全国外国人雇用協会【BLOG】

入国管理法に係わる諸問題を解説しつつ、外国人雇用、人手不足、企業経営、日本経済、移民問題、多文化共生、国際情勢など、幅広く『外国人』と『雇用』に関する話題を取り上げます。

カテゴリ: 在留資格

l  「特定技能」は、十分な検討を経ることなく、「技能実習」に課すべき規制をとりあえず全部入れろということで、考えられえる限りの山盛りの義務を導入したため、不具合が目立ちます。その一つが表面化しました。

l  それは、登録支援機関に課した「送迎義務」です。当初は、「送迎が安全かつ確実に実施できる方法であれば,車両(社用車や自家用車)を利用して支援を実施することも可能です」としていたものを、運送事業の許可がない場合、白タク行為として道路運送法違反に問われる可能性があるとして、急遽9月末に「登録支援機関が,車両を利用して送迎を行う場合については,道路運送法上の必要な許可を受けていなければ,道路運送法違反となる可能性が高いため,公共交通機関を利用してください」という文言を付け足しました。

l  さらに、「支援の実施に当たり,送迎に当たってタクシーを利用するなど必要な範囲で,補助者として,他の者に実施の補助を依頼することは差し支えありません」とまでご丁寧に書いていますが、そんなタクシー代を支払ってくれる受入企業があるとでも思っているのでしょうか。噴飯ものです。

【Timely Report】Vol.584(2020.2.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:「特定技能」は「技能実習」に敗北?」も参考になります。

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l  1123日、英国ロンドン近郊でトラックの冷凍コンテナから不法入国を試みた39人のベトナム人の遺体が発見されました。その中のひとりであるファム・ティ・チャ・ミは、技能実習生として日本で3年間働いた後、今年6月に実家に帰ったばかり。しかし弟が購入した新車で事故を起こし、両親が多額の借金を背負ったため、再び出稼ぎに出ることを決めました。さらに2年働くために訪日を希望したのですが、日本で学んだ技能の普及に母国で1年以上努めることが求められたため、やむなく英国行きを選択した模様です。

l  もしも、彼女が再来日するビザが許可されていたならば、多額の費用をかけ、遥かなる英国に不法入国してまで出稼ぎに行く必要はなかったはずです。その意味で、彼女は、実質的に出稼ぎにすぎない「技能実習」を「日本で修得した技術の母国への移転を図るための人的な国際貢献」であると言い張っている嘘っぱちの制度の犠牲になったと言えなくもありません。

l  もうそろそろ、嘘の上に嘘を塗り固めた「技能実習」は、「単純労働ビザ」として仕切り直すか、「特定技能」に統合すべき時期なのではないでしょうか。

【Timely Report】Vol.599(2020.2.26号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「技能実習:監理団体はビッグビジネスだ!」も参考になります。

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l  2018年に日本の大学や専門学校を卒業した後、就職するために在留資格を変更した外国人留学生は25,942人。過去最多を更新しました。

l  しかし、今後もこの調子で増える可能性は低いと思われます。というのは、達成した「留学生30万人計画」の次を担う文部科学省の政策が公表されない中で、留学ビザの発行が締め付けられており、「偽装留学生退治」が本格化する気配が濃厚だからです。また、「特定技能」の不振を挽回したい入管としては、学歴がない外国人については、「留学」ではなく、「特定技能」で来日してほしいと考えているでしょうから、留学生の総数がこれまでのように大幅増になるという可能性は低いと考えたほうがよいと思われます。

l  加えて、「技術・人文知識・国際業務」に関しては、認定で来日する外国人が急増しているので、「国内は多少締め付けてもよい」という見立てもあるのでしょう。じつは、当該資格に関して、2018年に入管が認定した人数(41,510人)は留学生の1.6倍。ただし、業種を見ると、留学生の就職では目立たない「人材派遣」(5,860人)がかなり多いことが気にかかります。

【Timel
y Report】Vol.576(2020.1.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:ネオキャリアは逃げ切れるか?」も参考になります。

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l  鳴り物入りで導入された「特定技能」が遅々とした動きではありますが、徐々に進み始めました。各国との二ヵ国協定の締結も進捗し、外食分野や宿泊分野、自動車整備分野における許可など、業種にも広がりが見えてきました。

l  しかし、関係者にとって悩ましいのは「転職」。転職禁止の「技能実習」とは異なり、「特定技能」の場合、日本での就労が認められている業種の枠内であれば転職が自由です。特に地方では、「気仙沼でイカの塩辛をつくっていた実習生が、特定技能に移ると東京の総菜屋やパン屋で働ける。みな首都圏に行ってしまう」などの不安を抱く経営者が少なくありません。

l  実際は、転職の際に入管による在留資格変更許可が必要なので、簡便に転職できるわけではありませんが、転職先に入社するまでの間、「転職支援」がどこまで求められるか不明という問題もあります。そういうこともあり、「特定技能」の雇用が可能な企業に聞いても、「特定技能は検討していない」(45.2%)と「よく知らない」(18.4%)を合わせた消極派が3社に2社(計63.6%)。「特定技能」が「技能実習」を凌駕する日はまだまだ遠そうです。

【Timely Report】Vol.547(2019.12.6号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:一流の外国人は日本に来ない?」も参考になります。


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l  「留学」の在留資格認定証明書の交付率が急降下しています。全国日本語学校連合会によれば、中国や韓国については90%台で推移しているのですが、ミャンマーは前年の76%から15%、バングラデシュは61%から21%、スリランカは50%から21%に下がったようです。関東甲信越では、ネパール、バングラデシュ、スリランカの交付率が1%台以下という惨状でした。

l  要するに、入管の立場からすれば、「働きに来るのなら、『留学』ではなく、『特定技能』で日本に来い」ということなのでしょう。期待の新人として鳴り物入りで導入された「特定技能」の初年度は、予想の1%程度に終わる公算大で、人手不足対策を迫る政治家からの圧力も高まっています。

l  「留学生30万人計画」が終結した今、入管にしてみれば、文部科学省の顔を立てる必要もないので、留学生の入口を狭めて(留学ビザの不許可↑)、資格外活動を締め付け(28時間超の摘発↑)、在留資格の取り消しを積極化する(不在籍学生の摘発↑)という方針に転じたということなのでしょう。留学生アルバイトに頼る経営は、ますますリスクが大きくなってきました。

【Timely Report】Vol.533(2019.11.18号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
入管行政:劣後する日本語学校は不要?」も参考になります。

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l  「特定技能」を導入してから半年を経過しても、取得者は732人に過ぎず、初年度想定の3%未満。特定技能で受け入れるのは9カ国ですが、先方の法令や手続が定まったのは、カンボジア、インドネシア、ネパールのみ。10月までに技能試験が開催されたのは6カ国で、日本語試験が開催されたのは4カ国だけ。技能試験が実施されていない業種が多いため、日本企業は人を受け入れたくても、受け入れられない状況が続いています。「特定技能」に期待を掛けた関係者の間には、「騙された感」が漂い始めました。

l  法務省は、諸外国との調整や試験の遅延を原因に挙げていますが、昨年7月の閣議決定で、「法務省は、外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行う」と決まったのだから、司令塔としての辣腕を振るえばよいだけです。入管の現場には未だに外国人嫌いが目立ちますから、本音では受け入れたくない法務省が責任を転嫁しているだけとも感じられます。

l  監理団体が「技能実習」の長所と「特定技能」の短所を喧伝し続ける中で、「わざわざ特定技能にしなくても」と考える国や企業が着実に増えています。

【Timely Report】Vol.595(2020.2.20号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:入管は受け入れたくないのです?」も参考になります。

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l  111日、農林水産省は国内の調理専門学校を卒業した外国人留学生が働きながら技術を学ぶ「就労研修」を拡充しました。調理師養成学校の留学生について、卒業後の5年を上限に日本料理店で働きながら技術を学ぶ制度は、日本料理を学んだ外国人が日本料理店で働く場合に限られていたのですが、卒業後の受入施設として日本料理店以外の飲食店、製菓・製パンの小売店、ホテル・旅館を加えました。パティシエとして菓子店で働いたり、レストランやホテルで料理人になったりする留学生も対象になるといいます。

l  この研修制度の正式名称は、「日本の食文化海外普及人材育成事業」というのですが、ざっくりと言えば、「技能実習」における「監理団体」や「特定技能」における「登録支援機関」の代わりに、調理の専門学校(取組実施機関)が求人企業と求職者(留学生)をケアする構造になっています。

l  法務省が「特定活動(クールジャパン)」を先送りしたことに対し、業界や学校が不満を言っていることに対するガス抜きなのかもしれませんが、在留資格の体系としては重複部分が増えて、どんどん複雑化していくばかりです。

【Timely Report】Vol.591(2020.2.14号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「経済政策:外国人の若者がいなかったら?」も参考になります。

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l  在留資格「特定技能」が導入されてから5カ月間で認定されたのは205件。初年度は1000人以下の受け入れにとどまる公算が大きく、当初予想(32,800人~47,550人)の12%に終わる可能性が高まっています。入管庁長官は、「雇用する側が様子見という印象を持っている」として、早くも責任転嫁を模索しており、入管庁として受入拡大に動く姿勢を見せようとしません。

l  昨年7月に新設された「日系4世ビザ」においても、1年間で33人(認定は43人)が入国するにとどまり、年間上限4,000人の1%を割り込んでしまいました。家事代行に従事する外国人も来日が進みません。国家戦略特区制度を活用して、外国人による家事代行サービスがスタートしてから2年半になりますが、参入した家事代行サービス大手が見込んでいた計画(2021年度までに3000人強)に比して、950人程度にとどまっています。

l  在留期間の短さや家族同伴の可否、受け入れサポーターの有無など、制度面における諸問題は数々ありますが、根本的な要因は、外国人を受け入れたくない入管の基本姿勢。そこが変わらないと如何ともし難いものがあります。

【Timel
y Report】Vol.543(2019.12.2号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管法違反:日立だったら送検されない?」も参考になります。


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l  1112日、入管が、技能実習生の失踪を減らすため、新たに対策を強化する方針を公表したという報道がありました。報道によれば、「大量に失踪者を出した実習先や監理団体は、適正な実習ができていないと見なして、新規の受け入れを停止するほか、賃金の不払いがあるなど違法性が確認できれば、受け入れをできなくするとしています」(NHK)という内容のようです。

l  マスコミは「厳格化」と書いていますが、報道内容によれば、「大量に失踪者を出した実習先」に限られるので、失踪者が1人でも不可になる「特定技能」より緩い規制ですし、②その場合でも「新規の受け入れを停止」で済むのであれば、既に雇用している「特定技能」も不可となり得る「特定技能」と比べれば相当甘いほか、③「賃金の不払いなど違法性が確認できれば、受け入れをできなくする」という措置も、企業に帰責性のある失踪者1人だけで「受け入れをできなくする」ことになる「特定技能」との比較では、お話にならないほどのユルさです。「技能実習」よりも「特定技能」が厳しいというアンバランスは、早急に是正する必要があります。

【Timel
y Report】Vol.586(2020.2.7号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:「特定技能」は「技能実習」に敗北?」も参考になります。

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l  自民党は、「介護に従事する外国人」について、現行ルールの再検討を始めました。本来であれば、専門学校等に通って資格を目指す「養成校ルート」に関しては、2022年度から介護福祉士の合格を義務付けるのが既定路線だったのですが、関係団体から義務付けの延期を求める声が相次いだことから、「今後も引き続き議論を深めていく」として延期に含みを持たせました。

l  そもそも養成校では日本人学生が激減して死にそうだったところ、外国人留学生で延命しており、2019年度の留学生は2037人。前年度(1142人)のほぼ倍で、全体に占める割合も29.2%に達しました。「介護」の「技能実習」や「特定技能」が不振の中で、人手不足に悩んでいる現場は悲鳴を上げていますから、特別に国家試験を免除して、養成校の卒業生に在留資格を認めている「抜け道」を防がれると、不合格が頻発して大問題になり得ます。

l  「介護」については、本件だけでなく、日本語試験のレベルや特定技能への移行に関しても特別な配慮が施されました。このままだとズルズルと緩和していくことになりますが、果たしてそれでよいのでしょうか。

【Timely Report】Vol.585(2020.2.6号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「在留資格:日本語能力は高いほどよい?」も参考になります。

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l  「特定技能」がなかなか普及しません。その背景には、「技能実習」の関係者なかんずく監理団体が「特定技能」に反対しているという事実があります。監理団体の立場に立てば、気持ちはわかります。「技能実習」であれば、毎月35万円の管理費を取れたものが、「特定技能」で外国人受け入れのための支援費として徴収したとしても毎月12万円程度でしょうから、収益的には半分以下になります。しかも、転職の自由もあるので旨味が少ない。

l  監理団体は、企業から入会費と年会費(各110万円)を徴収し、実習生1人当たり30万円程度の初期費用(紹介料810万円、入国前費用6万円、実習生の渡航費6万円、入国後費用1314万円)をもらうと言われています。入国前費用と渡航費は実習生が払っているので、実質的には監理団体の取り分になるほか、送り出し機関から謝金や賠償金(失踪等)をもらっていると言われています。その上に管理費が毎月入ってくるわけです。監理団体全体でいうと、月130億円以上・年1500億円以上もの収入があるという見方もあるほど。要するに、監理団体はビッグビジネスなのです。

【Timely Report】Vol.578(2020.1.28号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:登録支援機関は「開店休業」中」も参考になります。

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l  「特定技能」の普及が進みません。マスコミは、試験の遅れや入管の準備を理由に挙げていますが、実態としては、監理団体など「技能実習」の関係者が「特定技能」の導入に大反対していることが背景にあります。

l  ある監理団体は、「ウィンウィンの技能実習に比べ、特定技能はデメリットばかり。①転職が可能なので大都市に人材が集中する、②外国人が集中する大都市の治安が悪化する、③送り出し国が反発するというのが特定技能のデメリットだ。③送り出し国が反発するというのは、優秀な人材は日本に永住して母国に帰国せず、優秀じゃない人材ばかりが母国に帰国することになるからだ」と主張し、「10年後を展望すれば、AIが発展して人余りになるだろう。そうすれば、特定技能で日本に連れてきた外国人は、国民の負担になる。不法移民になって治安を乱すかもしれない」という懸念を表明しています。

l  「出稼ぎオンリーの特定技能は筋が悪い。技能実習は5年まで延びたが、さらに5年から7年にまで延ばすべきだ。それが正しい政策である」と提言している監理団体が、素直に「特定技能」の普及に手を貸すとは思われません。

【Timely Report】Vol.574(2020.1.22号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:登録支援機関は「開店休業」中」も参考になります。

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l  「特定技能」の認定が、導入からの半年間で、376人(927日時点)に留まったことが明らかになりました(申請は1500件前後)。初年度に見込んでいた32,800人~47,550人の1%程度の規模であり、現在「特定活動」で待機している技能実習の卒業生(2000人超)が今後加わったとしても、見込みの1割に届かない可能性が高いと推測されます。

l  それに対して、登録支援機関の認定は、1,808機関(822日時点)と、認定された外国人の人数を遥かに超えています。1機関当たり0.2人しか認定されていないわけなので、ほとんどが「開店休業」の状態になっています。

l  神奈川県のある行政書士は「いまの仕事量だけでは生活が厳しい」として、外国人ビジネスへの参入を決め、業務を通して築いた外国人人脈を生かして、支援態勢を整えると言いますが、そんなに甘い市場ではありません。「1人当たり月数万円が相場」という委託費の報道もありますが、実際に支払うのは少数派。東京入管は「外国人支援を業として展開できる好機と踏んで参入している」と分析しますが、実際に「業」にできるのは一握りだけでしょう。

【Timely Report】Vol.559(2019.12.24号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:「特定技能」は「技能実習」に敗北?」も参考になります。


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l  ハイチ出身の父と日本人の母を持つテニスの大坂なおみ選手は、幼少から米国を拠点とし、日本と米国の国籍を持っていますが、国籍法が年齢制限として規定している22歳の誕生日(1016日)を迎える前に、日本国籍を選ぶ届け出を済ませたことが報じられ、日本中が歓喜しました。

l  ただし、米国国籍から離脱したという報道はありませんから、実態としては二重国籍のままだと思われます。国籍法は、外国籍の離脱の努力をするように求めているものの、罰則規定はありません。また、米国には「国籍離脱税」(全財産の20%)があり、大坂選手の場合、数億円に達するという見方もあります。そういう状況下で、米国国籍を離脱させることは酷に過ぎます。

l  類似の事例は今後も頻発しますから、二重国籍の是非を含め、「日本人とは何者か?」という突っ込んだ議論が必要です。日本人の定義をどうするか、日本人としての権利はどこまで認めるべきか、日本人としての義務はどうあるべきか、日本国が守るべき日本人の定義をどう定めるべきか、日本国が守るべき日本人の権利はどこまで拡大すべきなのか、など難問山積です。

【Timel
y Report】Vol.565(2020.1.8号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「国籍問題:大坂なおみと二重国籍問題」も参考になります。


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l  918日に出た宇都宮地裁真岡支部の判決が話題になっています。憲法は「同性婚を否定していない」という立場から、内縁関係の同性婚を婚姻関係に準じて取り扱い、慰謝料の支払を認めたからです。憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」と規定していますから、政府は「同性婚は認めない」という立場をとっています。しかし近年では、法の下の平等(憲法14条)や幸福追求権・個人としての尊重(憲法13条)を根拠として、「同性婚」を認めるべきという学説も有力であるほか、容認派が7割を占めるという調査もあり、同性婚を憲法改正で議論すべきという動きも出てきました。

l  本件について、在留資格の世界では、入管の裁量に完全に委ねられており、外国人同士の場合、双方の国で同性婚が容認されていれば、「特定活動」の在留資格が許可され得るのですが、日本人との事実上の同性婚の場合、政府が「同性婚を認めない」という立場であるため、該当しません。

l  しかし今回、日本人と同性のパートナーに対して、在留特別許可が初めて認められました。前例になるかは不明ですが、入管も少し踏み込んだようです。

【Timely Report】Vol.562(2019.12.27号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管行政:入国審査官にも情けはある!」も参考になります。


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l  「国際金融都市TOKYO」を標榜する東京都が、「国家戦略特区」を活用して、都が指定する金融会社で雇用された場合等で在留資格「高度専門職」における「ポイント制」で「10点」を加算することとしました。

l  10点」というのはそれなりに大きいので、別に悪くはないのですが、対象が極めて限られていますし、そもそも即戦力で東京にやってくる外国人は、「技術・人文知識・国際業務」で来日し、在留資格に不自由するような人たちではないので、「10点」に心惹かれることはないでしょう。敢えてメリットを感じ得るのは、「永住者」と同等の「高度専門職2号(在留期間無期限)」を目指す外国人になりますが、「高度専門職」は雇用主と紐付けられるので、転職が実質的に困難なため、あまり魅力的ではありません。

l  本気で「国際金融都市」を目指すのであれば、アジアで上位に陣取る香港・シンガポール・上海にはない画期的な魅力がなければ、外国の金融人材は東京など見向きもしません。メガバンクも大手証券もリストラばかりの現状を変革しない限り、小手先で在留資格をいじったところでむなしいだけです。

【Timely Report】Vol.554(2019.12.17号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「入管政策:アマゾンはカナダが好き?」も参考になります。


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l  評判の悪い「技能実習制度」の仕切り役は、「監理団体」なのですが、ものすごく政治力があって、裏技に秀でています。例えば、「技能実習」の技能検定をクリアした場合、「特定技能」に変更することが可能なのですが、そのときは、技能評価試験に合格した証拠(合格証)を入管に提出する必要があります。ところが、一部の監理団体では、技能評価試験の合格証を実習生に手渡さず、自分が発行する「表彰状」で代用しています。

l  「表彰状」には、「技能評価試験に合格した」と書かれているものの、「技能実習」から「特定技能」に変更するためには、技能評価試験の合格証が必要なので、この「表彰状」では何の役にも立ちません。要するに、「技能実習」から「特定技能」に変更されないように、監理団体が邪魔しているのです。

l  また、「特定技能」への変更を望む実習生が日本語能力を証明するためには、「技能実習生に関する評価調書」という書類を提出しなければならないのですが、その「評価調書」を提出する際に必要な署名捺印をしてくれない監理団体も少なからず存在します。「技能実習」の天下はまだまだ続きそうです。

【Timely Report】Vol.550(2019.12.11号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:監理団体の政治力はスゴイ!」も参考になります。


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l  政府が「クールジャパン戦略」を見直し、クールジャパンに関わる外国人を対象に、在留資格の条件緩和を検討することが報じられました。このため、9月中旬にも「クールジャパン戦略会議」が設立される予定です。

l  残念ながら、「吉報」ではありません。そもそも2017年夏、外国人の「クールジャパン人材」に永住権を認める制度を2018年度までに創設するという構想が浮上。2018年夏になると、菅官房長官が「留学生の就職希望者の大部分が日本で働ける制度をつくりたい」と発言し、9月には「クールジャパン戦略」に関連する分野(アニメや漫画、日本料理、ゲーム等)の仕事に就く外国人に「特定活動」の在留資格を与えるという報道が流れました。

l  2018年末の「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」では、「平成30年度中にクールジャパン分野等の専門学校等を卒業する留学生が就職できる業務の幅を広げるため、同年度中に所要の措置を講ずる」と明記されましたが、蓋を開けてみれば、「クールジャパンビザ」は、「クールジャパン戦略会議」に申し送りする形で先送り。新設に反対する法務省の粘り勝ちです。

【Timely Report】Vol.534(2019.11.19号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「
入管行政:劣後する日本語学校は不要?」も参考になります。

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l  624日、NHKが、ドキュメンタリー番組において、今治タオルの縫製工場で技能実習生たちが低賃金かつ劣悪な労働環境で働かされている様子を報じたところ、大反響となりました。番組終了後には、テレビに映り込んだ工場の建物をネットで特定する人が現れ、「森清タオル・オルネット」が問題の工場を運営しているとの誤った情報が広がり、誹謗中傷が殺到。NHKが否定コメントを出すという事態にまで発展しました。

l  NHKの番組制作者には、技能実習制度のヒドイ実態を世の中に伝え、世論を喚起し、制度改善につなげるという高邁な意図があったのでしょう。確かに技能実習制度には大きな問題があり、改善すべきであることは明らかです。

l  ところが、818日、そのNHKが、可哀そうな技能実習生に対して、受信料を集金に行ったところ、トラブルになったという事件が報じられました。集金人に対して、消火器を噴射した実習生に非があることは明らかですが、日本語が理解できない実習生に対して、「NHKを視聴しているはずだから、受信料を支払え」と自宅に押し掛けるというのはいかがなものでしょうか。

【Timely Report】Vol.524(2019.11.5号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

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l  「日系4世ビザ」が低調です。海外の日系人コミュニティからの熱望を受け、政治の肝煎りで創設されたにもかかわらず、昨年7月の導入以降、入管庁が見込んだ年間4000人の枠に対し、資格を得たのは43人(6月17日時点)だけと1%程度。顔を潰された政治家から苦言を呈せられたためか、入管庁が要件緩和に向けて検討に着手したという報道がありました。

l  これは、近年における入管行政の典型的なパターン。政治から緩和要望を受けたものの、嫌なので面従腹背を貫いて、大して覚悟することもなく、条件を厳しくする。その結果、緩和しても増えませんから、政治圧力を再度受ける。そして、一片の哲学もなく、小出しで緩和するから、制度がぐちゃぐちゃになる。「来日する外国人が共生するためにもN4だけは譲れない」などという守るべき一線がないから、ずるずるっとなし崩しになっていきます。

l  「日系4世ビザ」では日本語要件を緩和するとのこと。「特定技能」も同じ運命を辿るような気配があります。特に「介護」は、現場の人手不足に押されて、看護師試験の落第者を受け入れる等、何でもありになってきました。

【Timely Report】Vol.519(2019.10.29号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:初年度見込みは大幅未達?」も参考になります。

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