全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

カテゴリ: その他全般

l  新型コロナウイルスは、全産業にダメージを与えていますが、その中でも深刻なのは観光業。3月に日本を訪れた外国人旅行者数は、前年比▲93%になるなど、これまでに経験したことのない苦境に立たされています。JTBHISは全国すべての店舗を、近畿日本ツーリストもほぼすべての店舗を臨時休業に。不足が喧伝されてきたホテルも、過剰供給が心配されています。

l  外国人入国者数は7年連続で過去最多(20193188万人)を更新し、本年初に観光庁長官は「2020年訪日外国人旅行者数4,000万人等の目標達成に向けた総仕上げの1年となります」と高らかに宣言していましたが、4ヶ月が経過した今となっては、浮世離れした話としか思われません。慎重な見方をしていたJTBの予測(3430万人)の半分も危なそうです。

l  国連世界観光機関は「世界の目的地の96%が旅行制限を行っている」と指摘し、世界旅行ツーリズム協議会は「全世界で7500万人の雇用と2.1兆ドル(約228兆円)の収益が失われる」と予測しています。日本でも、「廃業を考えざるを得ない」という声が渦巻き、壊滅的な結果を招きかねません。

【Timely Report】Vol.671(2020.6.11号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
異論・反論大歓迎ですので、是非、下記のコメント欄に、コメントをお寄せください。

外国人と経済の関係に興味のある方は ➡ 外国人経済研究所 へ http://nfeakeizai.blog.jp/
移民に関する国際情勢を知りたい方は ➡ 移民総研 へ 
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l  日本人は、毎日1,200人減っています。この悲惨な状況は何ら改善されることなく、いずれ毎日3,000人が消えていきます。いまは、毎日1,200社で人手不足が発生していますが、いずれ毎日3,000社で人繰りが困難になります。

l  未だに、女性・高齢者の活躍やIT・AIの活用で何とかなるという無責任な論者もいますが、真の問題は、人口減ではなく、現役と高齢者のバランス。2015年には2.1人の現役に対して高齢者1人でしたが、2025年は現役1.8人で高齢者1人、2040年には現役1.4人で高齢者1人を支えることになります。これで社会が成り立つのかというのが真の問題なのです。それでも、「何とかなる」と強弁する論者は、過疎の村に移住して、どうすれば、高齢者比率の高い限界集落を維持できるのかを行動で示すべきです。

l  ①日本人の人口は増えない。しかし、②日本人の現役だけで高齢者を支えていくことは極めて困難である ―― この2つの厳しい現実を直視すれば、外国人の若者を受け入れるしか実現可能な解はありません。無論、解決し難い問題に悩まされることは間違いありません。しかし、その道しかないのです。

【Timely Report】Vol.498(2019.9.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:ヒト不足倒産がやってくる?」も参考になります。

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外国人に関する経済学を知りたい方は ➡ 外国人経済研究所 へ

l  2018年における日本生まれの日本人は91.8万人でしたが、2019年の出生数は87万~88万人に止まり、最少記録を塗り替えると予測されています。10年前に比べて20万人程度少ない水準ですが、出産適齢期に当たる女性の人口が減っているため、今後も早期に増加に転じることは期待できません。

l  山梨県早川町や奈良県野迫川村、和歌山県北山村、東京都青ヶ島村では、2018年中に子どもが1人も生まれていません。自治体の維持すら困難です。健全な社会保障制度を保つ上で望ましいのは、「富士山型」の人口構成ですが、日本の人口ピラミッドは「棺桶型」でジリ貧必至。日本全体でみても、若い外国人の受け入れがなければ、経済活動が滞り、社会保障制度の支え手に困ることは明白。1人あたりの生産性の向上ごときで、解決できない問題であることは、小学生レベルの算数ができれば誰でもわかります。

l  和歌山県の人口は923,721人。この1年間で10,330人も減りました。人口が解けてなくなりつつある状態です。韓国・中国・台湾でも人口問題が表面化している現状で、舵取りを誤れば、日本国は衰退の一途を辿るでしょう。

【Timely Report】Vol.595(2020.2.21号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:世界各国が人口減で悩んでいる?」も参考になります。

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l  4月の外国人新規入国者数は1,256人で、20194月の268.3万人から99.9%減りました。中国や韓国等に加え、感染が広がった米欧からの入国も大幅に落ち込んでいます。シンガポールは0人でした(前年同月3.6万人)。

l  2月中は、外国人の入国を原則拒否する対象が、中国の湖北省と浙江省、韓国の大邱市などに限られていましたが、3月に入るとイランや欧州の一部に拡大。43日からは米国や英国などを含む73カ国・地域に広がりました。海外でのロックダウン(都市封鎖)など世界的に人の往来を規制する動きが続き、日本を発着する国際便の運休や欠航も相次いでいます。【p5p10

l  マスコミでは、「ビフォアコロナ」と「アフターコロナ」は異なる等として、哲学的な議論が花盛りですが、ビジネスの世界は、大々的に異ならざるを得ないでしょう。大打撃を受けている観光業だけでなく、幅広い業界に影響が及ぶと考えるべきです。それは、消費者の行動と所得環境が大きく変容しているため、従来通用してきた「成功の方程式」が当てはまらなくなってくるから。本当の生き残り競争は、「アフターコロナ」から熾烈になりそうです。

【Timely Report】Vol.679(2020.6.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:完全失業率は5%台を目指す!」も参考になります。
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l  「コロナ学校休業」で降って湧いた「9月入学論」。賛成派と反対派に分かれて喧々諤々でしたが、結局、現状維持で終わったようです。

l  この問題は、①学校教育に何を求めるか、②学校制度は①に関して機能しているか、③「9月入学」は②の対策として効果的か、という三段論法で解くべきです。①は「社会適用能力」の涵養。「先生が大変」「対応が難しい」という反対論は、学校制度の「社会適用能力」が劣っていることを自白しているだけなので説得性に欠けます。②は、大学が著しく機能していないので改革すべき。③については、「欧米が9月入学だから」とか「海外の留学生が日本に留学しやすくなる」という賛成派が目立ちますが、「私は、日本の〇〇大学の〇〇教授に師事したい」などと語る留学生はいません。日本留学の魅力は「大学ではなく、日本での就労や生活」という現実を直視すべきです。

l  ジャーナリストたちは「偽装留学生」を批判しますが、本当に批判すべきなのはクオリティの低い「日本の大学」。なぜ「日本の大学」に魅力がないのかという点を改善しなければ、「9月入学」など議論する意味がありません。

【Timely Report】Vol.683(2020.6.30号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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l  「働き方改革」という愚かな経済政策のために、無駄と無理が蓄積されています。「働き方改革で労働環境が良い方向に変化すると思うか」という問いには約6割がネガティブ(「どちらかというと思わない」41.4%:「全く思わない」20.5%)。IT部門の調査では、生産性が「向上している」(13%)という回答よりも「低下している」(18%)が上回るというお粗末さ。

l  「働き方改革」は、「働く時間を短縮すれば労働生産性が向上する」というナンセンスな仮説の下に、「働く時間を短縮せよ、さもなくば罰金をとる」という号令に過ぎず、そんなことで生産性が向上するはずがありません。

l  実際現場では、「働き方改革」が進む中、約6割の先で中間管理職への皺寄せが発生しており、「働き方改革のための残業」という皮肉な現象が生じています。大企業が残業を減らすために、下請けの中小企業に納期短縮を要求するので、中小企業が残業せざるを得ないことも。先見性のあるタニタは、社員の「個人事業主化」を打ち出し、このナンセンスから逃れようとしています。政府の戯言は無視して、独自の解決策を模索すべきです。

【Timely Report】Vol.571(2020.1.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:誤った経済政策が韓国を殺す?」も参考になります。

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l  無人店舗、セルフレジ、調理ロボ、ロボ倉庫、物流ロボ、誘導ロボ、農業ロボ、AI清掃ロボ、ロボットレストラン、ICT化など、人工知能(AI)やRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)の活用が進んでいます。そうしたことを背景に、わが国の人口減も、AIRPAで対応できると豪語する論者が絶えません。無論、生産性の向上が期待できることは事実ですし、大多数とは言いませんが、成功する企業が出てくるとも思います。

l  ただ、「製造現場を自動化し、新たなビジネスモデルを構築して生産性を向上させることが極めて重要だ」(経産省幹部)という言を借りるなら、大事なのは、「現場の自動化」ではなくて、「新たなビジネスモデルの構築」です。

l  ビジネスモデルにおいて、「お客さま」は最も重要です。どんなに素晴らしいビジネスモデルを構築しても、「お客さま」が喜んで対価を払ってくれない限り、ビジネスモデルは「絵に描いた餅」になり、AIRPAも高価なガラクタに堕してしまいます。AIRPAを語る前に、「お客さま」に支持していただけるビジネスモデルを実働できない限り、何の意味もないのです。

【Timely Report】Vol.534(2019.11.21号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:日本を救うのはITやAIなのか?」も参考になります。


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l  1016日、菅首相は、講演で、訪日外国人客を2030年に6,000万人まで拡大する目標を明示。持論の観光業振興による地域経済の再生に改めて意欲を示しました。20209月の訪日外国人客数は、前年同月(227.3万人)99.4%減の1.4万人。12カ月連続で前年同月を下回りましたが、6カ月ぶりに1万人を超えました。2020年に4,000万人という目標は断念せざるを得ませんが、「6,000万人」の旗は降ろさずに、「今後もわが国が観光立国として生きていくうえで、観光業はまさに貴重なインフラだ。政府として、事業の継続、雇用の維持のためにあらゆる対策を講じる」とのスタンスです。

l  しかし、観光業界に身を置く企業は、環境が好転するまで息を潜めて待っているわけにもいきません。リストラ、出向、国内客への切り替え、オンラインツアーなど、サバイバルに賭けた必死の模索が続きます。

l  GDP2割を観光業が占めるタイでは、業界全体が死活問題に。観光都市のパタヤでは8割の住民が観光業に関与していますが、前年の1%しか外国人観光客が来ていません。掛け声だけではどうにもならない状況です。

【VISA Report】Vol.744(2020.11.4)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
専門学校は慎重に選びましょう!」も参考になります。

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l  米政府は、中国人留学生向けのビザ発給をさらに厳格化したようです。今年7月、米の学生ビザを獲得した中国人は145人にとどまり、昨年同月の2万超を大きく下回りました。米国の大学などで学ぶ中国人留学生は、201712月をピークに少しずつ減り始めています。留学生の減少は、米国がビザ発給を遅らせて、留学生の排除に動いていることが一因です。

l  5月、米連邦捜査局は中国政府系機関との関係を隠して米政府から研究助成を受けたとして、中国系米国人研究者を逮捕。米国立衛生研究所は70人以上の研究者の助成金の資格取り消しと50人以上を解雇しました。米国政府は5月末、中国軍とつながりのある中国人留学生や研究者の入国を規制する措置をとり、中国人に発給した1000件以上のビザを取り消しました。さらに、最近、ビザを不正に取得した中国軍の女性士官を逮捕・起訴し、技術窃盗の容疑で複数の中国人留学生や研究者を拘束したとも報じられています。

l  日本でも、同様の施策を講じるように求める動きがあります。米中の対立が激化していく中で、わが国の入管行政に影響する可能性も否定できません。

【Timely Report】Vol.728(2020.9.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「入国・在留審査要領:コンビニは本当に単純作業?」も参考になります。
異論・反論大歓迎ですので、是非、下記のコメント欄に、コメントをお寄せください。

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l  9月1日現在における東京都の人口推計は、13981782人で、前月から1万1939人減りました。7月から8月にかけて新型コロナウイルスの感染者が再び増えたため、リスクを避けて都外に転出した人や、帰国した外国人が増えた可能性が指摘されています。もともと9月は、海外企業に就職する外国人留学生らが国外に転出する時期で、人口は減る傾向がありましたが、今年は7~8月の感染再拡大が重なり、減少幅が拡大。外国人は7474人減と前年同月の3倍に。さらに、前年は増えていた日本人も4465人減りました。

l  パソナグループのような本社の地方移転やテレワークの普及で「今後東京離れが進む」と見る専門家もおり、「住みたい街」に関するアンケートでは、流山おおたかの森、鎌倉、町田、柏、大宮、みなとみらい、浦和、本厚木、大宮など都心よりも郊外を選ぶ層が増えています。

l  もっとも、郊外移住には、①職が確保されており、②テレワークで業務が回るという2点が大前提。今後、企業破綻や失業者が増加し、「テレワーク」ごっこの化けの皮がはがれてくれば、東京離れどころではなくなるでしょう。

【Timely Report】Vol.735(2020.10.14)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
特定技能:説明会に出ても分からない?」も参考になります。


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l  中米諸国から米国を目指す移民集団が数千人規模でメキシコに接近。120日、メキシコ国境警備隊は催涙弾による撃退を図り、国境を突破した500人については、翌日400人以上の身柄を拘束し、出身国に送還しました。メキシコはトランプ米政権に対し、不法移民対策を約束するかわりにメキシコ製品への関税賦課を免れており、不法移民への強い姿勢を示した格好です。

l  また、トランプ政権は、公的支援に頼る移民によるビザやグリーンカードの取得を制限する新たな規制を発付。訴訟に発展して論議を呼んでいましたが、127日、米最高裁は、これを当面認める判断を示しました。

l  123日、さらにトランプ政権は、出産のために観光ビザを使って米国を訪れようとする人へのビザ発給を拒否する方針を発表。米国籍の獲得を目的とした「バースツーリズム(出産旅行)」を抑制します。米国は「出生地主義」制度を採用しており、米国で生まれた子に米国籍を付与していますが、この制度を活用すべく、わが子の米国籍取得を目的とした中国人やロシア人の妊婦が続々と入国。米国における移民排斥の動きはしばらく続きそうです。

【Timely Report】Vol.623(2020.4.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「海外事情:一斉摘発で親子が離れ離れ?」も参考になります。
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l  終身雇用・年功賃金制・新卒一括採用等に代表される「日本型雇用」が崩壊しつつあります。早期退職が常態化し、年功賃金の維持が難しくなり、通年採用が広がる中、「副業禁止」という常識が過去のものとなり、昔は忌み嫌われた「転職」という行為が当たり前になりました。

l  あるアンケート調査では、定年まで働くことを想定していない人が68.6%。「終身雇用制度」を不要とする人が54.3%。「年功賃金制」を支持しない人が71.9%ですから、現在の「日本型雇用」が時代にそぐわないことは否定できません。しかし、ほとんどの企業は、「日本型雇用」が崩壊しつつあることを認識しつつも、その事実を認めたくないか、認めたとしても傍観するか、改革を志すもその激痛に耐えかねて動けないか、のいずれかだと思われます。

l  この「日本型雇用」の崩壊は、「新しい雇用秩序」に移行するまで、極めて激しい痛みと苦しみをもたらします。多く日本企業は、それに向き合うことができずに、問題の先送りを図るでしょう。この問題先送りがもたらす日本企業の成長鈍化や日本経済の失速は、消費税増税以上の破壊力があります。

【Timely Report】Vol.522(2019.11.1号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

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l  2018年の「人手不足倒産」は、前年比22.0%増の387件と最多記録を更新しました。そんな中、マクロの景気指標も陰り始めました。昨年12月の景気ウオッチャー調査では、家計・企業・雇用の3部門が揃って悪化し、全体の景況感が2017年3月以来の低水準に低下。日銀が実施した「生活意識に関するアンケート調査」でも、個人の景況感DIは▲32.0と、6年ぶりの低水準で、アベノミクスが始動する直前の水準にまで落ち込んでいます。

l  昨年12月に発表された日銀短観では、3カ月先の「業況判断DI」が現状よりもかなり悪化する見通しになっている中、帝国データバンクの調査でも、「回復局面」と判断する企業が激減する一方、「悪化局面」と指摘した企業が倍増する勢いであることが明らかになりました。景気の懸念材料としては、「消費税制」「人手不足」「原油・素材価格の上昇」が指摘されています。

l  昨年7~9月期のGDPも大きく下振れしたなど、景気の先行きには赤信号が灯っています。根拠なき楽観論に踊らされることなく、「景気後退局面に入った」と腹を括って、会社を運営する必要がありそうです。
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【Timely Report】Vol.336(2019.1.29)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事
将来への不安を解消せよ!」も参考になります。

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l  新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、景気が悪化しているため、不安定な雇用環境にあり、言葉の問題からも声を上げづらい状況にいる外国人労働者たちが「雇用の調整弁」として切られています。工場、語学学校、ホテル、ガイド、免税店などで解雇が増え、ファミレスや居酒屋でアルバイトしていた留学生が仕事を失い、生活に困窮する人々が増えています。

l  新たな仕事を探すにも、多くの人材会社は就職フェアを休止していますし、採用面接に応じる企業自体が少なくなっています。4月の派遣時給は、販売・事務・製造・介護など少なからぬ業種で前年同月割れ。アルバイトの時給も下落が目立ち、5月には多くの業種で前年同月割れする勢いです。

l  日本で働く外国人は166万人いますから、1割強が「コロナ切り」に遭ったら、20万人近い失業者が発生します。ところが彼らは、ハローワークで仕事を探すことのない「見えない失業者」。彼らの存在を勘案すれば、完全失業率はすでに3.0%を超えていると見るべきです。適切な経済政策が講じられないと、リーマンショック時の悲惨な5%台に向かって悪化していきます。

【Timely Report】Vol.676(2020.6.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「在留資格:外国人材に美容師は無理?」も参考になります。
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l  「移民」に係る議論は感情論になりがち。異文化に対する懸念を煽る「攘夷派」と人道主義一辺倒の「開国派」は水と油ですから、交わりようがありません。経済上の得失を語るべきエコノミストも、極論どうしの論争に煽られて、イデオロギーに塗れた論調に陥りがちです。この点、「経済学」がどう論じているかというと、移民肯定派が大勢ですが、「移民は米国のGDPを増やすが、移民以外の米国人が得る利益は小さい」とか「第1世代と第3世代の移民は、コストが税収を上回る」という主張もあります。

l  ただ欧米では、「移民が米国人労働者と競うことで給与は下がらない」「移民が低学歴の先住労働者の賃金を下げることはない」「移民が増えたら、同性・同学歴グループの米国人の失業率が下がり、就労率が上昇した」「移民の増加は、1人当たりGDPの改善や失業率低下をもたらす」という実証研究が蓄積されています。また、「移民が犯罪を行う確率は米国出生者よりも低い」「移民が集中している地域は移民が少ない同等の地域に比べて犯罪率が低い」ことも知られています。日本でも実証研究が必要です。
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【Timely Report】Vol.225(2018.8.15)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

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l  米国では、IT技術者らが取得する「H-1Bビザ」の発給が厳格化。サンフランシスコのIT企業では、外国人の従業員を積極的に採用している先は8%にとどまり(他地域24%)、「現時点では外国人労働者の採用が最重要課題と考えていない」とする企業も54%に上りました。外国人雇用を減らしている企業も33%(全米では26%)を占めているため、技術者の4割が米国を去ることを検討。米国経済は大きなダメージを被ると予測されています。

l  EUから離脱する英国では、直近1年間で、EU域内からの移入者(純増分)が5年ぶりに10万人を下回りました。農業の現場では、外国人労働者の英国離れが加速し、運営が困難化。移民流入を規制すれば、生産および雇用の伸び鈍化につながる可能性が高いとする中間報告書が公表されました。

l  日本では、未だに「根拠が希薄な感情論」か「その場しのぎの現実論」ばかりですが、客観的に検討することが必要です。ちなみに、オーストラリアの財務省と内務省は、移民による財政への貢献額が今後50年間で97億豪ドル(約8,067億円)に上るという調査結果を公表しました。

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【Timely Report】Vol.155(2018.5.8)
より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report


BLOG記事「
移民はプラスかマイナスか?」も参考になります。


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l  日本を代表する大企業が、終身雇用や年功序列を特徴とする「日本型雇用」の脱却を模索しています。デジタル化とグローバル化により年功的な雇用モデルの負の側面が顕在化する中で、40代後半から50代のミドル層における賃金と会社への貢献度の乖離が広がり、安倍政権が70歳までの社員雇用を奨励していることもあって、コストパフォーマンスが悪いミドル層の「重荷感」が倍増。大企業ではリストラが加速しています。

l  若手社員は、「働かないおじさん」たちを冷ややかな目で見る一方で、出世に対する意欲を失いました。「管理職になりたくない」と回答する社員が83%を占め、一番多い理由は、「責任の重い仕事をしたくない」(51.2%)ということですから、同期の間での競争という日本独特の仕組みでモチベーションを高めてきたマネジメントが機能していないことを意味しています。

l  日本企業には、日本型雇用を組み替えるという大仕事が控えている中で、消費税増税によるダメージを受けただけでなく、今回のコロナショックが襲い掛かりました。未曽有の修羅場になっていることだけは間違いありません。

【Timely Report】Vol.653(2020.5.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:コロナショックの影響は半端ない!」も参考になります。
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l  少なからぬ経済学者は、人口減の話になると、「移民を受け入れなくとも省力化投資で賄える」とか「労働生産性を上げるためにIT投資すべき」などと軽々しく論じます。しかし、システムに詳しいわけでもなく、経営をしたこともないのに、よくもそんな戯言が言えるものです。きっと、日本企業や日本国が、どれだけIT投資で失敗してきたのかを知らないのでしょう。

l  無論、有効に活用できれば、ITもAIもロボテックスも、生産性向上に大きく寄与することは間違いありません。しかし、そのためには、導入する技術の成熟度や限界を知悉し、技術に対する社員や顧客の受容度を熟知し、経営戦略の中でどこにいつ投入するのが最も効果的なのかを見極め、コスト・プロフィットが十二分に見合うことを確認した上で、果断に実行しなければなりません。そうでなければ、コスト倒れに終わるだけです。

l  生き残る経営者は、技術の長所を知りつつも、手法やコストや時期が十分に熟すまでは、人員の増減や業務の調整で耐え凌ごうとします。「人手不足だからIT投資しよう」などという軽々しい判断で成功した企業はありません。

【Timely Report】Vol.467(2019.8.13号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
ブローカーには絶対に近寄るな!」も参考になります。

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l  パソナグループの南部靖之代表は、「これから失業者が百万人単位で増加する可能性があり、失業率は過去最高の水準まで上昇するだろう。新卒採用も予断を許さない。外国人労働者の日本での就職も極めて困難になった。外国人留学生でさえ就職が難しい状況において、社会人の外国人が就職するのは無理だ」と断言していますが、失業が増える中では、「外国人がいるから、日本人が就職できない」という主張が増えていくと思われます。

l  気になるのは、「外国人がいるから日本人が就職できない」と主張する論者は、「日本人は優秀なのに、外国人が安い賃金で働くから就職できない」という仮説を信奉していること。しかし、外国人を雇用している経営者に聞くと、「最近の日本人は来社の約束も守らない」「日本人の若者はいいかげん」「外国人は日本人よりも熱意があって努力する」という声が少なくありません。低賃金でなくても、外国人を選ぶ社長は少なくないのです。

l  日本語能力で圧倒的に優っているにもかかわらず、同じ賃金水準の外国人に、負ける日本人が増えているという現状は、直視したほうがよいと思います。

Vol.705(2020.8.3号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:真のマネジメント力が求められる!」も参考になります。
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l  レオパレスが苦境に陥っています。施工不良問題以降、2年連続の巨額赤字。大量の改修工事が控える中で、入居者の確保にも苦戦。中でも、外国人の入居が止まったのが痛い。同社物件に入居する外国人は、3月末で23,000人と5年間で倍増以上。外国人比率は1割を超えています。しかし、コロナショックで留学生等の入国が止まると、56月は2カ月連続で入居率が損益分岐点(80%)を下回り、逆鞘状態になってしまいました。

l  715日には、家賃保証サービス業者のジャパンレントアシストコーポレーションが倒産。1万件以上の物件契約を確保し、20193月期には売上4.3億円を計上していましたが、コロナショックで入居者からの家賃滞納が続出。事業用物件でも家賃の減額要請や回収の遅れが発生し、資金繰りが急速に悪化したようです。全国各地で家賃滞納や契約解除が相次いでいます。

l  人口減少の中、賃貸ビジネスにおける唯一の光明は、外国人向けでしたが、コロナショックによる居住者の収入低迷は不可避。これからは、家賃滞納や夜逃げが頻発するようになるでしょう。ビジネスモデルの再構築が必須です。

       Vol.704(2020.7.31号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

  BLOG記事「経済政策:ロボ酒場のレモンサワーは高い?」も参考になります。
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