l 「日系4世ビザ」が低調です。海外の日系人コミュニティからの熱望を受け、政治の肝煎りで創設されたにもかかわらず、昨年7月の導入以降、入管庁が見込んだ年間4000人の枠に対し、資格を得たのは43人(6月17日時点)だけと1%程度。顔を潰された政治家から苦言を呈せられたためか、入管庁が要件緩和に向けて検討に着手したという報道がありました。
l これは、近年における入管行政の典型的なパターン。政治から緩和要望を受けたものの、嫌なので面従腹背を貫いて、大して覚悟することもなく、条件を厳しくする。その結果、緩和しても増えませんから、政治圧力を再度受ける。そして、一片の哲学もなく、小出しで緩和するから、制度がぐちゃぐちゃになる。「来日する外国人が共生するためにもN4だけは譲れない」などという守るべき一線がないから、ずるずるっとなし崩しになっていきます。
l 「日系4世ビザ」では日本語要件を緩和するとのこと。「特定技能」も同じ運命を辿るような気配があります。特に「介護」は、現場の人手不足に押されて、看護師試験の落第者を受け入れる等、何でもありになってきました。
【Timely Report】Vol.519(2019.10.29号)
BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。
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