely Report】Vol.460(2019.8.1号)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事なぜ日立は摘発されない?」も参考になります。

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l  バブル期を中心に東南アジアから日本に出稼ぎに来たフィリピン女性たちは「ジャパゆきさん」と呼ばれました。「興行ビザ」で入国したフィリピン人は、2004年には約82000人にまで急増します。ところが、2005年に、「外国の教育機関での興行科目の2年以上の専攻」などの要件を加えて厳格化すると、2006年には8673人に激減。入管行政に振り回されました。

l  しかし、その間に、日本人との交流は自然と増えていきます。19952005年にフィリピン人女性と日本人男性の間には年間40005000人の子どもが生まれます。残念なことに、父親から認知や経済的支援を拒否されて、母子が貧困に陥るケースが少なくなかったとされています。

l  入管行政が扱うのは「人間」です。関税や輸入規制の対象となる「モノ」のように、「ルールさえ改定すればそれで終わり」というわけにはいきません。「特定技能」は、移民の数を自由自在に入管がコントロールできるという幻想の下で組み立てられており、危うさを感じます。だからこそ、入管庁は、細かなルールで厳格化して受け入れないようにしているのかもしれません。

【Timely Report】Vol.520(2019.10.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

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l  愛知県警が年初に入国管理法違反容疑で逮捕したフィリピン国籍のヒガ・ルシア・グアリン容疑者は、就労先を求めて来日するフィリピン人たちの間で「日本の母」と呼ばれる存在だったと言います。難民申請のシステムを熟知していたヒガ容疑者は、来日したフィリピン人や中国人、ベトナム人らに難民申請の方法を指南。マンションの住所を提供した上で働き口を紹介し、その対価で稼いでいたようです。ヒガ容疑者のマンションを住所地として難民申請をした外国人は昨年9月から今年2月まででなんと93人もいました。

l  「難民審査中は働ける」という認識が広がっているため、昨年の申請者の国籍はフィリピン(4895人)、ベトナム(3116人)、スリランカ(2226人)などアジア諸国が大半を占めましたが、上位10カ国の申請者で難民と認定された人は皆無。「借金問題」や「マフィアに追われている」など難民と無関係な申請も多く、「偽装難民」であることは明白です。当局は、ヒガ容疑者のようなブローカーの元締めに狙いを定めて、「芋蔓式」の捜査を展開しています。何度も言うようですが、「偽装難民」には近寄るべからずです。
母, 娘, 愛, サンセット, 3 月, 海

【Timely Report】Vol.137(2018.4.9)より転載詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
偽装難民にビザはやらない!」も参考になります。


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l  8月上旬、就労資格のないフィリピン女性2人をパブで雇用したとして、フィリピンパブの韓国人経営者が逮捕されました。ホステスだった女性2人(資格外活動で逮捕)は昨年12月に入国。「集団レイプの被害に遭った」と主張して、名古屋入管に対して難民認定申請中でした。現時点においても、「偽装難民」は少なからず生息しているようです。

l  マスコミでは、難民問題を巡る欧米における混迷を嘆いたり、難民支援に好意的な主張が目立ちますし、収容所における非人道的な対処に憤る記事が溢れていますが、日本の入管が気にしている気配はありません。それどころか、「偽装難民は帰国しろ」という毅然とした方針を明確に打ち出しています。

l  入管は、過去に難民申請をしたことがある外国人の在留資格変更に対して、極めて厳しい姿勢で臨んでおり、申請者に対して、「難民申請をしたことのある外国人に許可は出さない」と明言する審査官も散見されます。雇用主としては、不許可の可能性が極めて高い外国人を雇うメリットはありません。難民申請の過去を持つ求職者とは一線を画さなければならないようです。
Shinkiari, パキスタン, キャンプ, テント, 子供, 木, 自然

【Timely Report】Vol.231(2018.8.23)より転載詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
偽装難民はいなくなったか?」も参考になります。


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