l  評判の悪い「技能実習制度」の仕切り役は、「監理団体」なのですが、ものすごく政治力があって、裏技に秀でています。例えば、「技能実習」の技能検定をクリアした場合、「特定技能」に変更することが可能なのですが、そのときは、技能評価試験に合格した証拠(合格証)を入管に提出する必要があります。ところが、一部の監理団体では、技能評価試験の合格証を実習生に手渡さず、自分が発行する「表彰状」で代用しています。

l  「表彰状」には、「技能評価試験に合格した」と書かれているものの、「技能実習」から「特定技能」に変更するためには、技能評価試験の合格証が必要なので、この「表彰状」では何の役にも立ちません。要するに、「技能実習」から「特定技能」に変更されないように、監理団体が邪魔しているのです。

l  また、「特定技能」への変更を望む実習生が日本語能力を証明するためには、「技能実習生に関する評価調書」という書類を提出しなければならないのですが、その「評価調書」を提出する際に必要な署名捺印をしてくれない監理団体も少なからず存在します。「技能実習」の天下はまだまだ続きそうです。

【Timely Report】Vol.550(2019.12.11号)より転載。詳しくは、このURLへ。http://nfea.jp/report

BLOG記事「特定技能:監理団体の政治力はスゴイ!」も参考になります。


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コメント

 コメント一覧 (3)

    • 1. 池田 基
    • 2020年01月12日 17:20
    • 21位
      技能実習生が特定技能に変更するのを妨害する団体もいるなんて、
      益々、この国はどこに向かているのか分からなくなります。
    • 2. 村橋和久
    • 2020年01月12日 21:05
    • 日本で頑張りたい外国人や、外国人を有効活用して自社の雇用を改革しようと踏み出そうとしている企業経営者、ひいては、将来の日本のいくすえなど、一顧だにせず、自団体の利益のみを最優先させる卑しい輩が、今、あまりにも多すぎます。
      当然、営利団体である以上、自団体の利益を追求する必要はありますが、自団体のみが繁栄すればいいという完全なエゴイスト的な考えで、本当の意味での発展につながるのでしょうか。
      日本が美徳であった自利利他の精神が薄れたこの平成30年は、経済成長がほぼ0という結果に終わっています。
      令和の時代こそ、日本の力を取り戻すべくためにも、自他ともに栄える道を
      求める日本精神を呼び戻したいものです。
    • 3. 馬場 豊
    • 2020年01月13日 07:08
    • それぞれの利権が絡んでいるようなので、「技能実習」側は世間の批判も、実習生のこともおかまいなしに、「特定技能」にとられまいとしているようです。政府の小手先だけの俄かつくり様な政策では、「特定技能」はやがて空中分解してしまいそうです。
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